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新感覚!解決しないミステリー小説 ロンドの旅Part2ソナタの旅 Chap2アントワープの事件

5.寛大

 アントワープのある施設内でこの家に住んでいると見られる男性が亡くなっていたんです。私はその犯人を探しています。

 この家に住む男性は父しかいないわ。…警察に連絡しないってことは、あなたワケアリって感じね。ちょっと待って、いま父の写真を持ってくるから。

女性がその場を立ち去るとソナタは何とか起こしていた体をソファに横たえ目を瞑った。自身の著しい衰弱を感じ少しでも休息を取る。やがて女性が一冊のアルバムを手にして戻り、それを開いて男性を指差しソナタに確認を促した。

 ----正直にお伝えします。亡くなっていた男性はこの方に背格好や顔立ちがよく似ています。

 そう、それが事実なら父はもう…。----分かったわ、これから父や周囲の人に連絡を取ってみる。それと…まだ警察には連絡しないから安心して。ゆっくり食事してお風呂に入るといいわ。

 なぜそんなに良くしてくださるんですか?何も聞かず、私のことを疑いもせずに…。

 "どんな時、どんな人でも助けなさい"…父の言葉よ。じゃあ、ごゆっくり。私ので良ければ着替えは洗面所に置いたから。洗濯物はカゴに入れておいて。

 ありがとうございます。素敵な…お父さんですね。1つ教えください。彼は楽屋のような場所にいて、その部屋には楽器や楽譜がありましたら。職業は音楽家でしょうか?

 ええ。私が言うのもなんだけど、ハンガリー人の父は世界有数のチェリストよ。亡くなった母の祖国のベルギーに移住したけど、いつもどこかを飛び回っていて、遊んでもらった記憶があんまりないわ。そんな私もいつのまにか音楽家の道に進むようになっちゃったんだけどね。

 そうでしたか。世界的な著名人…ってことですね。

会話を終えると女性はその場を去っていった。ソナタはフードカバーを外し、スプーンを持ってスープを掬って口に運んだ。数日ぶりの食事は身体中を駆け巡り、全身に染み渡る。生き返った。テーブルの上のものをすぐにすべて平らげると、アツアツのコーヒーが提供された。ルンビニの事件を思い出したが、女性を信用して口をつける。一服をしつつ、ソファに置かれたさっきのアルバムに目を向け徐に手に取り、他人の写真を勝手に見るのに後ろめたさを感じつつページを捲っていった。後半は比較的最近のものと思われる写真、前半には女性の学生時代と思われる写真が納まっている。何枚か取り出してよく観察すると裏面には"○○○○ 7 14 友人宅にて"、"○○○○ 10 9 イタリア家族旅行"など、年月日(○○○○は西暦)や状況が手書きで記されていた。文字は手帳の筆跡とよく似ている。

改めて自宅を出てからこれまでの出来事を振り返り考察を始めた。ルンビニの事件で分かった事実…真犯人は妻でも夫でもなくクライアントであった。夫は妻を利用して演出家を殺害したのは明白だが、クライアントはこの夫妻を利用して演出家を殺害したのだ…そして、ここから先が重要。まだ推測の域を出ないが、彼一人の計画でソナタの身柄をアントワープの殺人現場まで運び込んだとはとても思えないし動機もない。その上には"黒幕"の存在があると考えるのが自然だ。ソナタはルンビニの事件の構造を以下と仮定した。

 第1階層:ターゲット
 クライアントが殺害したい人物。
 事件の被害者。

   第2階層:マリオネット
 自身の意思でターゲットを殺害した(する)
   と思い込んでいるが、実際はプランナーの
 策略により殺人を実行するよう仕向けられ
 ている人物。事件の実行犯。
 ※ルンビニの事件の実行犯は妻ではなく夫

 第3階層:クライアント
 プランナーへ殺人計画を依頼する人物。
 事件の真犯人。

 第4階層:プランナー
 クライアントへ殺人計画を授ける人物又は
 組織。一連の"著名人殺し"の黒幕。

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