片想いはいつだって綺麗な記憶。

片想いで終わってしまった恋の記憶って
不思議ととても綺麗なんだけど
それって私だけなのかな？
そして不思議と記憶に刷り込まれてるのも
本当に厄介な話なの。
そんな10年も前の恋のお話。

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私が中学の時に好きになった人は
とっても変わった大人な人だった。

群れを作らず、誰とでも仲良くできて
1人でも全然大丈夫って感じの人。

中学生の頃は、周りを気にして
すごく群れたがる年頃だと思うんだけど
（私の学校では基本そうでした。笑）
移動教室の時も自分のタイミングで行くし
そのタイミングで誰かいれば一緒に行くし
誰かといつも一緒にいるわけではないけれど
みんなから好かれてる、そんな人だった。

私がその人のことを好きになったのは
中学校1年の時。
でも最初は、ただの"相談相手" "いい友達"だった。

でも、そうやって一緒にいる時間が増えていくうちに
だんだんとその人を好きになっていって
最終的にはまともに話すのも
心臓が飛び出そうなくらいドキドキするほど
めちゃくちゃ好きになってた。

なんせ5年以上ずっと片想いだったもんで
もう忘れるなんて、そんなこと出来ないよね。

わたしは昔からガツガツ行くタイプだったから
中学2年で別のクラスになった時には
昼休みに話しかけに行ったり
もちろんバレンタインもあげて、告白もした。

気持ちは嬉しいけど
今はまだ彼女を作るとかは考えられなくて
気持ちに応えられなくて、ごめん。

そんな返事だったのを覚えてる。
普通はここで、落ち込むと思うんだけど
わたしはスーパーポジティブ野郎だったので

「今はまだってことは
　いずれはどうにかなるのでは？！？！？！？！」

っていう感覚だった。笑
だから中学3年で一緒のクラスになった時には
飛び跳ねるほど喜んだし
その人が委員長をすれば
私はすぐさま副委員長で手を挙げた。

「私、本当に好きだからね？！？！」

ってアピールしまくってたし
そのバイタリティーは本当に凄いと思う。
ってか、引くことを知らなかったのよね。
この頃は。

進路を選ぶときも
わたしが希望してた高校よりも
1ランク上の高校を希望してて
最後の最後までそこにするか悩んだけど
最終的には、別々の高校に進学した。

高校に進学してからは
一時期連絡先も交換していたけれど
いつのまにか、私の電話長から消えていた。
（未だになぜないのかわからない）

連絡手段もわからないので
気持ちだけがどんどん募っていった。

高校3年間で1度だけ
同じバスに乗り合わせたことがあったけど
そのときも、怖くて声をかけられなかった。

このとき声をかけなかったことを
わたしは今でも、心底後悔している。

大学進学の時も
「家庭的な女性になりたい」という一心で
わたしは栄養学のある大学に進学した。
理由はとっても不純。

彼が小学生の時に好きだったと噂されていた子が
とっても女の子らしい子だったから

その時もまだ
「私が変われば、いつか会った時に
　振り向いてもらえるかもしれない」
って本気で思ってて。

でも彼は、成人式にも来なかったし
同窓会にも来なかった。
連絡先もわからないし
あれからどうしてるか、本当にわからない。

会いたい気持ちもたくさんあったけど
連絡先を知る手段もなく
途方に暮れたまま大人になった。

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大学生になり、社会人になり
時はどんどん過ぎていくんだけど
月に1度は、当時好きだった彼の夢を見る。

学校での出来事だったり
大人になってからの出来事だったり
付き合ってる出来事だったり
本当にいろんなパターンを見てきた。

忘れた頃に出てきて
私に忘れさせないようにと
彼が仕組んでいるんじゃないかと思うほど。

どの夢もとても綺麗で、儚くて
私の叶わなかった気持ちだけが、心に棲みついてる。

やっぱり叶わなかった恋だからこそ
こんなにも記憶に鮮明に残っているのかな。

ひとつだけ言えるのは、今彼に会った時に
「私を選ばなくて、残念だったね」
と自信を持って言えること。

そんな昔の恋のお話。
いつかこの記事も、彼の目に止まるといいな。