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理念は保育の羅針盤。自分をしあわせにできる力を育む保育

園の保育理念や目指すこども像は、日々の保育の羅針盤。
これからの不確実な世の中を、たくましく、そしてしあわせに生きていくために、ConoCoが目指す子どもに育みたい力を例として紹介します。

この時代を生きていく子どもたちに必要な力とは

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どんな保育園もそれぞれ、子どもたちにこんな人間に育ってほしい、こんな力を育んであげたいという目標をもっています。
そしてその目標を達成するために、そこにむけた保育の実践を行います。
ですから園ごとに定められる目標のみたてというものは、けっこう重要になってきます。

たとえばこの一年だけでも、世界は想像もできなかった変化にみまわれています。
生活の仕方であったり、学びのあり方や仕事のあり方、今まで常識だったことが通用しなくなっていくこともこれからたくさん出てくるのでしょう。

子どもたちがそんな不確実な世界を生きていく上で、必要な力とはどんなものでしょう。

わたしたちの園では、その力を
「 自分で自分の人生の舵取りをできる力 」
「 自分で自分のことをしあわせにできる力 」
と定義づけています。

わたしたちは自分で自分の人生を生きているのか


すこし思い返してみてください。
わたしたちは自分の人生にいったいどれほど主導権を持ててきたでしょうか。
指示待ちの若者が多くて…という嘆きの声は、毎年のように新入社員の入社時期や大学生の一年生入学時期に聞かれますが、そもそもわたしたちは自分で課題を見つけ、したいことを選択し、それに取り組めるような生き方をゆるされてきたでしょうか。

小さい頃から園や小学校ではすることを先生に決められ、中学高校ともなると進学を見据えた勉学などに一様に励む人も多かったのではないでしょうか。

これでは突然だれかの指示なしに自分ひとりで動けと言われても、できるはずがありません。意欲があるのかわからず指示待ちの人間が多くなってしまうというのも、うなずける話だと思います。

しかしこのように、誰かの敷いたレールの上を歩き、指示を待っているようでは、真の意味で自分の人生を生きていると言えるでしょうか。

自分で自分の人生の舵取りをする

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他人はあれこれ好きに意見やアドバイスを言います。しかし、それでなにが起ころうと責任をとってくれるわけではありません。
結局は自分の人生の責任をとるのは、自分なのです。

自己決定していないことに責任をとることは、とてつもない苦痛です。
自分で悩み、自分で選び、自分で決定したからこそ、納得感をもって責任を負いながら生きていけるのです。

他人の評価に自分の人生の主導権を渡しているようでは、いつもどこかで不安定で、揺るがないしあわせな人生にはほど遠いと思います。

だからこそ、必要になってくるのが「自分で自分の人生の舵取りをできる力」なのです。

「しあわせ」とはいったい何なのか

また、さきほど「揺るがないしあわせな人生」と書きましたが、わが子にしあわせになってほしいと願わない親はいないでしょう。
でもそう考えるときの「しあわせ」とは、具体的にいったいどんな状態なのでしょうか。

テストで良い点をとり、だれもが知っているような偏差値の高い大学に行き、だれもがしっているような有名な企業に入ってお給料をたくさんかせぐことでしょうか。

漠然と「 しあわせ 」という単語を使うとき、わたしたちは誰かのつくった安易なイメージに引きずられすぎているのかもしれません。

「しあわせ」のかたちは人それぞれ

「 しあわせ 」とは、本来は人それぞれなはずです。
10人いれば10通りのしあわせがある。

会社でバリバリ働くことがしあわせな人もいれば、なにかの研究に没頭することがしあわせな人もいる。
料理をすることや、なにかをつくることがしあわせな人もいる。
家庭を持つことがしあわせな人もいれば、ひとりで気ままに生きることがしあわせな人だっているでしょう。
都会の暮らしがしあわせな人もいれば、田舎暮らしがしあわせな人もいます。

どんなときも、自分で自分のことをしあわせにする

しあわせの形はほんとうにさまざまです。

自分がいったいどんなとき、どんなことをしあわせに感じるのか、だれかの価値観に流されることなく、ほかならぬ自分のものさしで選択できたとき、
人はほんとうの意味でしあわせであれるのです。

そして、人生にはかならず良いときと悪いとき、波があります。山があれば、谷だってある。

どんな状況にあっても、自分でそこに自分なりのしあわせを見いだせることが、つまり「 自分で自分のことをしあわせにできる 」ことが、たくましく有意義に生きていくために必要な力ではないでしょうか。

不確実な世の中を、自分のしあわせの価値基準を持って自己決定しながら生きていく。そんな大人に成長し、世に羽ばたいていけるように。

わたしたちは、そこを目指して日々の保育をかさねています。

最後に…

秋の子どもたち後ろ姿

成長は、一足飛びにはいきません。
毎日毎日の小さなつみかさねが、やがてその人をかたちづくる力や個性となっていくのです。

今までやってこなかったことを、ある日突然、「 じゃあここからはあなたが考えて、あなたが選んで決めて 」と言われても、できるはずがありません。
学習指導要領の改訂でどんどんと「主体的な学び」の必要性が低学年化していくように、大学生ができなかったことを社会人になって急にできるわけではないのです。
中学生ができなかったことを高校生になったからといって急にできるわけでもありません。

うまれた時からすこしずつ、自分で考え自分で選んで自分で決める経験をつみかさねて、そういう力や姿勢を身につけていくのです。
だからこそ、保育園での日々の暮らしのなかでそれらが身につくように、毎日のかかわりや経験を工夫していくのが保育園の大きな使命だと考えています。


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