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あなたの知らない消費税

いまどきの確定申告
住民税の倒し方
に続く「税金絶対ぶっ殺すマン」シリーズも第3話。

今回は意外と知られていない、消費税についてお話しします。

前提はあいもかわらずSESフリーランス。

与太話の内容の信憑性については保証しかねるので、各自で裏どりしてくださいね。こんなblogの記事だけ読んで信じるなんてアホの極地。オレオレ詐欺被害者予備軍なの?

煽りはこんくらいにして始めて行きましょう。

消費税とは?

簡単に言うと
「支払いが発生する時に、税金も一緒に払うしきたり」
ですね。

2019年10月にめんどくさい軽減税率というのが導入されて、普通に食事すると10%、でも食品の持ち帰りは8%とか、モノによって税率が違うという面倒なシステムが導入されたのはご存知の通りです。
最近はクラウドなんとかの躍進で税理士の仕事が減ってきたし、まぁ雇用対策って感じですかね?税制を複雑にすればするほど税理士は儲かるんで😇

ところで、払った消費税ってどこに行くか知ってますか?

あなたの消費税はどこに行くのか?

サラリーマンとかフリーランスでも意外と知らない人が多かったので解説します。

勿体ぶってもしょうがないんで、答えを言うと、最終的な行き先は「国と地方自治体で山分け」です。

あなたが消費税を払うと、受け取った相手の帳簿には「仮受消費税」という名前がついて、いったんお金を預かることになります。

そして、確定申告(企業でいうところの決算)と、大体同じタイミング(註1)で消費税の申告書も書き、預かっていた消費税を国税局に納税します。

あくまで消費税を受け取った相手は預かってるだけ、という点が重要です。

つまり1000万円のSES売上があったら、消費税10%にあたる100万円の仮受消費税をもらってるはずなので、確定申告のときに所得税とは別に、追加で消費税を100万円納付しないといけないのです。マジかよ。

まぁさすがにそんな無茶苦茶ではないです。

消費税の減らし方

まぁ仮受消費税をそのまま全額納付というのは、実際にはありえません。自分で経費として支払った消費税については相殺する事が可能になってます。

売り上げ1000万の人を例に挙げると、もし経費として300万を計上したら、30万の消費税を払ってるはずなので、70万だけ納付すれば良いことになります。

しかし…SESフリーランスにはもっと良い方法があります。

簡易課税制度

消費税は全ての取引の一件一件について記録を行い、それらを集計する必要があります…が、正直そんなかったるいことやってられない事業者様のために
「仮受消費税のうち50%だけ(註2)納付してくれればOK」
というありがたい制度があります。これが簡易課税制度です。

会計期間が始まる前に税務署に届け出をする事で、その年度について簡易課税を選択することができます。ただし、一度選択すると最低2年は変更できません。簡易課税した翌年に経費が爆発したりすると損をするので「とりあえず簡易課税しとけば優勝」というものでもありません。

ところで、本年(2020年度)については消費税率変更に伴う特殊な事情があり、9月末までに提出すれば本年から適用されます

忘れてる人はいますぐ税務署へ!

ここまで聞いて、賢い人は
「売上の50%以上経費使えば、簡易課税より得するんじゃない?」って思ったかもしれませんね。

実はそのとおりなんですが、SESフリーランスにありがちな罠が一つあります。

まぁ個人事業主の方は多かれ少なかれ自宅の家賃を家事按分して費計上してると思いますが、家賃には消費税が含まれていません。

わりと大きな経費項目になる家賃について消費税分の相殺がなされないので、単純に「売上の50%を経費で使ってれば簡易課税より得」というわけではない事に留意してください。

ちなみにこの罠に気が付かず17万余計に消費税払ったアホがいるそうです。まぁ僕なんですけど。

免税事業者

ここまで読んで、最近フリーランスになった皆さんは
「あれ...消費税とか納税したこと無いぞ...?」
などと不安にかられるかもしれませんが、ご安心を

売上1000万円以下の個人事業主(註3)については消費税の納税が免除されています。これを(消費税)免税事業者と呼びます。

逆に1000万円以上売り上げても即座に免税事業者資格を失うわけではありません。

免税事業者かどうか?という判定が行われるのは、前々年の売上を元に計算されます。したがって2020年から課税事業者、という人は2018年度の売上が1000万を超えているという事です。

逆に言うと、前々年度1000万円未満なら、今年1億円稼いでても免税事業者です...いや税務署員に火をつけられるかもしれないですけど。

もちろん免税事業者だからといって消費税を請求してはいけないというルールはありません。

つまり、どんだけ消費税もらっても、納税義務はないので丸儲けって事です!
ビバ免税事業者!10%丸儲け!

と思うじゃん?...まぁよくある誤解ですね

益税とは?

免税事業者は消費税を含めた金額を受け取れるわけですが、当然それは利益とみなされます。これらの「もらい得」な税金を「益税」と言います。

ただし、免税事業者の会計上では、消費税込みの金額を売上として計上しなければなりません(税抜処理を行わない)。

したがって、消費税分を10%多くもらっても、その分にも所得税(5-23%)、住民税(10%)、国民健康保険税(約10%)が課税されるということを意味しています。
所得税率20%ゾーン(課税所得330〜695万)だと、概ね30-40%程度は税金でもってかれるわけです。なので、実際の益税は10%ではなく、6-7%程度になるわけです。

課税事業者における益税

ところで課税事業者にも益税が発生することがあります。

先程の簡易課税事業者のパターンですね。

仮受した消費税のうち50%だけ納税すれば良い、ということは50%はまるっと貰えるということです。しかもこの50%分は非課税(=売上として計上しない)になります。

「課税事業者ではフリーランスなんかやっていけない!」

これな...よく聞く話なんですが、消費税というのは、元々仮受、すなわち支払者から預かって国に収めるはずのもの。

その益税を失ったら「やっていけない」っていうのは
(゚Д゚)ハァ?
って感じするんですよね...

で、実際に免税事業者でいることによる益税は、先程の計算通り消費税のうち60-70%程度。
対して簡易課税を選択した課税事業者の益税は消費税の50%。

つまり税抜売上から計算して1-2%の差しかないわけです。

免税事業者は1000万以下なので、その差は最大でも年間で10-20万円ということになります。

「フリーランスだから1000万以下で調整してるんで〜」って言う人一杯いますけど、その賢さの値段はおいくらなんでしょうね🤔

免税事業者よ、滅びの時は近い

まぁそんなして免税事業者ゾーンでいちゃこらしてる人々をどん底に突き落とす税制がまもなく(2023年頃)やってきます。いわゆる「インボイス制度」と呼ばれるものです。

簡単に言うと
「免税事業者に支払った消費税は仮受消費税と相殺させねぇぞゴルァ」
という新制度です。

これによって何が起こるかというと、発注者が免税事業者に消費税を払っても丸損になるため、発注先の選定時に免税事業者は10%価格的に不利になる、ということを意味しています。

まぁ実際に施行されて企業がどんな行動を取るかは仮説の範囲ですが、いつでも課税事業者になれるように準備しておくのをおすすめします。

まぁ準備と言っても、消費税課税事業者選択届出手続を税務署に出せばOKです。免税事業者でも課税事業者を選択できます。逆はダメだけど。

でも、消費税申告書ってめんどくさいんでしょう...?

結論:ぜんぜん

Freeeだと確定申告書と同じようにポコポコ入力していけば、勝手に消費税を計算して申告書作ってくれるので、そのXMLをダウンロードしてe-Taxサイト行って電子申告して終わりです。

まぁ税理士に頼むとすごく大変そうな雰囲気出しつつ追加料金とられますけどね。たぶんウルトラ節税テクニックでなんかお得なムーブしてくれるんでしょう。しらんけど。

まとめ

別に課税事業者でも対して変わらんので1000万以下で調整とかセコい事言ってないでじゃんじゃん稼げば?

以上、解散!

註釈

(註1) 確定申告の申告期限は3/中旬だが、消費税の申告期限は3/末。なんでだろうね?
(註2) 業種による。売上のうちSESが主な場合は50%となっている。
(註3) 所得でも課税所得でもなく課税売上高(税込)が1000万円以上です。ご注意。

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