凌霄花

ノウゼンカズラが咲く季節になった。遠方からでも目を引く鮮やかなオレンジのラッパ花。つる性でフェンスや壁を這い上がって咲くため、必然的に少し見上げるような形で目にすることが多い。晴れた日にノウゼンカズラを下から見上げると、青空に金魚が泳いでるみたいだ。
ノウゼンカズラは漢字で凌霄花と書く。由来はわからないけれど、字面を見ると「空を凌ぐような花」という感じでなんだかすごい。読みは「カズラ」なのに「葛」の字を使わないのも。昔の人の圧倒的なセンスに脱帽する。

この季節はそんなノウゼンカズラを見ながら歩くのが一つの楽しみなのだけれど、今日はたまたま鳥が花に頭を突っ込んでるところに遭遇した。ホバリングしているように見えたけど、調べてみたらハチドリではなくヒヨドリらしい。てっきり虫でも啄んでいるのかと思ったら、花の蜜を吸っているのだとか。暑くなっていく気温の中、外で植物の冷たい蜜を吸うのいいなぁ。

16時過ぎ。少しだけ日が傾いてきたけれど、まだまだ暑い。散歩を終えて家に帰るとじわっと汗をかいていた。窓を開けてサーキュレーターをまわして、さっとシャワーを浴びる。さっぱりしたところで冷蔵庫をオープン。ヒヨドリたちが花で喉を潤すならば、俺は酒で潤したい。キンキンに冷えた日本酒を取り出す。今日は山形県の「純米吟醸 あら玉 夏のうすにごり生酒」。夏の酒らしく米の甘味がさわやかで、酸は控えめ。鼻に抜ける香りもフレッシュで爽快だ。うすにごりとあるだけあってどぶろくのような濁りはあるが、旨味はあれどくどさは無い。ラベルも夏の夜の天の川を表しているみたいで美しい。空のミルキーウェイがうすにごりの酒だったらなぁ。

もうじき七夕だ。今年は天の川が見えると良いね。


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