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3Dプリンターのサステナブルな印刷生活 その1 ~保温~



すべてを保温すべし

SK本舗のレジン7ヶ条では、光造形レジンは「作業する際の適正室温は25度以上(安心領域は30度以上)です。」とあります。夏場はあまり問題ないのですが、冬になると室温が下がるため温度対策が重要です。

室温が低いと層はがれが生じる

真冬の気温が10℃以下のような環境で印刷した場合、写真のようにレジンが積層中にはがれてしまい、印刷に失敗することがあります。

室温が低いと生じるレジンの層はがれ

これを回避するためにはとにかくレジンを30℃以上に保つ必要があります。
これにはいくつかの解決策があります。

ドライヤーで温める?

レジンやバット、プラットフォームなど、樹脂が接触するすべてのものをドライヤーで温めてから印刷をスタートさせると、層はがれが少なくなります。
初めのころはこの方法で何とか印刷できていましたが、一つを温め終わって別のものを温めているとその他のものが冷めてしまい、ぐるぐる温め続けることになってしまいます。
また、この方法は印刷を開始した後は手を出すことができないので運を天に任せるしかありません。

部屋を暖める?

こちらは簡単で、エアコンで室温を30℃に設定すればいいだけなので簡単です。ただ、冬場の室温30℃設定は電気代が大変なことになると思います。

本体を電気ひざ掛けでくるむ

いろいろ試行錯誤してたどり着いたのが、「電気ヒザ掛け」です。私は120cm×60cmのものを使用しています。
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使い方は以下の通り

電気ひざ掛けと保温用の段ボールを用意します
3Dプリンターを電気ひざ掛けでくるみます
その上から段ボールをかぶせます

印刷する1時間ほど前からこうして保温を開始しておけば、室温が10℃以下でも問題なく保温できます。また、温度調節をMAXにしてもやけどするような温度にはならないので安心です。そして嬉しいことに、電気代は1時間当たり0.2円程度なので、長時間保温していてもランニングコストはほとんどかかりません。

レジンは湯煎で温める

レジンのほうは、湯煎で温めるのが簡単です。50℃ぐらいのお湯からスタートして冷めたらお湯を取り換えるようにすれば、1時間程度で30℃ぐらいには温めることができます。

もしくは、家に低温調理ができる電気圧力鍋があると何度もお湯を変える必要がなくなるので非常に便利です。

試してはいないですが、ヨーグルトメーカーでもいいかもしれません。

このようにして「本体を電気ひざ掛け」で保温して、「レジンを湯煎」してから印刷を開始することで、氷点下に近い環境でも問題なく印刷できるようになりました。実際にこの方法をとるようになってからは、層はがれで失敗することが全くなくなりました。皆さんもぜひ一度お試しください。

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