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【書籍紹介】ファンベース 佐藤尚之箸

ここ数日、集中してコミュニティマーケティング、ファンマーケティングの研究をしていたことから、本書も再読しました。

佐藤尚之さん(通称さとなおさん)は、元電通のトップクリエイター。

「明日の広告」という広告業界人のバイブル的書籍の著者でもあります。

「明日の広告」では、「広告は消費者へのラブレター」であり、自分がモテていた時代は、いけてる口説き文句だけ考えればよかった。

ところが現在は、どう渡すか?どう読んでもらうか?読んでもらった後どうフォローするか?という様なことを相手の立場にたって考えないと、ラブレターは効果がない。

自分(広告)は、まず、自分がモテなくなったということをきちんと認識し、相手のことに興味を持ち、徹底的に調べ、考えることから始める必要があると警鐘を鳴らしました。

今、読むと「え?当たり前じゃん」という感覚ですが、当時(2008年)は、こう言われてもピンと来ない人の方が多かったと記憶しています。

今回のファンベースでは、人口減、超成熟化社会、情報爆発等の社会環境変化により、従来の新規獲得中心から、既存顧客重視へとマーケティング活動の舵を切る必要がある。

そこで、最も重要なのは「ファンベース」。ファンをベース(土台)に共感、愛着、信頼を資産化して積み上げていく。単発のバズ施策で一発当てるのではなく、ファンベースへの蓄積を意識した連続的な施策を中長期視点で設計する。

同書におけるファンの定義は、

企業やブランド、商品が大切にしている「価値」を支持している人

ブランドや商品そのものではなく、そこから発信、蓄積された「価値」に共感、支持する人々。

現在の価値のみならず、その価値の延長線上にある、もっといい「未来の価値」にも強く期待しているし、それを企業と一緒に夢見たいと思っている。

これは、先日公開したBTSを支えるファンダムであるARMYのストーリーにも通じる話です。

ファンベースマーケティングのファーストステップは、共感、愛着、信頼を高め、蓄積すること。更にセカンドステップとしては、それを、熱狂、無二、応援にステップアップしていくこと。

出典:fanbase company website

本書では、理解が深まるようにと、ソニー、カゴメ、ネスレ、スノーピーク、よなよなビール、マツダ、スズキ等の具体的な事例が紹介されています。

本書は、コミュニティマーケティングを研究するに際し、そもそもファンとは?なぜ、ファンに着目したマーケティングに舵を切る必要があるのか?といった基礎を理解するのに最適と思います。

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