邪魅の雫/京極夏彦

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読了日2023/12/13
次々と起こる殺人事件。人を殺してしまった人。連続して起こるこれら一連の事件にはどんな関係があるのか。
唯一の共通項としてあげられた名前は、古本屋と小説家の既知の友人にして探偵の榎木津礼二郎だった。


何かを創作する、またはした経験がある人間ならば誰しもがこの真犯人の心がわかり、その心には邪魅の雫があるだろう。私にはある、素直にそう思った。
真犯人が、最後に探偵からこの言葉をかけられたら生きていけるだろうかとも。

嘘をつき続けてきたわけではないのに、相手に真意や好意が伝わらない悲しさと虚しさも胸に迫る。
どうもこの真犯人は、私自身ではないかと思えてならない。真犯人の身の上と重なる部分などないのに、気持ちの移入が止まずにラストは一気に読み切った。

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