あややま

三十路の専業主婦。1歳児の母。

あややま

三十路の専業主婦。1歳児の母。

最近の記事

アクリル絵具とたくましい心の話

この半年の間、 本当にいろいろとあった。 人生でこれ以上に 泣くことなどそうないだろうと 思ったことがかつてあったが、 それよりもずっと泣いた。 娘が無事に生まれてきてくれたことが ただただ救いである。 放課後の教室で 平面構成の課題をしていたら、 アクリル絵具がピッとはねて 白い画面を汚してしまったことがある。 見かねた友人が水を含ませた筆で サッと洗うようにそれを擦ると、 絵具のシミはたちまち消えてなくなった。 それから友人は、 あややまももう少したくましく生きなよと

    • 育児に没頭する安心感の話

      いつ毎日更新が断たれるかなと 思っていたが、 9月2日の夜にそれはやってきた。 二人目の妊娠がわかるやいなや、 間髪入れずにやってきたつわりによって、 すさまじい吐き気と睡魔とに襲われた私は、 noteの更新が出来ないまま 眠ってしまったのである。 それなりにショックではあったが、 今となってはもうどうでも良い。 子供を産み、育てていると、 不思議とあの焦燥感がない。 あの焦燥感とは、 大学時代の長い春休みや、 フリーターや会社員をしていた頃に、 私を散々苦しめた 「自分は

      • 感情の後始末の話

        以前、「自分の機嫌は自分で取る」 という言葉が釈然としなかった。 いまひとつ腹落ちしないのだ。 しかしここのところ、 ようやくわかってきたように思う。 日々あらゆる不安は尽きないが、 無闇に不安を湧かせても 結局その処理は自分で行わねばならない。 昔から困ったことがあれば人を頼り、 不安があれば都度人にぶつけてきた。 しかしどんなに理不尽な目に遭おうとも、 例え泥水を啜らされても、 最後には自分で立て直すしかないのである。 それは心細くはあるが、 他者に影響されないという意

        • 東京の青看板に思う話

          亀井絵里ちゃんのニュースが 頭の中の大部分をしめたまま、 今日一日が終わろうとしている。 妙な高揚を持て余し、 気づけばbeautiful peopleのサコッシュを ネット検索していた。 すでに売り切れていた。 頭を冷やすべく買い物に出かける。 道を歩くと青看板が目に入った。 東京都民になり一年半が経ったが、 東京の地名の書かれた 青看板に未だ見慣れない。 それどころか 東京の地名を見ていると、 なんだか帰らなければならないような 気さえしてくる。 無論家は東京にあるので

        アクリル絵具とたくましい心の話

          銅製の卵焼き器との和解の話

          急にだし巻き卵が上達した。 我が家にある銅製の卵焼き器の 要領を掴んだ。 今まで卵液が張り付くと 焦げたのかと焦って剥がしたり、 火が強いのかと思い弱めていた。 しかしこれは鍋の温度が 十分に上がりきっていないためである。 卵液が張り付いても あえてそのまま置いたり、 卵液を鍋に流し込めば グツグツと大きな泡が立って破けるほどに 鍋を熱してやると するすると剥がれてうまくいく事に気づく。 器用にだし巻き卵を作る主人を尻目に、 今まで銅製の卵焼き器を敬遠していた。 自分は銅

          銅製の卵焼き器との和解の話

          飲める餃子の話

          宇都宮・正嗣の餃子を ネットで注文し、初めて食べた。 正嗣とは、餃子好きを自称すると 必ず食べたかと人から聞かれる 宇都宮餃子の名店である。 マニュアル通り 多めの油で揚げ焼きにする。 トロトロ系で緩めのタネは、 宇都宮餃子らしく野菜感が強めで 生姜がよく効いている。 皮は薄めだが、 揚げ焼きにしたことで存在感がある。 実際には一口目は 「なんだ、こんなものか。」というのが 正直な感想だったが、 食べ進めていくうちに 妙な喉越しの良さや、 後を引く美味さに気づく。 次から

          飲める餃子の話

          息子の初めての発熱の話

          noteを更新出来ない日が いつか来るだろうと思っていたが、 救急車で運ばれた日ですら 更新している自分がいた (最近は専ら仮で誤魔化しているが)。 しかしながら ついに息子の体調不良で 更新が危ぶまれている。 初めての息子の発熱に 母は満身創痍である。 子の看病は大変だと良く聞くが、 なるほどこのような大変さなのだなと 身をもって知る母親2年目の私であった。

          息子の初めての発熱の話

          ひろゆきの話

          遅ればせながら ひろゆき氏のYouTubeを視聴している。 流暢にペラペラと 物事についてなにやらロジカルに語るので、 見ていると賢くなった気になれる。 また視聴者がそれぞれ 自分の思う額を支払い、 彼に質問するといったシステムにも 大変驚かされた。 良くも悪くも頭の良い人なのだろう。 彼について色々と思うところはあるが、 動画を見ていて特に印象深かった話は、 「調べ物をするときは 日本語以外の言語でも調べる」という話と、 「ウィキペディアの誤字は どれくらいで気付かれて直

          ひろゆきの話

          松屋の味噌汁の話

          日々味噌汁を作るたび思うのだが、 コーヒーメーカーならぬ 味噌汁メーカーというものは なぜ一般に普及しないのだろうか。 鍋で野菜か豆腐を煮て、 ほんだしと味噌を溶き入れる作業を 毎日のように繰り返していると、 そのことが不思議でならない。 味噌汁メーカーといえば、 よく思い出すのが松屋のそれである。 お椀に乾燥わかめや油揚げを ひとつまみ入れてセットし、 ボタンを押すと湯と味噌が 出てくる仕組みのように見える。 この味噌汁メーカーで作られた味噌汁が、 いつでもどこの店舗でも

          松屋の味噌汁の話

          極妻を見るごく普通の妻の話

          BS-TBSにて 「極道の妻たち 最後の戦い」が 放送された。 数日前から楽しみにしており、 主人に録画予約をしてもらったが、 リアルタイムで視聴しようかと考えていた。 しかし夕食後、 だらだらと惰眠を貪ってしまい、 見逃してしまった。 結局録画を見ることになりそうである。 このように すっかり「極妻」に魅了された私を見兼ね、 レンタルで借りてこようかなどと (全10作である) 主人は提案してくれたが、 BS-TBSでの放送を待つ方が より楽しみにできると考え これを断った

          極妻を見るごく普通の妻の話

          人生経験についての話

          数日前、 姉と各々の「人生経験の少なさ」について 嘆き合った。 しかしこの中で姉が、 人生経験を概ね趣味の充実と 考えているように感じ、 ふと気になった。 そもそも人生経験とは どのような経験を指すのであろうか。 早速主人に尋ねてみると、 それぞれの人生で行ったこと全てが 人生経験と言えるのではないかと答えた。 何をそれとするかは、 人それぞれなのではないかなどと付け加える。 なんだか非の打ちどころがないが、 身もふたもない意見である。 自分はどう考えているだろうかと 思

          人生経験についての話

          言葉にしないようにする話

          暑いと言うのが苦手である。 ただでさえ暑いのに、 言葉にすると余計に暑く感じる。 そのためどんなに暑くても暑いと言わない。 ただし外では言わないだけで、 屋内では盛んに暑いと言う。 クーラーという解決法があるからである。 同様に息子が金切り声を上げても、 太い声で泣いても、 うるさいと言わない。 これも言葉にしてしまえば 揺るぎない事実になってしまうからである。 どうしてもの時には、 余裕ぶってうるさいぞォ〜などと言うことで 自分を騙くらかしている。 息子を出産するとき、

          言葉にしないようにする話