松浦柊太朗さん/U・STYLE
これは、これからの働き方・暮らし方を考えていく人のためのインタビュー記事です。 「働き方・暮らし方を変えたい」と感じたとき、旅先で出会う案内版のような地図があったらいいな…と思ったことがきっかけで、この記事を書くことにしました。働き方と暮らし方が多様になった今、これからの一歩を踏みだすために、どんな道しるべがあったらよいのでしょうか。 多様な視点を求めて、新しい働き方と暮らし方を実践する10人の方にお話をうかがってきました。
僕の根底には、他者と自分、両方の顔がいきいきとする場をつくりたいという思いがあります。
松浦 柊太朗|まつうら・しゅうたろう
新潟市中央区⽣まれ/大学卒業後2015年よりデザイン会社、株式会社U・STYLEに勤務。デザインの企画・ディレクションや、「潟マルシェ」等のローカルな場づくりに携わっている。2018年にソトコト編集部が運営する「イタ まちづくりとまちしごとの求⼈サイト」のディレクションを担当。
His works
柊太朗さんが就職した2015年4⽉に「潟マルシェ」はスタートした。潟マルシェを通じて柊太朗さんがどのようなことを感じていたかを伺った。「潟マルシェで出会った農家さんが、鳥屋野潟のすぐ近くで無施肥無農薬の自然栽培をしていて。その方の考え方に衝撃と影響受けて、実際に自然栽培のニンジンを⾷べてみたんです。独特の土臭い味に⽣命⼒を感じたりして。そういう多様な方との出会いは、今の仕事のルーツの⼀つになっていると思います。」
His point of view
⼒みの無い⼈、というのが柊太朗さんの印象。彼の視点は⼩学校から大学時代にサッカーを通じて出会った、いろいろな大⼈達からの影響を受けているという。「大⼈ってみんな⼀緒じゃないんだなと思った経験から、ものごとを1つの視点からだけでなく、俯瞰して⾒るようになったかもしれません」と彼は語った。
どんな経緯でその仕事をすることになりましたか
⼩学4年⽣から大学までサッカーをやっていました。大学のサッカー部は先輩・後輩で⽇本代表選⼿が出るような体育会系の部活。組織の目標達成に向けて各自が役割を果たすことが必要で、様々な規律が整えられた厳しさもある環境でした。
一方で大学⽣の頃に住んでいた下北沢では、たとえば汚い格好のおじちゃんがフラフラと歩いていても、町がそれを許容してくれるような環境でした。それに、町の人たちがすごく良い顔をして歩いていたんです。
組織のために規律を重んじるあり方と、寛容で自由に自己表現できる空間を同時並⾏で体験しました。 2つの場を照らし合わせた時に、僕は下北沢みたいな自由さや寛容さがあり、⼈がいきいきしてる場とか社会に惹かれるようになって。自分もそういう場づくりに関わりたいと思うようになりました。
僕は現在、U・STYLEという⺟親が始めたデザインの会社で働いています。中学⽣の頃から⺟親の仕事場に出⼊りしていたこともあり、デザインは⾝近なものでした。また大学サッカーリーグの運営組織に所属していたときに、大会のPRをする機会があり、美大⽣とコラボレーションしてデザインプロジェクトを企画。ポストカードや、ムービーを作る経験をして。就職活動では映画が好きなこともあって、映画会社のインターンシップにも参加してみましたが、最終的には、クリエイティブな活動を通じてものの価値をつける仕事をしたいことに気づいて。⾝近にデザインを仕事にする環境があったので。こっちでいいかと思いました(笑)。
大切にしたいことは何ですか
僕の根底には、他者と自分、両方の顔がいきいきとする場をつくりたいという思いがあります。仕事とか暮らしにも通じることで、出来る限り他者に丁寧に接したいと思うし、背景を知ることを意識していています。
あなたの原点を教えてください
⽣まれのルーツである新潟の他に、下北沢という価値観のルーツがあると思っています。新潟では都市型の⽣活と自然が両方ある暮らし方、下北沢ではすれ違う⼈たちがいきいきしてるとか、楽しそうだとか、挑戦できている自由な空気感に幸せを感じました。
時間の使い方について意識していることを教えてください
「他者の時間を尊重し自分の時間を犠牲にしない」ことです。相⼿の時間・気持ちを尊重しようとしたときに「自分の時間を犠牲にしている気持ち」で費やしたくないので、犠牲にならないように時間をやりくりしたいと思います。
お⾦の使い方について意識していることを教えてください
他者を尊重したい思いから「この値段で野菜を買ったら⽣産者は困るのでは?」とか物の背景を⾒たいと思っています。他には友達経済というか顔がわかる⼈からものを買うと暮らしの豊かさを感じたり。お⾦の使い方で意志表示をしています。
働き方・暮らし方を変えようとしている⼈に伝えたいことはどんなことですか
暮らしの中で「なんでこれをやらなきゃいけないんだろう」とか「やりたくないけど仕事だから」と思ってると楽しくないし、いきいきできないので。自分が犠牲になってると思う時はやり方を変えてみたら良いのかなと思っています。
多様な価値観・⽣き方をインプットしたり⼈に会いに⾏くとある⽇突然衝撃的な出会いがあります。その中には自分の価値観のルーツになるような出会いがあると思うんです。
僕は大学卒業時に⽇本のことをもっと知りたいと思い旅をしました。旅をしてみて「東京が都市、他が地方」という関係性じゃなく、東京もローカルの集合体だと思うようになったし、それぞれの地域が自⽴してるという感じがしたので、新潟のことも「外からの視点」で⾒られるようになりました。いろいろな場に出てみると、1つのことをいろいろな視点から⾒られるようになると思います。
(取材⽇:2019年1⽉19⽇)
▼さらに詳しく知りたい方へ
株式会社 U・STYLE
http://www.u-style-niigata.com/
読んだ方へのお願い
あなたがこの記事を読み、働き方や暮らし方について考えたことは、わたしたちがこれからを考えるための大切な道しるべになります。感想をお送りいただけることを、心からお待ちしています。 感想の送付先は、moshimo.theater.info@gmail.comまでお願いいたします。
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