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あなたも子どもも晴れやかに保育園生活を始めるために ― 入園前にしておくといい5つのこと ―

保育園は、入園が決定したらそれでおしまい、ではありません。必要な物の準備はもちろんのこと、健康診断や書類などの準備ももりだくさん。
でもその前に、親と子どもの心と体の準備もおわすれなく。
今回は、保育園生活をスムーズにスタートするための準備についてのお話です。


入園前に取り組んでおいてほしい5つのこと

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春からの保育園入園が決定してひと安心している方も多いであろうこの時期。保育園の入園ご決定、おめでとうございます。
大変な保活、お疲れさまでした。

一次選考にもれてしまった方は、きっと今は二次選考の結果まちですね。
希望が叶うようにお祈りしています。

さて、保育園への入園は、入園の決定通知が来てそれでおしまいではありません。入園の際に必要な書類の受け取りやその記入、健康診断の受診や園の入園説明会等への参加ともりだくさんです。

そんな忙しさのなかでついつい置き去りにされがちなのは、親と子ども自身の心と体の準備。確かに書類や物をそろえないと入園はできませんが、実はここって本当は一番大切なところなのではないでしょうか。

保育園生活が始まると、親も子も、それまでの生活リズムとはまったくちがったリズムで生活することになります。
これまでの経験をふりかえってみてください。
新しく学校生活が始まったとき、もしくは社会人生活が始まったときや新しく仕事を始めたとき。
知らない人に囲まれて、慣れない環境のなかで、右も左もわからない。
次はどうしたらいいかな?
こんなことが起きたらどうしよう。
新しい世界への期待はあれど、不安や心配も多いと思かったと思います。

その結果、いつもよりずっと疲れませんでしたか?

これから起こることにある程度の見通しがもてる年齢の人間ですら疲れるのですから、1日の生活の見通しもおぼつかない段階の小さな子どもたちにとっては、この環境の変化は大変なストレスです。情緒不安定になったり、体調を崩したりで、最初に設定していた慣らし保育の期間をオーバーしてしまい、せっかくの保育園生活のスタートでつまづいてしまうことも少なくありません。

保育園生活を始めるにあたって、親子ともにできるかぎりスムーズに、そして気持ちよくスタートをきるために、次の5つのことに取り組んでもらえたらと思います。
( 入園の際の年齢は人それぞれなので、すべてが参考になるわけではないかもしれません )


生活リズムを整えておく


まず手をつけたいのがここ、生活リズムです。

育休中やお仕事を始める前などは、それぞれのご家庭ごとのすごし方で生活されていると思います。子どもが自然に起きてくるに任せ、おなかが減ってきたなと思う頃にご飯にして、夜は寝ついた時間が寝る時間。
そういうお家も多いでしょう。

保育園生活では、だいたいのところで日課というものが決まっており、何時になにをするかということが定められています。これは自分で見通しを持つことがまだできない子どもたちが、毎日同じリズムですごすことで見通しを持てるようになり、情緒が安定しやすくなるためです。
また、規則正しくメリハリがある生活を送ることによって、心身の状態も整っていくためです。

お家のリズムで好きな時間に寝て、好きな時間に起き、好きな時間に食べていると、園での活動時間にシャキッと動けなかったり、ご飯が食べられなかったり、眠れなかったりしてくるのです。

とくに朝は、家事に出勤の準備とただでさえ忙しいなかに、さらに子どもの登園の準備が加わってきます。寝起きでグズグズしがちな子どもの準備に手がかかり、イライラして怒ってしまい、そのことに落ち込む。
保育園でよく聞く話です。

また、ぎりぎりまで寝ていたり睡眠不足だったりすると、登園してからも子どもの体と頭が覚醒してくるのに時間がかかり、1日ボーっとすごしてご飯もお昼寝もタイミングがあわずにスッキリ過ごせないなんてことも…。

子どものすることにはなんでも時間がかかります。
そのことを考慮したうえで、仕事を始めたときの自分のタイムスケジュールをシュミレートしておいてください。
イライラしなくてすむように、それを怒ってしまうことでさらに落ち込まなくてもいいように、そして子どもたちが思いきり保育園での生活を楽しめるように。
余裕をもったスケジュールで動けるように、少しずつ生活リズムをシュミレートしたスケジュールにシフトしていってくださいね。


哺乳瓶の練習をしておく( まだミルクが必要な方 )

哺乳瓶


すでに母乳からミルクに切り替えておられる人もいるかもしれませんが、
SIDS( 乳幼児突然死症候群 )予防の観点やお家の方針からずっと母乳で育てられているところもあると思います。

まだミルクが必要な段階での入園の場合、慣らし保育がスムーズに終わるかどうかは保育園でミルクが飲めるかにかかってきます。

オムツや抱っこは代わりに行えても、残念ながらおっぱいはお母さんに代わることができません。保育園では哺乳瓶をつかってミルクを飲むことになります。
赤ちゃんは環境の変化にとても敏感なうえ、授乳は生命の維持に直結する大きな問題。赤ちゃんのこだわりもとても強く、それぞれです。( 命にかかわることなので当然と言えば当然なんですよね… )
まったく問題なくすぐに哺乳瓶で飲める子もいれば、哺乳瓶や乳首の種類にこだわりがある子、なんとしてでもおっぱいがいい子とほんとうにさまざまです。

この死活問題であるチャレンジを、まったく初めての環境でまだよく知らぬ人によってされるというのは、赤ちゃんの立場に立つといくらんなでもチャレンジがすぎるというもの。

わたしたちが言葉の通じない未知の土地で、見たこともないおっさんおばさん( 失礼! )に妙な容器に入った謎の飲みものをむりやり飲まされそうになるのと同じです。

待って?!ってなりませんか。
だれなの、絶対いや!!ってなりますよね。

まだミルクが必要な段階での入園の場合、哺乳瓶の練習はできるかぎりお家でしてみてくださいね。

ずっとおっぱいだった場合、いきなりずべて哺乳瓶というのは難しいもの。( これあくまでも、子どもによります )
毎日少しずつチャレンジして、量を増やしてみてください。必ずしも粉ミルクを使う必要はなく、母乳を入れても、お水やお茶でも大丈夫です。
ミルクの温度や乳首の好みもあるので、なにが我が子のお気に入りかを見つけておいてもらえると、保育園での授乳がとてもスムーズです。

1回試してなんの問題もなく飲んでくれたとしても、継続していないといざ入園前に試してみたら飲まなくなっていた!なんてこともあります。入園まで継続して練習してくださいね!

ちなみに離乳食が始まっている場合は、お家で食べたことのある食材を用いてスタートします。保育園が始まるまでに、少しずつでかまいませんので、できるだけいろんな食材を口にしてみてください。


お昼寝の仕方を見直しておく


ミルクやごはんの次の関門となってくるのが、お昼寝です。
保育園では、子どもたちの体力回復やリフレッシュのためお昼ごはんのあとにお昼寝の時間があります。
( 3歳以降のクラスではなくなる園もあります )

このお昼寝も、言わずもがななのですが、不安だったり怖かったりするといくら疲れていても眠れません。大人だって、なにか心配ごとがあるときはなかなか寝つけなかったりしますよね。それぞれのお家でも、子どもの心を落ち着けて寝かしつけていく方法があると思います。

このときに、添い乳やあまりにも特殊な方法で寝かしつけているお家はちょっとご注意。保育園でのお昼寝の成功に時間がかかってしまうかもしれません。

添い乳などを眠るときの安心できる状態として子ども自身が習慣づけていると、保育園でのお昼寝のときとの環境の変化についていけずに泣いて泣いて眠れないということが起こります。
添い寝やトントンであれば、保育者が代わりにしてあげられるのですが、おっぱいと同様、添い乳も残念ながら保育者では代わりができません。
泣き疲れて眠ってしまう子もなかにはいるのですが、やはり子どもの負担の大きさを考えると、できるだけスムーズに眠らせてあげたいものです。

寝かしつけのスタイルには各お家のこだわりもあると思いますので、添い乳などでの寝かしつけは夜だけにして、あとは添い寝で眠れるように少しずつチャレンジしてみてください。
くれぐれも、子どもにも親にも無理なく、すこしずつ。

寝かしつけのスタイルにかぎらず、睡眠は子どものこだわりも出やすいところです。絶対このブランケットでないと寝ないなどその子なりのこだわりがある場合は、入園の面談時などに保育園に相談してみてくださいね。
その子のために一番良い方法を、一緒に考えてくれると思います。


持ちものの準備を一緒にしながら、入園への心の準備をする

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入園が決定すると、その保育園の入園の際に準備しておく持ちものリストが園から渡されると思います。
入園までのひと月あまり、書かないといけない書類やなんやらで、親は大忙し。ついつい持ちものをそろえたり、名前を書いたりという準備も親だけでパパっと済ませてしまいがちだと思うのです。
子どもがまだ言葉で会話もできない赤ちゃんならなおのこと…。

ですが、この持ちものの準備、一緒にすることで両者の入園への心の準備にもなるのです。

準備したものを一つひとつ一緒に確認しながら、「 これはお着がえだよ 」「 これはごはんのときのエプロンだね 」と保育園での生活が浮かぶように伝えてあげてください。

ある程度ものが理解できるようになっている子であれば、そうしてもらうことで保育園での生活に見通しをもつ助けになります。
赤ちゃんであれば内容はうまく伝わっているかわからないかもしれませんが、自分のためを思ってしてくれているという親の心は伝わります。
そして親の方も、子どもの保育園での生活を想像し、その生活が楽しいものになるよう前向きに気持ちをもっていく機会になるのです。

保育園は親と離れてしまう時間ではありますが、「 でも親はちゃんと自分のことを大切に思ってくれている。」
準備を一緒にすることで、子どもも親もその安心感を共有できる時間をつくっていただきたいと思います。

ちなみに保育園で着る服を準備するときに、くれぐれも汚れてもいいもの、
もっと言うと汚れたら捨てたらいいやと思えるくらいのものをご用意ください。次回以降でまたとりあげたいと思いますが、保育園では泥や絵の具、いろんなもので服は汚れます。泥はけっこうしぶといです。

おしゃれでちょっと高価なかわいい服はお家やお出かけの際に。
保育園ではくれぐれも汚れていい服でお願いします。
大切なことなので二度言いました。


親が保育園を前向きにとらえて楽しみにしておく


持ちものの準備のところでもすこし触れていますが、親が保育園をどうとらえているか。これは、子どもたちの心にびっくりするくらい影響を与えるものです。

親が保育園生活を不安に思って心配していると、言葉にしなくてもしっかりと子どもに伝染するのです。

これまでたくさんの苦労をしながらも、ずっと一緒にすごしてきたかわいいわが子との、数時間とはいえ別離の時間。心が引き裂かれんばかりに寂しい気持ちもよくわかります。
ですが親が後ろ髪を引かれる思いでいると、子どもの心もそちらに引きずられ、安心して保育園を楽しむことができなくなってしまうのです。

子どもに少しでもはやく保育園になじんでほしい、思いっきり保育園生活を楽しんでほしい。そう願うのであれば、まずは親が心から保育園を楽しみにしてください。

そのためにも、不安なこと、わからないことは遠慮なく質問して、保育園への信頼感を高めてくださいね。

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