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新感覚!解決しないミステリー小説ロンドの旅 Part2ソナタの旅Chap2アントワープの事件

13.恐怖

2人はレストランを後にすると翌日のための衣服や飲食物を購入して近くのホテルに向かっていた。速やかに捜査を始められるよう女性の自宅には戻らず、この日はアントワープに留まることにしたのだ。到着してチェックインを済ませ、待ち合わせ場所と時刻だけを約束して、それぞれの部屋に向かった。ソナタは久しぶりに1人でゆっくり時間を過ごすことができたのだが、蓄積した疲労によってシャワーも浴びずそのままベッドに倒れ込み即座に意識を失う。

これまた久しぶりに夢を見た。家族の夢。ロンド、メライ、バルカ、そして愛息子の5人で幸せに暮らす日常である。これまで、おそらく人と比べて刺激の強い人生を過ごしてきたはずで、それにも耐えうる訓練も積んできたつもりだが、いくら鍛えとしても体は疲れるし心のストレスがなくなることはない。こんな時見た夢が安らぎを与えてくれたことはとても嬉しかった。明け方ふと目を覚ますとそのまま寝入ってしまったことと、一筋の涙が頬を伝っていることに気付き、同時にこんなことくらいで弱気になっている自分に意外性を感じた。かつて、家族がいなかった自分1人だけのときとは明らかに異なる心の動き----。

ソナタは約束の時刻ちょうどにホテルのロビーで待っていたが、20分ほど待ってもやって来ない。不安が過りフロントを尋ねると、2部屋分のチェックアウトが済んでいて女性はすでにホテルを後にしていることが分かった。

 それと…お客様から預かり物がございます。こちらをお渡しするようにと承っております。

その紙袋には現金と、"あなたには待っている家族がいる。このお金ですぐに会いに行って安心させてあげて。今までありがとう。"と書かれたメモが入っていた。彼女は初めからソナタに頼るつもりはなく1人で"あの子"に会いに行くつもりであったのだろう。その可能性は最初から予想できたはずだった…女性は幼馴染との関係がいまに至る"経緯"を昨晩の食事中には語らなかったのだ。今日の朝、目的地に向かう車中で話すと言って…だが悔いている時間はない。女性が幼馴染に1人で会いに行くことは明らかに危険な行為だ。ソナタはすぐさまロビーにあるパソコンで"あの子"について調べ始めた。

アントワープの著名なチェリストとその娘、そして幼馴染のことに関してはいくつかの記事があった。どうやら幼馴染は女性の父親の"楽団"に所属していたようだが、先に幼馴染が、その直後に女性が退団している。詳しい経緯は分からないのだが今回の事件に関係しているのかも知れない。退団後の幼馴染に関する記事はなく、居場所につながる情報は見つからない。ソナタは現在唯一の手がかりである"楽団"を訪ねることにした。

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