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月刊モー 〜送り盆のイカゲーム〜

8月15日、日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した全国的な行事、通称・お盆。大半の日本人は故郷に帰省する大人の夏休みの一日だ。伝統的には旧暦7月15日にあたる中元節の日に祝われていたが、グレゴリオ暦採用の際に色々あって現在の日程になった。

妖怪たちの宴

盆の明確な起源は不明だが、元々初春と初秋の満月の日に祖先の霊が子孫のもとを訪れる行事があり、それが中華文化での旧暦の7月朔日に地獄の蓋が開き7月15日に閉じるという道教の影響を受け、現在の形になったとされている。

祖母の顔に見えると噂のネコチャン

2023年8月16日。送り盆と呼ばれるこの日、モテアマス三軒茶屋で24時間耐久ホラー映画祭が開催された。盆には色々な怪奇現象が起こるとされている。我々は本当に怪異が起こるのか調査すべく、ホラー映画を見ることにしたのだった。

主任が料理する時間が取れた珍しい日


学校の怪談2

筆者の強い希望によって一作目は決まった。夏はやはり『学校の怪談』。小中学生の夏休みに再放送をよく見ていた郷愁を追いかけ、これを見ないと夏が始まらないのだ。と、意気揚々と渋谷TSUTAYAに行ったのだがなんと貸出中であり借りられなかった。しかし見ないと永久に夏が来ないので2を借りたのであった。

めちゃくちゃいい
なんか暗くて怖い写真

学校に伝わる4月4日の4時44分に異界に繋がるという噂。そこに首がない状態で見つかった校長先生のおばけが出るという… 果たして少年少女は異界入りしてしまった学校から出られるのか? 爽やか青春冒険ストーリー。

少年少女が力を合わせて強大な敵に立ち向かうストーリーが好きな諸君にはもってこいの作品だ。学校の怪談シリーズは1995年から毎年公開されていた人気タイトルだ。さほど怖くないため、ホラー映画初心者にもオススメ。

4月4日4時44分
黄金の大仏も出てくるゾ


ミラーズ

ジャック・バウワー主演

火災により廃墟となった大鏡のあるデパートの夜警に着任した日から続く不可解な出来事。身の回りにある鏡すべてから巻き起こる恐怖は最愛の家族にまで及ぼうとする。逃れるために鏡にまつわる忌まわしい過去を追い、秘められた謎に挑むサスペンス・スリラー。

合わせ鏡をすると例の通り道になる、割れた鏡を放置すると魔が寄り付くなど、身近にあれど不可思議な逸話の多い鏡。本来は見ることのできない自分の姿が見えるのまた不可思議。鏡に写るもう一人の自分が動いたら… そんな恐怖がある。

写真撮るの忘れてた

時刻が変わり8月17日深夜0時。「中抜けありでいいっすよ。僕はずっと1人でも耐久してるから」そう豪語していた人物が睡眠の名を持つ魔に襲われた。

睡の魔に憑かれてしまった

ふらふらである。じつは筆者は開催前より、初めにダウンするのは彼だと睨んでいたのだが、予感は的中した。しかし無情にも上映会の夜は深けていくのだ。

事故物件

フォントかわちい

お笑い芸人が売れるために事故物件に住み込み怪奇現象が起こるのを待つ。初めは何もなく落胆するが次第に何かが起こりだす…

すでに視聴済みの筆者からひとことで述べると、ハリーポッターである。見たらわかる。

オペ

筆者の小ささ(160cm)が際立つこの写真。よく見てほしい。左の人物のシャツの皺の間になんとこちらを見つめる人の顔があるではないか。
心霊写真も撮れ、いよいよ本格的なホラーナイトになってきた。

エクソシスト

場所移って勉強部屋。じつはここ、可動できるモニターに宙吊りのスピーカーがあり、かなり映画鑑賞に向いていた。

悪魔に乗り移られた人

明らかにキャパを超えた人数を収容し、ホラーの金字塔と呼ばれる作品へと突入する。

シンプルが一番怖い

少女の身体に乗り移った悪魔と神父の闘いの物語。世界中にオカルトブームを巻き起こした戦慄のホラー映画。

1973年に制作され、現在でもオマージュ作品などが多く作られている。不覚ながらオカルトマニアを自称し、怪異譚の収集に精を出している筆者であるが今回初見である。静かで恐ろしい逸品だ。

外からも見える

見終えると朝を迎えていた。
ここで同行人に異変が。朝陽に照らされ苦しそうにぐにゃりと長い手足をしならせると突然口から白い煙を吐き出した! 我々はついに人魂を目撃してしまった。吐き出すとまるで別人のように人格者となった彼はやはり悪魔に取り憑かれていたのだろうか。

エクトプラズム


REC


パニック系

密着型ドキュメンタリー映像の撮影中に向かったアパートで血まみれの老婆と出会い、そのまま建物内に閉じ込められてしまう。正体不明の何かに襲われ、次々と倒れていく警察官、救命士、住人… 手持ちカメラによる一人称視点のドキュメンタリー・タッチな映像の先駆となったスペインのパニックホラー。

全身が闇に包まれ
中空に現れた扉の光に吸い込まれていく

午前8時。こうして彼は消えたのだった。

調査員に欠員が出たため、調査は一時的に取り止めざるを得なくなった。残った我々二名はチキンラーメンを食べて次の企画内容について会議。

午後1時。

ひとことも話さない

神隠しにあったはずの調査員がどこからか突如現れた。気付けば衣装も鮮血に塗れたような色に染まっている… 彼はひとことも発さず、何と声をかけても無反応。神隠しに遭うとヒトでなくなってしまうと聞くがこういうことなのだろうか。我々は惜しい人物を失くした。

箪笥

ここで差し入れが。

ゴーちゃん

そして筆者に異変が。忘れていたのだが、チキンラーメンがなぜか身体に合わず、毎回吐いてしまうのだ。今回もまた、胃の不快感に襲われ縦の状態での調査継続が困難になり、已む無く横になりながらリモートで参加することになった。

ホームシアター
歪な家族

韓国の古典怪談『薔花紅蓮伝』をベースに、人里離れた家に住む一家の継母と姉妹の確執と“家”に起こる怪奇現象を描く未体験ホラー。

サナトリウム文学系作品。なんとなく展開がわかるようで読めない絶妙なストーリー展開に目が離せない。



静寂


午後3時。
そして誰もいなくなった。
全調査員が何者かの凶弾によって倒れ、全ては闇に包まれたのであった。


こうして観客も勝者もないデスゲームの幕は閉じた。

元凶


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