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デザイナー歴3ヶ月の僕が、ロゴ社内コンペで選ばれるまでにやった事。

2020年9月、社内であるクライアント案件の一環でロゴ作成がありました。このロゴ作成は、社内のデザイナー数名全員が作成し、その中からクライアント様に選んで頂く、いわゆる社内コンペで決めることになります。

その結果、正デザイナー歴3ヶ月である、私が作成したロゴが選ばれました。

今回は、デザイナー歴3ヶ月の僕のロゴが、クライアント様に選ばれるために行った事をすべて、自分の大きな経験の一つとして記録したいと思います!

最後に、なぜ経験の浅い僕が、誰に教わるでもなくそれをできたか、という点も少し書き留めたいと思います。

この記事の目標

・デザイナー歴が浅い自分の、デザイン戦略を記録する。
・良いものを作るのに、デザイン歴など、関係ない!ということを発信したい。

行った事 その①

「ロゴ」の目的を考える

正社員デザイナーのキャリアで、初めてのコーポレートロゴ作成ということもあり、私は今一度、「ロゴ」とは何か、を徹底的に考えてみました。

自分の中に出た結論を一言で言うのであれば、
「ブランドの道標」
今回のクライアント様が起業したてであったこともありますが、この企業がこれからアスファルトジャングルを旅する上で、どんな旅にするか、どんなことを成し遂げるかを決定づけるための、とても重要な道しるべになる物、それがロゴであると考えました。
それはつまり、例えばロゴ作成の際に、フリー素材をただ綺麗に並べたりすることは、もう絶対にしない、ということです。(当たり前ですが、、)
このように、ロゴを作成するための目的からしっかりと意識することをスタートとしました。

行った事 その②

徹底的な企業調査と情報収集

今回のロゴ作成にかけた工数を10とすると、
7 : 2 : 1の割合で、[情報収集] : [ロゴ作成] : [資料作成]です。
(これが、ロゴ作成の正しい工数かどうかは分かりませんが。。)

どのような事業をやっているのか、クライアントの社員様くらい理解する意気込みで、どのようなサービスでどのようなお金、ヒトの動きをしているのか、徹底的に理解する努力をします。今回は、「農業」×「IT」という分野で新しい挑戦をする企業様だったので、特に事業理解には時間をかけました。

そして、事業理解だけでなく「思い」「文化」といった、目に見えない扱いにくいテーマについても、自分にできる最大限の努力をし、理解、共感しました。

またそれだけでなく、ロゴ依頼を受けた時のヒアリング内容や、ご要望をしっかりと時間をかけて自分の中で咀嚼し、どんなテイスト、趣向があるかもしっかりと察知するように意識しました。どれだけロゴに思いや事業内容を体現できたとしても、テイストが全然クライアント様の好きな感じでなければ全く意味がなくなってしまいます。

こうして、自分がこれから作成するロゴの企業様について、ご本人くらい(第3者による理解、共感のレベルには限度があるが..)理解、共感して、ロゴ作成に挑みます。

行った事 その③

企業アイデンティティの抽象化

事業理解、思想理解ができたら、次はそれらから、どんなことをロゴに反映していくかを決めました。
そのために、企業のアイデンティティを抽象化し、抽出する必要がありました。
例えば今回の僕の場合は、

・サステイナブル
・和
・次世代
・日本の食文化
・美意識

このように、単語ベースで企業様の事業や思想を抽象化していきました。
この企業様のアイデンティティ抽象化をする作業は、しっかりと事業や思想を理解していないと絶対にできませんでした。なので、もしここで企業のアイデンティティがなかなか定まらない場合は、再度事業理解のフェーズに一度戻るのが良いかもしれないです。
ここはまだまだ、イラレを開くフェーズではありません。笑

行った事 その④

全身全霊で、デザインする!

①~③のフェーズが終わったら、もうあとはデザインするだけです!
デザインの細かなテクニッックとか、色使いとかは、まだまだ勉強中ですが、とにかく良い物をたくさん見て、たくさん表現して、肥やしにしていきたいです。
ただ、そんな僕でもやっぱり意識したことは、

・めちゃくちゃ細かい所まで、1pxまでこだわる
・自分のエゴではなく、クライアント様のエゴを。

の2点だけかなと思います。

行った事 その⑤

心に届ける

このフェーズは、このロゴの仕事を始める段階から、「絶対にやらなければいけない」と強く思っていたフェーズです。

ロゴを作成して、それをただペライチのデータで、「どうぞ」と渡された時、それを見た方はどう思うでしょうか。せっかく最高のロゴを作成しても、最後の最後にこの送り物をしっかりとラッピングして送らなければ全く意味がありません。自分は、これが本当の「デザインの力」だと思っています。

案の定、社内コンペで皆が1~2枚の資料で複数のロゴを羅列している資料に対し、自分はたった1つのロゴで約10ページの資料でした。(本当はもっと必要だとも思ったくらい。)
どんな過程でそんなロゴになったのか、このロゴが名刺で使用されたとしたらどんな馴染み方をするのか、そんな資料を作成しました。これが「デザイン」だと僕は確信していますし、これが、自分のロゴが選ばれた理由の大きな一つだと強く実感しています。


やっぱり思う事。

これを書いていて本当に「ああ、やっぱり」と切実に思ったこと、それは、「デザイン」ってやっぱりどこか「表層の装飾」ってまだまだみんな思っているし、逆に「デザイン」ってもっともっと可能性があるということです。

今回の自分のロゴ作成でなぜこのプロセスを、誰に教わるでもなくできたか、それは、

「デザイン」とはただの表層、見た目だけを処理することではい

とずっと強く意識しているからだと思います。まさにこれです↓

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やっぱり、ロゴであろうと、webサイトであろうと、管理画面であろうと、パッケージであろうと、すべてに通ずるデザインがこのUXデザインであり、この不確実性の時代、ひたすら見た目を整えるだけではなく、しっかりと「体験」までデザインできることに価値が生まれると強く思います。

また、そういった意味での「デザイン」に、もっともっと投資される社会になるように、まだまだひよっこですが、やりたいことがいっぱいだな、と思えた経験でした。

これからも、もっともっとヒトの「心」にタッチするデザインを。

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