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ミステリー小説ロンドの旅Chap4.ユールマラの事件18.快活

2人はヘッドホンとマイクを装着した。パイロットにはしばらくこれらを外すよう指示を出した。日は沈みかけ、ゆっくりと少しずつ暗闇が辺りを覆う。

 さて、話したいことは山積みだよ。まずは君のことだから抜かりないと思うけど念のため。バルカと僕が追っていた事件は解決してくれたのかい?

 ええ、もちろん。今回は少し驚きの事実もあったけど無事解決したわ。

 分かった。じゃあその件は安心だ。あと、いま僕らはどこに向かっているのか聞いておこう。荷物もホテルに置いたままだよ。

 ふふ。相変わらずの心配性ね。荷物はあとから送らせるから安心して。バルカもいるし、これからも快適に過ごせるようにしてるわ。

 過ごす?長旅になりそうだね。まあそれはいいとして、本題に入ろう。ソナタ、最後に家を出掛けて行ったあの日から今までの経緯を聞きたい。どうして君に国際指名手配がかかり、世界中から追われることになったのか。

 貴方たちにたくさん苦労をかけて本当にごめんなさい。ロンドと幼い子供たちに世界中を旅させることになるなんて…。私もあの頃は想像もしていなかった。

これまでの時間を埋めるように、2人の会話は途切れることなく続いた。やがて機体は減速し着陸態勢に入る。周りは山と地平線が見えるだだ広い場所に降り立つと、直ぐそばにはジェット機が待っていた。大地が剥き出しで

 よーし、着いたわね。じゃあこれに乗って戻るわよ♫

 戻るってどこへ?

 もちろん、東京よ!メライを迎えに行って、そして…。バルカ、今回の旅は広々とした機内で過ごせるからね!

 …。

彼女のペースで物事は物凄い速さで進んでいく。ロンドは久しぶりの妻のスピード感に圧倒されていた。でもこれがソナタだ。本当に長い道のりの末、やっと会えた喜びを噛み締めながら、ソナタの提案に従うことにする。3人とパイロットが機内に乗り込み、程なくして離陸した。中のテーブルには飲み物や食事がセットされている。

 食事をしながら、これまでのこと、そしてこれからのことを話しましょう。

再会してから先ほどまでの明朗な彼女とは異なり、俯き加減だ。話そうとしている内容は必ずしもポジティブなことだけではないことは想像に容易かった。

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