漫画家のわたしがnoteのメンバーシップをどう運用し、なぜ1年半続けることができたか、まとめました
こんにちは、高知で子育てをしながら漫画を描いているもとこです。
ブログ&インスタで描く家族のコミックエッセイのほか、企業のPR・連載記事・挿絵・イラストなど、漫画にまつわるさまざまな仕事をしています。
子どもは4人いましたが、ひとりは自立、もうひとりは高校の寮生活で、いまは小6息子と小1娘と夫の4人家族です。
タイトルのとおり、noteで有料のメンバーシップというものをやっていて、平日欠かさず日記を更新し、気づけば1年半も続けています(2024年4月現在)。
おそるおそるOPENしたときは、2人入ってくれたら頑張って1年は続けよう思ってました(目標低すぎ)。
けれど予想よりはるかに多くの方が入ってくださり、メンバーの静かな期待とプレッシャーを感じながら、ずっと日記を書き続けることができています。
平日毎日書くのはしんどいし、文章の上達も正直あまり感じない。書くのに時間がかかりすぎて、漫画の仕事を圧迫することすらありました。
それでも、はじめてすごく良かったです。
日記では、日々の悩みや不安を綴ることもあります。
書いたからってそれらが消えるわけではないけれど、毎日のランニングのように規則正しく続けることで、こころの安定と自信に繋がっている気がします。
それに、読んでくれるメンバーがいるかと思うと、できごとや感情をできるだけ正確に、丁寧に伝えたいと思うようになりました。
これは漫画を描くわたしにとって、最高のトレーニングになっています。
メンバーとして支えてくださっている方々は、「しんどいな〜サボっちゃおうかな〜」とゴロゴロしているわたしに「もとこさん!頑張って!」と励ましながら机に向かわせてくれる、最高のサポーターのような存在です。
いつもありがとう・・・!
この記事は、ブログやインスタでわたしの漫画を知り、さらにnoteにまで来てくださった方に、メンバーシップがどんな中身なのかを伝えたくて書きました。
サクッと書くつもりが、なかなか長くなってしまったので目次をつけました。ピンとくるところだけでも読んでもらえたら嬉しいです。
さらに、これからnoteでメンバーシップを立ち上げたいと考えてる人の参考にもなったら幸いです。
■メンバーシップでは日記を書いています
中身はわたしの日記です。
1日活動するなかでとりとめもなく考えたことを書く日もあれば、夫との会話、ちょっとプライバシーも気になってきた子ども達とのやりとりを書くこともあります。
SNSでコミックエッセイを描くなかで、弱音を吐いたり、悩みを整理する場として使ったりもします。
■よく読まれたものはどれ?
▼次男の、いろいろと謎が多いであろう高校について書いた記事。興味を持ってくれる方が多いです。
▼男3人女1人の年の差4兄妹なので、「子ども部屋いくつありますか?」など、前後編に分けて家の使い方について綴ってます。
▼これは、無料部分が長いからページビューが多いのかも?
▼娘がおさがりのランドセルを頂いた漫画を描いたとき、「お礼はどうしましたか?」という質問をいくつか頂いたので書きました。
▼ちょっとモヤッとした質問DMもらった時の心の内。今読み返すと、言葉がとってもキツい・・・。けど書き直すのも何なのでそのままにしておきます。今ならこんな書き方はしない。
■なぜメンバーシップをはじめたのか
直接のきっかけは、noteではおなじみ渋谷のバーのマスター林伸次さんのメンバーシップに入ったことです。
メインの読み物は恋愛系のQ&Aで、後半に林さんの日記が書いてあります。これが淡々としてるんだけど、時々奥さまとの会話が書かれてたり、生活をのぞいているようで、なんだか妙におもしろかったのです(のぞき見、好きなんです)。
その後わりとすぐに渋谷のバーに行き、直接ご本人とおしゃべりする機会がありました。
林さんがとても親しみやすかったせいか(あ、日記なら、自分にもできるかも)と衝動的に思っちゃったんですよねーー。
ふだんのインスタ漫画は沢山の人に見られてしまうけど、拡散しすぎず、ある程度安心感のある閉じた場所でこっそり本音を書くみたいなの、やってみたかったんだと思います。
それから、過去数日分の日記をすごい勢いでnoteに書き、突如メンバーシップを開設したことを覚えています。
■3年前、手帳のやりたいことリストに「日記をつける」と書いてあった
もともと日記を書くタイプかといえば、全然そんなことはなく。手帳に書いてみようとしたり、3年日記を買ったこともあるけど、続いたためしがありませんでした。
最近たまたま昔の手帳を見返していたら、3年前のやりたいことリストが目にとまりました。
「日記をつける」
と書いてありました。
なぜ書いたのか、まったく覚えていません。
しかもその下に、「文章(沢山の人に読まれる文章)が書けるようになる」とも書いてありました。
この少ない願いのなかで、べつに作家になりたい訳でもないのに、「書くこと」が2つも入っているのが興味深い。
この頃のことを、すこし思い出してみます。
当時わたしは41才、4人の子育て中。漫画を始めて3年くらいで、書籍も出し、ゼェゼェと燃え尽き、目の前の仕事にがむしゃらに取り組んでいた頃でした。
収入としては順調だったものの、これからどういう漫画を描いていったらいいのか、どうやって仕事の幅を広げていったらいいのか、
自分のやりたいことが何なのか、いつも同じことをぐるぐると悩んでは、前に進めない感覚にとらわれていた気がします。
そんな混迷状態から抜けだしたくて、てっとり早く達成感を得られる資格の勉強をしていたのもこの時期でした(ちなみに簿記3級とFP3級。確定申告と家計管理に役立ってます)。
◇
一番身近な存在の夫には、いつも弱音を吐いていました。
そのたびに的確なアドバイスをしてくれて、それはもちろん役に立つしありがたいはずなのに、結局またおなじ悩みに戻ってしまう。
そんなことを数年繰りかえし、うすうす気づいてきました。
資格だったり、他人のアドバイスだったり、わたしは自分の外に答えを探そうとしていたけれど、本当はもっと、自分の内面と対話をしないといけないんじゃないか。
こんなにいつも悩んでいるのに、「あなたは何をしたいの?」というシンプルな問いに、うまく答えられないのはどうしてなのか。
このままじゃいけないと思い、自分探しの第一歩として、頭の中を一回ちゃんと整理しよう。そのためには、「書くこと」が一番の近道だとたどり着いたのかもしれません。
◇
noteというサービスはもともと好きで、漫画を描きはじめる前は友だちと共同でマガジンを運営したりもしていました(かなり個人情報を載せていたので、今は非公開です)。
漫画を始めてからもアカウントは持っていましたが、インスタの反応にくらべるとインパクトが少なかったせいもあり、なかなか更新できていませんでした。
けどX(ツイッター)でバズった記事を読んだり、付かず離れず、ずっと身近にあったサービスでした。
■いつ書いているか
これは1年半試行錯誤していました。
ほんとに初期は、朝5時ごろ起きて前日の日記をバーーッと書き、朝食などを終えたあと整えて、8〜9時頃アップ。
けど早々と昼の仕事の時間を圧迫するようになり、今度はその日の夜に書いて寝る前アップ。
けどこれもなかなか終わらなくて、寝る時間が遅くなり寝不足に。
今は、夜20時ごろから1時間くらい書いておき、翌朝に書き足したり整えて9時半予約投稿、が定着しつつあります。
PCで書いていると、つい検索などしてしまい書く手が止まる癖があるので、去年の年末からポメラというちっちゃいワープロみたいな機械で書いています。
書きながらなにか調べたくなってもグッと我慢し、そういう箇所には★マークをつけながら、書き終わったあとまとめて調べるようにしたら、すこしスピードは改善した気がします。
ポメラで書く→PCで仕上げる→noteの下書き画面をスマホで見ながら改行など細かいところを調整→最後にタイトルとヘッダー画像選び。
なんだかんだと工数がかかっています。
■書く時に気をつけていることはあるか
有料部分があるからといって、もちろん仕事の守秘義務は守るし、誰かを名指しで批判したりもしません。
モヤモヤを言語化するときも、人前で言えないような言葉も使わないし、万が一流失してもOKな文章をと心がけています。
一番気をつけているのが、「住んでいるエリア情報はふんわりと」という事でしょうか。
日記なので自然に書くとどうしてもそういう内容になりがちで、だからこそ有料にしたという背景もあります。
学校行事や、細かいところでいうと、インターネットで回収日を調べられるゴミの日なんかも気をつけています。
写真も、家の近所はGoogleストリートビューと一致できるような写真は載せないように・・・とか。特徴的な建物を加工して消したりもします。
有料部分でもふんわりと書くことに変わりはないのですが、多少肩の力を抜くことができます。
■書けない時はあるか
わたしの記憶が正しければ、1年半で1度だけ、風邪で「つぶやき」だけで済ませた日がありました。
それ以外は書けないとき、ほぼありません。そうならない様に「日記」というジャンルを選びました。
書きだしと終わりはしょっちゅう迷うので、「◯時◯分に起きる」で始まり、「おやすみなさい」で締めると型を決めています(もちろん例外もOK)。
なんにもなかった日でも、朝ごはん、仕事、昼ごはん…と書いていくと、どうにか800字くらいはひねり出せるものです。
最近では、手のひらサイズの無印良品のA7リングノートを家の中で持ち歩き、ちょっとしたことをメモしています。
メモする暇もないときは、とりあえず写真をパシャリ。それをもとに一言書けたりもします。
■書いたらどんな気持ちになるか
自分の気持ちをわりとうまく書けたな〜と思う日もあれば、うーん・・・ちょっとこの言葉のチョイス違う気もするけど、もうしょうがないからこれでいこ・・・みたいな日もあります。
その日中に何度か読んで、ちまちま直したりもします。
わりと考えたてホヤホヤのアイディアを書いたりもするので、いったん出すことでスッキリもします。
■書き続けて、生活はどう変わったか
夫には、「日記書きはじめてから落ちついたね」と言われています。
夫はよくわたしの相談に乗ってくれますが、今はわたしが「書く」ことで、相談する前に考えが整理され、以前より建設的に話ができているからかもしれません。
あと、自分の考え方の癖や行動パターンも、ずっと書いていると(見たくないけど)見えてきて、反省しきり。
けど誰かから厳しく指摘されるわけじゃなく自分で気づくので、なんていうか、腹落ち感があります。
知らない誰かがポチポチとスキをくれるのも、漫画が届くのとはまた違った嬉しさがあります。
■知ってもらうためにしていること
はじめた当初は、インスタのストーリーズでタイトルと最初の数行のスクショを毎日シェアしていました。
ストーリーズも見てくださるような方達には、これでけっこう届いていたと思います。
けど1年過ぎたくらいから、有料記事なのに毎日シェアされるの煩わしいかも・・・?と思いはじめ、最近はやめています。
今はブログの末尾にこんな感じで直近のタイトルが見られるスクショを貼っています。
最初に有料と書いてあるし、興味ある人が「自ら」クリックするので、ストーリーズで勝手に流れてくるより抵抗感ないかなーと思っています。
■さいごに
毎日浮かんでは消えるとりとめもないことを、わりとダダ漏れで書いてたりしますが、それを読んでくれてる人がこの世界に数人いる・・・ってあらためて凄いことです。
自分に自信があるんだかないんだかわからないわたしは、この事実にすごく支えられています。
無料で読める最初の数行を読んでくれるだけでも嬉しい。noteのおすすめで現れるのか、note経由で知らない誰かがスキをくれたりするのもほっこりします。
メンバーシップを始めて2ヶ月くらい経ったお正月の挨拶に、「だれかの心に触れること 新年のご挨拶」というタイトルで、こんなことを書いていました。
心の整理のためだけに書いてた気がしてたけど、やっぱり画面の向こうの見えないだれかと、心を通わせたい。
直接のやりとりはなくても、わたしが書いた言葉がトコトコ歩いていって、誰かの心をノックしてるかもしれない。書いたからこそ、そんな楽しい妄想もできます。
おそらく漫画のイメージより、いいかげんだし、衝動的だし、グダグダしてるし、(もとこさん大丈夫か・・・?)と呆れられるわたしが日記の中にいると思います。
そんなわたしでもいいよ〜と思ってくれた方と、メンバーシップを通して心が触れ合えたら、とても嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?