読書日記#1「こどものとうひょう おとなのせんきょ」
2024年10月27日衆議院総選挙が行われた。今回の総選挙は9月27日に自民党総裁選で新総裁が決まり、10月1日の臨時国会で石破首相誕生、10月9日衆議院解散総選挙突入というタイトなスケジュールの中行われた選挙だった。
たった9日間では新内閣の仕事ぶりは判断できない。今回の選挙はそれまでの政治の在り方を問う選挙であったように思う。
そんな中、かこさとし作「こどものとうひょう おとなのせんきょ」という絵本があるのをSNSで知った。
かこさとしといえば、なんといっても「からすのパンやさん」。たくさんの美味しそうなパンの絵に魅せられて、子ども時代に何度も繰り返し読んだお気に入りの絵本の作家である。ほかにも「にんじんばたけのパピプペポ」や「どろぼうがっこう」も大好きだった。
そのかこさとしさんが、選挙や投票についての絵本を書いていたなどまったく知らなかった。
内容は絵本とは思えないほど深く、子どもたちが自分の遊び場を確保するためにどうするかを考えさせながら、選挙や投票の目的、仕組みや民主主義のあり方について学べるようになっている。
特に、民主主義は多数派至上主義のようになりがちなところを、少数意見も大切にして議論で決めるという民主主義の基本に立ち返ることができ、その説明の仕方はわかりやすく、なるほどと納得するものであった。
とても良い本であった。
絶版になっていたが、なにかで紹介され評判がよく復刻版がでたらしい。
1983年出版の際書かれたあとがきに「民主主義の真髄を取り戻したい」とある。私はここ数年民主主義の危機を感じているが、実は40年も前から民主主義は危機的状況にあったようだ。
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