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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅Part2.ソナタの旅Chap.3マスカットの事件

11. 銷失

3人が建物内に入ると初老の女性が出迎えた。ロンドとソナタが思わず顔を見合わせたのは、彼女から発せられる謎の黒いオーラが消えていたからだ。2人はすぐにでも議論を交わしたかったのだがそんなわけにはいかず、平静を装い普段どおりに振る舞った。

 あら、あなたたちそんな驚いた顔してどうしたの?

2人はまた動揺した。いつもなら表情や体の動きに気を配り、心中を簡単には表に出さないようにしている。訓練を積んで体得したスキルであり、気付く者はいないのだがこの女性には通用しないようだ。それでも2人は落ち着いて対応することを心がけた。

 そんな風に見えましたか?今日は朝早くから移動して、ここに着いてからも色んなことがあったので疲れているのかも知れませんね。

 …そうね。今日は大変だったわね。そんな中で悪いのだけれど、研修のスケジュールがだいぶ遅れてしまったの。すぐにでも始めたいんだけど大丈夫かしら?

 俺たちは若いからねぇ。全然平気さぁ。

 ふふ。私からしたらあなたたちは若いどころか孫みたいなものね。2人はどう?

 ええ。問題ありません。

 はい、大丈夫です。

 そう。じゃあ私に着いてきて。他の子たちはもう集まっているわ。

4人は応接室とは反対側の入口から建物の奥へと進んでいく。廊下は薄暗くヒンヤリとしていて先は真っ暗で何も見えないが、しばらく歩くと一点の光が見えた。

 さあ、もう着くわ。

女性がドアを開けると30,40人は優に収容できる会議室のような部屋が眼前に広がった。ステージに向かって椅子が2脚に対し机が1台、20セットほど並べられていたが、前の方には10人にも満たない受講者と見られる面々が座席についている。机の上にはスマホサイズの箱が一つ置いてある。部屋の隅には先ほど見かけた事務局員が数名立っていた。3人は空いてる席に詰めて座るよう促され、彼らが着席したことを確認すると女性はステージに上がり話し始める。

 みなさん、本日はようこそお集まりいただきました。私が今回の研修の責任者を務めてさせていただきます。10日間の長いプログラムになりますが、よろしくお願いします。少々トラブルがあり、開始が遅くなったことをお詫びします。…では、時間もありませんので早速始めさせてもらいますね。

案内が一段落すると事務局員が受講者の前に軽食と飲み物を置いていく。一通り配られたことを確認するの再び口を開いた。

 本来のスケジュールであれば、夕食の時間を過ぎているのですが、どうしても今日中にみなさんに本研修の説明を聞いてほしいと思っています。お疲れの中、すみません。このあとゆっくり食事をとっていただく準備はできているのですが、遅くなってしまいましたので、よろしければいまご用意した食べ物や飲み物を召し上がりながらお聞きください。

旧友は空腹だったのかすぐに食べ物に手をつけた。気付けば昼食抜きで日中の件の捜査や考察をしていたので、お腹が空き喉も乾いているはずである。ロンドとソナタも口をつけ、ペットボトルの蓋を開けた。他の受講者は食べる者もいれば飲み物だけの者もいた。

 いまのこの時間はオリエンテーションです。研修の本番は明日からになりますので、どうぞリラックスして聞いてください。まず目的ですが、それはもちろんスキルアップです。新社会人となったみなさんには、もっともっと力をつけ、グローバルで活躍していただきたい。主催者はそんな思いから今回の特別な研修を用意したのです。

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