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高止まりのコーヒー相場価格

昨年4月より徐々に高騰し、2021年7月末に急騰したコーヒー相場価格。
まだまだ相場下落の様子を見せない現在のコーヒー相場と、今後の行方について書いていこうと思います。

相場高騰のおさらい

2020年の10月~12月にブラジルでの降雨量が不足しており、『これは2021年度産のブラジルは裏作だし、さらに生産量が下がりそうだな・・・。』という予想からコーヒー先物価格は2022年度1月頃から徐々に高騰します。

2021年7月末にブラジルの一部産地にて葉や枝が凍結する『霜害』が発生したことを発端にコーヒーの相場価格は一気に上昇しました。これに加えてコロナによる輸送遅延、ウクライナ侵攻による情勢不安、ラニーニャによるコロンビア減産懸念、円安傾向といった問題が立て続きに発生したことによって現在のコーヒー取引価格は相場高騰前の『2倍』近い金額になっています。

過去の相場と比べて・・・

コーヒーの相場が高いって言っても例年のことでしょ・・・?

と言われることがありますので、過去にさかのぼって説明しますと、
以前に大きく相場が動いたのは2014年と2016年でした。
その前は2011年1月に300¢/lbを超えることもありました。
推移をグラフにしますと下図の通りで、間違いなくコーヒーの相場価格は上昇しており、取引価格は単純計算2倍近くになっております。

円安×相場高騰による価格急上昇

コーヒーは農産物ですので、その年毎の収穫量や主要生産国の天候によって大きく相場価格は変動します。過去からみても5年に一回ほどのペースで相場はあがるのですが、今回の相場価格高騰には『円安』という状況が相まって、かなりの価格高騰となっております。

昨年の今頃は110円ほどで推移していましたが、現在は135円越えもあるほどの円安状態です。この相場高騰×円安による影響は、コーヒーの取引価格を2.0倍から2.5倍ほどになっております。またコーヒー相場価格が上昇すると人気の銘柄は争奪戦が始まり、価値が増しますのでさらに価格が上がります。国内で使用されているコーヒーの各メーカー様の原価はこれまでないほどに高値になっていると思います。

今後の相場推移予測

毎回お客様にも説明するのですが、正直わかりません・・・。
これまでに比べて、円安状況・ブラジル生産量・ICO在庫の減少(国際認証在庫)・コロナによる流通遅延・生豆のプレミアム付加といったいくつもの要因が重なって現在の相場感になっていますので、いついつまでに下がる!といったことは誰も明言できないと思います。

あえて言わせてもらうのであれば、ブラジルの霜害懸念が完全になくなる8月中旬、ブラジルの生産量報告がある9月~10月、ブラジルの2023年度の収穫量のひとつの目安となる降雨期の11月は好転するタイミングと考えております。しかしながら、ブラジルに次ぐ大生産国コロンビアでも例年以上の降雨が続いているため、一部減産が報じられておりますので、本当にどうなるかわかりません!


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