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子供の教育のためにアイルランドに移住した話 - ビザ・労働許可編

前回から時間が空いてしまったのはStarfieldのせいではありません。決してそうではありません。眠いです。

前回は出国前にした各種タスクについて書きました。引っ越し準備の大変さは今でも夢に見そうです。

今回の内容は執筆時(2023年9月現在)筆者が経験した内容を元に記載しています。今後の制度変更、条件の違い、筆者の勘違いなど様々な理由により違う状況になる可能性があります。最新の自分にあった状況を確認して進めるようにしてください。最新のアイルランドの労働許可事情は DETE (日本で言う厚労省的な)のページを御覧ください。

ビザ・労働許可

今回は海外に移住する上で最も大事といってもいいビザ(VISA)と労働許可(Employment permit)についてです。今回の移住まで海外で働くには就労ビザを取ればいいと思ってましたが、違いました。

  • ビザ:その国に入国するために必要な許可証的なもの。目的に応じて観光ビザ、就労ビザなどがある。

  • 労働許可:その国で働くのに必要な許可証的なもの。働くには就労ビザ+労働許可が必要な国もある。

海外に旅行に行ったことがあると分かるかもしれませんが、ほとんどの国において、日本国籍のパスポートを持っている人は入国するためにビザが必要ありません

アイルランドも例に漏れず、ビザを取得することなく入国可能です。観光だけでなく、就労、留学などでも入国にはビザは必要ありません。ただ、これはあくまでも一時的な滞在向けの措置ですので、3ヶ月以上滞在する場合は居住許可、IRP(Irish Residence Permit)を取得する必要があります。これはアイルランド入国後にしか取得できないため、別の記事で書こうと思います。

労働許可の種類

アイルランド国内で働く場合は、ビザは必要ありませんが労働許可、Employment permit が別途必要になります。(ワーホリや留学については私は手続きしていないのでここでは触れません)

この労働許可にも複数種類があって、(一部抜粋)

  • Critical Skills Employment Permit (CSEP)

    • アイルランドにとって重要なスキルを持った職業限定の労働許可

  • Dependant/Partner/Spouse Employment Permit

    • CSEP を持った人の配偶者やパートナーの労働許可

  • Intra-Company Transfer Employment Permit

    • グローバル企業でアイルランドに異動する社員向けに出す労働許可

  • General Employment Permit (GEP)

    • 職業を限定しない労働許可

などがあります。

Critical Skills Employment Permit (CSEP)

Critical Skills Employment Permit は Critical Skills と認められる職業が定義されていて、年収 €32,000 以上をもらって、かつその職業で就職する場合のみ取得することが出来ます。これを取得するには基本的に雇用主のスポンサーシップが必要になりますので、アイルランドの企業かアイルランドに支社のある企業を探す必要があります。私は IT 系のエンジニアで運良くアイルランド国内の仕事を見つけることが出来たのでこちらの労働許可を取得することが出来ました。
IT系だけでなく、製造、建築、医療、マーケティングなどの専門領域のスキルがあれば挑戦することが可能ですので、一覧を見てみると面白いかもしれません。グローバル担当の営業系の偉い人も対象ぽいです。

もしくは、年収が €64,000 以上だと労働許可対象外職業リストに乗っていない限りはどんな職業でももらえるみたいです。

今回の移住では子供の教育、という目的もあるため、家族を一緒に連れてくることが非常に重要です。CSEP を貰えれば、働く人(この場合は私)と一緒に家族も連れてくる事ができます。一方で職業を限定しない GEP では働く人本人しか居住することは認められません。(ビザは要らないので3ヶ月なら一緒にいられますが…)
また、CSEP では配偶者にも労働許可が認められるため、私の妻も働こうと思えば働くことが可能になります。これはフルタイムに限らず、パートタイムで働くにも必要になりますので、選択肢が大きく広がります。
今のアイルランドで不足していて必要な人材を集めるためとはいえ、相当優遇してくれますね。

改めて、上記の数字や条件は変更される可能性が高いのでご注意を!

Stamp 1 と Stamp 4

先に3ヶ月以上居住するには IRP という居住許可が必要と書きましたが、労働許可を取得した人は Stamp 1 という種類の許可を取得することが出来ます。そして CSEP 取得者は2年間、GEP 取得者は5年間アイルランドに居住していれば、Stamp 4 というスタンプに切り替えてもらうことが出来ます。(清く正しく生きていれば)この Stamp 4 は永住権的なもので、期限付きではありますがアイルランドで労働許可なしに働くことが出来ます。期限付きとは言いましたが、更新も可能なので特に問題がなければずっと居られます。やる気があれば起業するなども可能になります。

労働許可の取得方法

取得方法、とかっこよく書きましたが、面倒なのでエージェントにほぼ全て任せました。就職する会社によっては手配してくれると思いますので、聞いてみることをおすすめします。もし自分でやるよ!という人がいたら以下のユーザーガイドを元にがんばってください。オンラインで申請可能です。

https://epos.enterprise.gov.ie/UserGuide_v2.pdf

ということで、私がやったことは必要な情報を提供することと、必要な書類を集めることだけです。
必要になる情報、書類は以下のようなものがあります。

  • 雇用主の情報(名前、登録番号、業種など)

  • 被雇用者の情報(名前、生年月日、連絡先など)

  • 被雇用者の家族の情報(同上)

  • パスポート(家族分も)

  • 雇用を証明する書類(役職名、年収などを記載)

  • スキルを証明する文書(CSEPの場合?)

  • €1,000 (却下されると90%返ってくるようです)

公式のチェックリストが分かりやすいのでおすすめです。

https://enterprise.gov.ie/en/publications/publication-files/critical-skills-employment-permits-checklist.pdf

申請してから取得までにかかる時間は時期によってまちまちです。コロナ禍は数ヶ月かかっていたという噂も聞きましたが、私の時は3週間ほどで申請が通ったと記憶しています。
こちらに、いつ時点に申請されたものが今日時点で処理されたか、情報が開示されているので参考にしてください。「22 August 2023」となっていたら、2023年8月22日に申請されたものが処理完了したという意味です。


申請が通ると PDF ファイルが DETE から送ってきます。以下は、入国時は紙で持っていた方が審査官に見せやすいので印刷したものです。

ヒゲモジャのときに取った写真…

ちなみに、妻や子供の分の許可証は発行されないのでこの許可証と自分自身で証明する必要があります。例えば、IRP 取得に関しても私の同行が必要で、妻だけでは取得することが出来ないのです。


無事、労働許可が取れたので法的にもアイルランドに移住できるようになりました。次回はお待ちかね、アイルランドでやったこと編を書こうと思います。地獄の家探し、にわとりたまごの銀行口座編お楽しみに!

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