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コインベースのQRコードCM スーパーボウルで一躍話題になった後にプチ炎上

スーパーボウルのTV広告はすごい。各社が話題作を競って投入し、30秒広告1本流すのに、5億円、6億円かかる。という話は、日本に居る時から聞いていた。

実際、米国に住んでみて、その凄さを体感。2週間前くらいから、各社ティザー広告をバンバン投入。本番に向けて、様々なニュースが飛び交い盛り上がる。

コメディー、エモーショナルに訴える作品、アニメ、セレブリティてんこ盛り等、気合の入った作品がずらりと並んだ。

昨年のスーパーボウルは、これまでで最低の視聴率だったそうですが、今年は一転、高視聴率。1.1億人が視聴し、昨年より16%増えた模様。

放映の翌日には、早速、各広告を論評する記事が掲載され、お祭り騒ぎ。

今回、注目を浴びた広告の1つが、コインベースというビットコインを扱う会社のCM。1分間、ひたすらQRコードが浮遊するという斬新な広告。

これをスマホでスキャンし、サイトに誘導する。CTAと呼ばれる行動を促すことだけを目的とした広告。放映中から直後にかけ20百万のアクセスがあり、一時、サイトにアクセスできない事態となった模様。

仮にCPC(クリック単価)を$3で計算すると、$60百万(69億円)の価値になるので、放映料で6億円払っても、充分ペイします。

これに味を占め、来年はQRコードCMだらけになったりして、という話をしていた矢先、コインベースの社長から、下記のツイートが投稿された。

no ad agency would have done this ad.

「この広告は、広告会社ではできなかった」

これに対し、過去、同社に企画提案を行い、不採用となった広告会社が、「その企画を提案した広告代理店を除いては」と反論。具体的な提案日と、企画が掲載されているページ番号も添えて。

この反論に対し、広告代理店から賛同するツイートが多数、発信された。提案は採用されなかったが、アイデアだけが盗用される、ということは、この事例だけではない模様。「広告主は、そもそも代理店に対するリスペクトに欠ける」という一部の代理店が抱えていた不満が一挙に噴出した。

好事魔多し。自分の手柄を、つい自慢してしまったところ、プチ炎上という高い代償を払うことになってしまった。

私も職場で「これ、オレ詐欺」というのを聞いたことがあります。成功したプロジェクトや商品は、なぜか大勢の生みの親が存在。

プロジェクトにしろ、新商品にしろ、広告にしろ、たくさんの人の協力があって初めて成功する。感謝の心を忘れてはいけないという教訓ですね。

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唯一のクリプト系広告は、Limit Break2社のNFT広告でした。




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