酷評から4日で事実データ300以上を集め説得力半端ないプレゼンをかましたインターン生がいる
先日、クルーズのインターン生についてこんなツイートをしたら反響がありました。
おそらく、「4日で300以上の事実データを集めてきて説得力半端なかった」「企画全部やることにしました」の部分が見る人にとって意外性のあることだったのではないでしょうか。僕にとっても驚きでした(だからツイートした)。
彼女の優秀エピソードは他にもいろいろあるのですが、それらの一体なにが彼女をすごいと感じさせるのか。
僕が「優秀」と感じたポイントを整理すれば、これから社会人となる方や若手社会人の方にとって少しでも参考になる指標となるのでは?
と思い、今回は筧くんの話を通して、これから社会に出る学生に持っておいてほしい3つの力について語ります。
筧くんのエピソードとそこで注目した「力」について交互に述べるスタイルになっています。
■エピソード1 毎日新聞投稿
筧くんと僕が出会ったのは、1年ほど前。
彼女は大学3年生で、まだクルーズのインターン生ではありませんでした。
初対面での印象は、よく質問してくれる大人しそうな子だなあというくらい。ただ、一つ感心したことがあります。
毎日新聞を読んでnoteとTwitterに投稿する活動をその時点で1ヶ月以上続けていたのです。
驚くべきことに、半年後にたまたまTwitterを見た時にも、そして今回このnoteを書くにあたって彼女のnoteを覗いてみたところ、今も続いていました。
■3つの力⑴ やり抜く力
筧くんの新聞投稿そのものについて、僕は言及しませんでした。
注目したのは、継続力。
もっというと、やり抜く力を持っているかどうかです。
ビジネスの現場は厳しいだけではありませんが、決して穏やかな場所でもありません。
華々しく見える業界、成長著しい会社でも、現実のビジネスの現場は泥くさく、しんどい場面が多々あります。離脱する人だっている。
そんな世界にこれから足を踏み入れる若者を迎えるとき、企業が心配することとはなんでしょう。
この人には、厳しい状況でもやり抜く力があるだろうか。途中で挫けて立ち上がれなくならないだろうか。
こういったことです。
■やり抜く力を伸ばす
やり抜く力はGRITと呼ばれ、社会的に成功している人たちが共通して持つ心理特性として挙げられます。
GRIT研究の第一人者であるアンジェラ・ダックワースによれば、
成功する人に共通する特徴は「情熱」と「粘り強さ」、すなわち「やり抜く力(GRIT)」である
とのこと。素敵なことに、GRITはトレーニング次第で後天的にも伸ばせるとわかっています。
たとえば、筧くんが新聞投稿を続けたように、些細な活動でも粘り強くやり続ける経験から育まれていくのです。
毎日ゴミを拾うのでも料理をするのでも、とにかく何かに根気強く取り組んでみてください。
■エピソード2 すぐ会いにいく、すぐやる
筧くんと初めて会った日から半年後、Twitterを見て新聞投稿をまだ続けている彼女に驚いた僕は、メッセージを送りました。
「がんばってるね」と。
それに対し彼女、
「はい!なのでご飯連れてってください!!先生!」と言うので、半年ぶりに再会することになりました。なぜか筧くんは僕のことを先生と呼ぶ。
二人で飲みながら、彼女の就活についてあれこれ話しました。
「先生が見てきた中でいいなと思う会社を教えてください!」
「そうだなあ。会社というか、経営者を紹介したいんだけど、オズビジョンの鈴木さんに、ZEALSの清水くんでしょ。それから、ROXXの中嶋くんに・・・」
この後、彼女がその場ですぐ本人たちに「お会いしたいです!」と連絡するとは思いもよりませんでした。
その上、ことごとく全員の日程を押さえあっという間に対面を実現させてしまうなどとは。
相手が誰だろうと成長のため会いに行く。口では言えても現実にはなかなかやれないことです。
彼女、最近は幻冬社の箕輪さんとも会っていました。
■3つの力⑵ 行動力
やるべきことに向かって、パワフルに、迷わずに動くことができる。これが筧くんのすごいところ。
ふつうなら不安になり、足がすくんでしまいそうなことでも彼女は体当たりでぶつかっていく。
こういう特性は、一般に「行動力」と呼ばれていますよね。
意外と忘れられがちですが、重要な力です。
というのも、知識や経験で劣る若手が唯一先輩に勝てるかもしれない部分だからです。
では、その行動力は何を源泉に生まれてくるものなのでしょう?
個人的な意見としては、「何があっても結局自分はやり抜くだろう」「私は簡単には折れない」という自信からではないかと考えています。つまり、先程のGRITに対する自信。
これは、実際にさまざまな苦労しながらも何かやり切った経験が積み上がることで身につくものでしょう。
■4日で事実データ300個を集めてプレゼン
今年の6月、ついにクルーズのインターン生となった筧くん。
現在は人事のアシスタントをしてもらいながら、いろいろイベントの企画もさせており、週3で働いてもらっています。
ここでいよいよ冒頭のツイートの話。
彼女が初めて持ってきたイベントのプレゼン資料。これが、ダメダメでした。プレゼン開始から2、3分で聞いていられなくなるほど。
何がダメかというと、クルーズで他の人のプレゼンを見ているはずなのに「事実データを300個集める」という初歩ができていなかったのです。
ただ自分の感想と解釈を並べ立てているだけ。
彼女がやってしまった失敗は、ビジネスの提案をグループディスカッションのノリでやってしまうというものです。
(両者の違いは以前書きました↓)
これに対し、僕が彼女へ伝えたことは以下の通り。
「一言も解釈を述べるな!目的は何で、このイベントをするとどう目的が達成されて、参加者と僕らにどんなメリットがあるのか。300個データ集めてやり直してこいッ!」
なかなか厳しく言ったし、さて、改善に何週間かかるものか。3週間?4週間?
実際に彼女が必要としたのは、たったの4日間でした。
しかも、集めてきた事実データは400個にも及びます。
(↑プレゼン資料の一部)
もはやこのイベントを開催するに当たって、彼女より事情に詳しい人はいません。僕らは、彼女の提案をすべて実行することに決めました。
失敗の悔しさをバネにいろんな人に話を聞きに行って、情報を集めて、たった3、4日の短期間で改善をやってのける。
そんな人に提案されたら、そりゃあやるっきゃないでしょう。プロジェクトが動き出すってのはこういうことです。
■3つの力⑶ 改善力
今回紹介している3つの力の中で、
クルーズが最も重視しているのが改善力。
何をやるにも、最初から完璧である必要はありません。失敗したっていい。
問題は、一度失敗しても次どうやったら失敗しないかを考えて、改善できる能力があるか。この辺は「やり抜く力」ともダブりますね。
どうやったら次失敗しないか、他の誰かがやっても失敗しないように設計していけるかの繰り返しで、本人は成長していくし、会社にとっても失敗が資産に変わる。改善できる限り、失敗は尊いものなのです。
たとえ今完璧でなくても、設定した目標に向かってめげずに改善する力があるのなら、その人の将来には見込みがあります。