見出し画像

救急救命士になるにはどうすればいい??

前回、救急救命士は何ができるのかを書きましたが、では、救急救命士にはどうしたらなれるのか?


必要な試験は

毎年3月にある、救急救命士国家試験というペーパーテストに合格すれば、厚生労働大臣から救急救命士という国家資格が与えられます。
午前2時間30分、午後2時間30分、丸一日の試験になります。
必修問題という、これは答えられないと非常にまずいですよという問題と、必要な知識を問う通常問題に分かれています。
それぞれ、年によって少々変わりますが、必修問題は8割以上、通常問題は6割以上正解すれば、合格です。
合格率は90-94%程度ですが、どこの機関で勉強したかでまちまちです。

試験内容だけで言えば、簡単な医学の問題なので、合格率自体は高めです。
だからと言って、簡単に取れる資格と言っているわけではありません。
医療系資格全般(医師、看護師、療法士など)に言えることですが、資格試験自体は、あまり難しくありません。
代わりに試験を受けるまでの教育課程が大変なので、そこでセレクションがかかります。
それに耐えられない人たちは資格試験を受ける学年になる前に留年、退学、別の人生を考たりするので、国家試験を受ける時点で概ね大丈夫と思わる人しか受験しないのです。
救急救命士養成課程の学生たちも、日々、実習、勉強、試験を繰り返し、肉体的、精神的ストレス耐えられた人だけが試験を受けます。

国家試験を受けるためにはどうする

救急救命士養成校(専門学校、大学)に入学する

現在、最も主流な方法ではないでしょうか
2,3年生の短期大学、専門学校、ないしは4年生の大学で、一般的な医学、救急医療に特化した医学を学ぶ方法です。
全国で50以上の教育機関があるようです。
昔はこんなになかったのに、いつの間にか増えましたね。
有名どころで言えば、日本初の4年生大学で救急救命士資格が取得できる国士舘大学や、日本初の専門学校として救急救命士教育を始めた北海道ハイテクノロジー専門学校などでしょうか。
入学には高校卒業資格がいるので、早くとも、専門学校なら20歳、大学なら22歳で資格取得ができるということです。

自治体の消防署に就職して、経験を積む

高校を卒業して、自治体に公務員として消防署に就職します。
そこで、別記事にありますが、消防吏員として勤務をしてから、まず救急隊員になります。
救急隊員として、5年または2,000時間以上を救急業務に従事して、6ヶ月の救命士養成課程で学び、国家試験を受けます。
6ヶ月間を政令指定都市や都道府県の消防学校で学ぶことになります。
このコースは国家試験の合格率は高いです。95%以上になります。
理由としては、救急隊員として経験があること、何より、消防署から勤務に穴を空けて、給料をもらいながら勉強をすることになるので、絶対に合格しないといけないプレッシャーがかかっていることです。

自衛隊に入隊して資格を取る

自衛隊内では前線での一次救護をする隊員が必要であるため救急救命士の養成を行っています。
まず、自衛隊に入隊して、自衛官として務める必要があるので、ハードルが高いです。
更に、自衛隊の准看護師学校に2年間通い(ここでも、厳正な選考があり)、更に1年間の救急救命士養成課程に入って、国家試験を受験することになります。

外国の救急救命士に相当する資格を取って日本で働く

救急救命士法第三十四条五
「外国の救急救命処置に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で救急救命士に係る厚生労働大臣の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの」
とあります。

外国で救急救命士に相当する資格を取って、日本でも同じくらいの能力あると認められれば、日本の救急救命士国家試験を受験できるということです。

ただ、あまり、このルートを聞いたことがありません。
きっと、外国、特に欧米諸国まで行って勉強して、そこで資格を取得して働いているのに、日本に帰ってこようとは思わないためでしょう。
日本の救急救命士が、傷病者に投与できる薬はアドレナリンとブドウ糖だけです(傷病者がエピペンを持っていれば、代わりに打ってあげることはできます)。
例えば、アメリカのParamedic(日本で言うところの救急救命士)は、自分の判断で現場で各種の薬剤を傷病者に使うことができたりします。
おおよそ、日本の病院で緊急時に使える薬剤を使えたりします。
このような違いがあるので、そのまま外国で働き続けるのでしょう。

救急救命士になる方法はいろいろありますが、なった後が結構大変なので、資格取って終わりな職業ではないですね。

以上、救急救命士になる方法でした。ではでは~



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?