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ゲストハウス日記#day59-「いただきます」の英語訳を考えた-

こんにちは。モロヘイヤです。

ゲストハウス生活59日目(8月9日)は素敵なパリジェンヌと出会った。

お昼ご飯の時間、有給スタッフたち全員が毎月定例のミーティングに参加し、私と同じ立場の無給スタッフも出かけてしまっていたので、一人で食べることに。

寂しいなあと思っていたら、ゲストもたまたまご飯を食べるというので、一緒にお話しながら食べることができた。やっぱり誰かと話しながら食べる方が楽しい。一人で食べると、手持ち無沙汰でスマホとか見てしまったりして、いい気分はしないのだ。

ゲストは50代くらいに見えるフランス人女性。
1人で旅行中で、日本は初めてらしい。コンビニで買ってきたと思われる惣菜やおにぎりを共有スペースで食べるというランチの取り方が、日本旅行に慣れている感じがしたが、もしかしたら猛暑でレストランに行くのも疲れると思ってしまったのかもしれないと想像したり。

お話を聴くと、日本人と結婚して農家を営む息子さんを訪ねに日本に訪れたそう。息子さんはたしかもう4、5年住んでいると言っていたけれど、コロナの影響で「日本にやっと来れた」と嬉しそうな表情だった。

パリから来たという私の母と同じ世代に見えたその女性は、パリと聞いてイメージするような高貴で華やかな感じよりも、上品で柔らかい雰囲気を纏っていた。カーリーなグレー色の髪もとてもチャーミングだった。

大学で英語の教師をしているらしく、フランス人の英語力が低いことを憂いていた。
「フランス人は話せない人が多い。文法の勉強が中心になってしまっている」「話すことをトライしようとしない」
みたいなことを言っていて、日本と似ているではないかと思った。
たしかに、ゲストハウスに約2ヶ月滞在し、訪れるゲストの出身国ランキングトップ3(私の体感)に入るであろうフランス、ドイツ、アメリカを比べた時に、英語が第一言語ではないフランスとドイツで比べると、圧倒的にドイツ人の方が英語力が高いと感じていた。あくまで私の個人的印象ではあるが、その女性も同じことを言っていた。

他にもいろんなところで、それぞれの国の教育によって形成される国民性やキャラクターの違いを感じ、教育の影響力はかなり大きく、つまりは教育は大切なんだっていうことを漠然と思ったりもした。

彼女は、「『英語』ではなく『英語のコミュニケーション』を教えているんだ」とも言った。英語でいろんな人と交流する楽しさを教えたいという気持ちが伝わり、こういう先生に教わってみたかったものだなあと思った。

私と彼女で2人同時にご飯を食べ始めたとき、「いただきます」の意味について尋ねられ、さてどう訳そうと迷った。これまで「いただきます」を英語で表現したことがないことに気づいた。

私は「いただきます」の意味を考えた。これまでの人生経験から、お肉とか魚とか野菜とかの「命」に感謝していただくという意味合いなのではないかと思っていたから、「grateful for food」がいいのではないかと思い、彼女にもそう伝えた。
おそらく、フィリピンでホームステイしていた時や、カトリックの女子校生活での「食前の祈り」などが、私なりの「いただきます」の解釈に影響している。

女性はすぐに自分のノートにメモを取っていて、私のこの訳が彼女の頭の中の辞書に刻まれたことに少しの責任を感じた。
後からネットでも調べてみたけれど、1つの正しい回答がある訳ではなさそうだった。みなさんならどう訳すだろうか。

英語の先生に「あなたの英語きれいだね」と言われたのがうれしくて、その言葉を胸にそっと刻んだ。30分くらいの楽しいランチだった。

2024/08/26 モロヘイヤ



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