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自分の知らない自分の話

息子を産む際、
思い切りいきむと
今までに聞いたことのない
自分の声を聞いた。
それはあまりにも
野性味あふれる
獰猛な声だった。
これ以上に未知なる自分の声を
この先聞くことはないだろうと
思っていた。
先ほど主人が、
リビングで仰向けになって
寛ぐ私の上に
ふざけて覆いかぶさり、
全体重をかけてくるまでは。

何年生きていても
自分の知らない自分が
無数に存在するものだ。



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