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【書評】何が「正しい」か知らない。何が「楽しい」か知ってる。

赤ちゃん①

時は昭和

中絶手術後に産声を上げてしまった赤ん坊に手をかける産婦人科医。 

望まれなかった子供を、他の夫婦に実子として渡す産婦人科医。 

どちらも違法行為となる。

宮城県石巻市。

菊池昇という医師が、この矛盾を解消するため「特別養子縁組」の法緩和を

訴えた。 

実親に育ててもらえない子供を別の夫婦が引き取り、法的に実子として育て

られるようにする為に。 

多くの赤ん坊や女性を救いたい一心だった。 

赤ちゃん③

菊池昇の生き方を描く

遊郭を経営する母親の下で育ち、医師となった昇の「恥じぬ生き方」が描か

れている。 

様々な遊女を見た昇。 

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親に売られた女

本当は働きたくない女

子供を孕み闇医者の中絶手術を受け死んだ女

遊郭で性病をもらいスラム街でひっそりと暮らす女・・・

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遊女にも様々な背景がある。 

女たちの姿を目の当たりにし、産婦人科医になる決意をする。

赤ちゃん④

誰にも「正義」とか「正しい」なんて分からない。

遊郭で働く女、遊郭に金を落とす男。

病院に行けば助かったのに、金がなく闇医者やスラム街で命を落とす女。

中絶手術を受けたい女性と、不妊で子供を授からない女性。

こっそり赤ん坊に手をかける医者。

法を侵してでも赤ん坊を救う医者。

中絶手術を受けたい女性たち

それに群がる暴力と金。

それぞれの立場の、それぞれの「正義」が衝突・交錯する。

数多の悩みや葛藤。

綺麗な言葉では語れない社会の現実がある。 

昇は自分の「正義」を行動で貫く。

結局、誰にも他人の「正義」を侵害する権利などありはしない。

ただ「自分」があるだけなのだ。

「特別養子縁組制度」を確立させた男の人生。

実話・ノンフィクションの大作。

赤ちゃん①

【今日の格言とツッコミ】
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◇格言
・人生について書きたいなら、まず生きなくてはならない。

◆ツッコミ

・書く時、死んどるがな。


 

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