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仕事を辞めることにまつわるエトセトラ

私は転職を経験している。

今は同じ場所で数年働けているけれど、昔立て続けに数社渡り歩いたときにはもう同じところに居着くことなんて自分には出来ないんじゃないかと思ったこともあった。魑魅魍魎が巣くう社会で自分みたいな奴は太刀打ち出来ないと思った。いや、会社からしたら退職する私の方が魑魅魍魎かもしれないけれど。

その後今の会社に居着いて数年経ち、これについては安心材料でもある一方、逆に不安になることもある。

転々としているとキャリアを積めないことと同じくらい、同じ場所にいることもリスクに思えてならない。何度も辞めてやると思うような出来事があったにも関わらず、なんとか我慢してここまで来た。でも一番取り戻せないのは時間だと思うので、私に勇気があればあのとき辞められたし、辞めた方がよかったんじゃないかと思ったりする時もある。まあ、そんなに世の中甘くないから、結果として多分辞めなくてよかったんだけど。

無条件に辞めてはいけない、継続は力なりという考えは個人的には好きじゃない。仕事を辞めない方がいいと言っている人のほとんどは実際に仕事を辞めたことがない人ばかりだ。私は一番最初の会社を辞めたお陰で今の場所にいられると思うし、あのまま辞めていなかったら病気になっていたと思うから全く後悔していない。

私が思う会社を簡単に辞めない方がいい理由としては、経験が積めない点と信用がなくなる点、会社に迷惑をかけてしまう点だ。

経験が積めない点については、初めの職場を辞めた後正社員になるのが怖くてしばらくフリーターをしていた時があって、そのときにやはりアルバイトだと任せてもらえる仕事は補助的なものばかりで、正社員にならないと浅い経験しか積めないなと危機感を感じた。会社を辞めた時は仕事のハードさに耐えかねて辞めたにもかかわらず、逆に楽すぎる仕事をしたことで仕事を任せてもらえるありがたみみたいなことが分かったのだ。このときの実感は、今しんどいときに踏ん張るエネルギーになっているのでよかったと思う。

信用がなくなる点については、一般的に履歴書上で転職歴が多いとすぐ辞めると思われて次の会社に入りにくくなるのでやっぱり避けた方がいい。

そして会社に迷惑をかけるからという点については、やっぱり会社で育ててもらったスキルはその会社に還元されるべきだと思う。手塩にかけて何にも出来なかった頃からようやく役立つ人材に育ったところで辞められたら、会社からしたらたまったもんじゃない。辞めたことある奴が言うなという話だが、この会社への恩という前提ありきでそれでも辞めたくなるくらい追い詰められてるなら辞めたらいいと思う。辞めたくても辞められない気遣いに溢れた方については会社に迷惑とか考えなくていいからすぐ辞めてくださいって声かけたい。メンタルと迷惑のリスクを天秤にかけて、メンタル崩壊しそうならなりふり構わず逃げ出す勇気を推奨する。優しくて周りのことを考える人ほど、出口がなくなってしまうから。

辞めても辞めなくても人生は続くし、なんとかなる。なんとかならなくても、人生は続くし、続いてる限りなんとかなる可能性が続いてる。



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