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【勝手にコンサル⑥】新時代のSNSコミュニティの教科書 こうすれば良かったのに

勝手にコンサルシリーズ、第6弾は書籍「もうバズらなくてもいい 新時代SNSコミュニティの教科書」大社武、岡崎智樹著は、こうすれば良かったのにという話をします。

こちらの書籍、個人的に興味がある分野であり、かつ、コミュニティビジネスで頭角を現しつつある新世界テクノロジー社の幹部が書いた本ということで、期待して読みました。

当初は、<書籍紹介>枠で紹介する予定でしたが、残念なことにその基準を満たしていない為、<勝手にコンサル枠>に変更しました。

一言で言うと、「Chat GPTが書いたのではないか?」という薄っぺらい内容。概念的な整理と心得に終始し、「コミュニティの熱量やわくわく感」が一切伝わって来ません。

共著者の岡崎智樹(Tomo)さんは、NFTコミュニティ初期の頃から運営に携わって来た方なので、活動を通じて直面した課題、葛藤、そして解決した先のドラマ等、リアリティを持って書ける知見をお持ちのはず。それなのに、そういった内容は一切なく、指先だけ関わったコンサルが書いた様な内容になってしまっているのが残念でなりません。

今更、AIDMAやAISASの解説をしているのもセンスがないし、コミュニティを無理やりマネタイズ視点で語ろうとしているアプローチにも無理がある。

ということで、せっかく書くなら、こういう内容にすれば良かったのにという点を以下に列挙します。

  • 著者とコミュニティとの出会い。どの様にわくわくしたか。実際、どの様なコミュニティに関わり、どの様な活動を行ったのか?

  • コミュニティ活動を通じて、どの様な出会いがあり、出会った人々との化学反応を通じて、どの様なことが成し遂げられたのか?

  • 実際に直面した課題や葛藤をリアリティをもって描く。実際に経験した失敗を赤裸々に語ることで学びを与える。失敗にこそ再現性がある。

  • 新世界テクノロジー社がどれだけコミュニティの可能性を信じているのか?複数の社員を登場させ、具体的にどういう仕事をやっていて、どこに可能性を感じているのかを社員の言葉で伝える。

  • 掲載されている企業事例も薄っぺらなサマリーではなく、実際の企業の担当者との対談形式で、どんな思いでコミュニティーを立ち上げ、どんな課題に直面し、どの様な成果に期待しているかをリアリティを持って伝える。

  • コミュニティデザイナー、コミュニティマネジャー、モデレーター等も、単に定義や求められる資質を書くのではなく、実際の経験者を例に出し、どのように活躍し、どこにやりがいを感じたかを描く。

  • 同社期待のプロダクト「Mura(ムーラ)」に関しても、検証中のプロダクトですとさらっと書くのではなく、もっと堂々と、いかに可能性に満ちた、自信満々のプロダクトであるかをアピールする。

これらをすべて書くことができるケーパビリティを持ち合わせた会社であり、著者であるのに、全くそうなっていないことが、あまりに残念で、この辛口記事を書かせて頂きました。

今回は、ネガティブな記事なので短めで終わりにします。

<追記>

日本におけるコミュニティマーケティングの第一人者、小島英揮さんの様に、「リアルが加熱であればデジタルは「保温」の役割をもつ」「効果的なコミュニティを作るにはファーストピンを探せ」「最終的に巻き込みたい人たちを想像して、その人達が影響を受けているのは誰なのかを見つけるのが良い」等のパワーフレーズが加わると、がぜん、説得力が増します。

小島さんが書かれた「コミュニティマーケティング」は、5年前に発売の本ですが、今でも通用する内容満載の必読書です。


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