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4年ぶりに訪れたトルコはやっぱりやんちゃで憎めなくて愛おしかった

この年末年始、私はトルコに行ってきた。1週間ほど。
コロナ後初めての海外。大学生の時頻繁に海外に行っていたことを思うと、よくも4年も我慢したなと自分に驚いたりもしたけれど、コロナがあったのだからこればっかりは仕方がない。

2020年3月に留学を中断して日本に帰らなければならなくなった時から約4年。「近い将来また戻ってくるね」とボスポラス海峡に別れを告げていたから、それを叶えられる時を待望していた。

仕事柄長い休みを取りづらいけれど、年末年始なら休みを取りやすいと考え、昨年の頭頃?夏頃?くらいからは年末にトルコに行くことを考えていた。

そこにもう一つ大きな目的も加わり、トルコ行きは確かなものとなった。大きな目的とは大切な人と過ごすこと。このことはまた別の機会で書くかもしれないし書かないかもしれない。(とても大切なので自分の心の中だけにしまっておきたい気もしている)

トルコのイスタンブル空港に到着。パスポートコントロールでは「苗字は?」とだけ訊かれ、別の国に入国するのってこんな簡単でいいんだっけと。ただ2019年9月にトルコに入国する時は「Nagatomoはどこのチームに所属しているか知っているか?」という質問だけだったから、あれに比べたらましと思うことにした。

イスタンブル空港はとにかく広い。空港から市内に向かう道中でも、車の外にはビルも家も店も何もない草原が果てしなく広がっているような景色が続いて、日本に比べてスケールの大きさを感じる。この果てしなく何もない感じが私は好きだ。ノマドランドの感想noteでも記したのでよろしければそちらもぜひ。

到着が早朝だったから、道は空いていたが、昼間のイスタンブルとなると景色がまるで違う。もちろん中心部にいけばいくほどだが、車の渋滞がすごい。日本よりも電車が少なく、車・バス中心だからだろう。クラクションはブーブーならすわ、イライラしている人はいるわ。車線変更をする時もウィンカーを出さないのは当たり前といった感じ。歩行者も歩行者で信号を守らずに道のあらゆるところから突如姿を現すので、この国で無事故で運転するのは私にとっては至難の技だと思うばかり。(無論ペーパーなので日本だろうが運転できない)
道で歩いている時も、車にひかれる寸前のところを狙って横断歩道を渡る人らを何度も目にして、「もう少し自分の命を大切にしてほしい」と思っては、こちらまでハラハラドキドキして寿命が縮んだかもと思ったり。

車やバスのクラクション、トルコ人だけでなくアラブ人や欧米人、アジア人などさまざまな国の人が行き交う通りの雰囲気、モスクからのアザーン、アジアとヨーロッパの間にいると思い出させてくれるボスポラス海峡。トルコはやっぱりカオスだなと思いつつ、そこに懐かしさとかこの国で味わった色んな感情がプラスされてやっぱりとてもとても愛おしい。自分のもう一つの心はイスタンブルに置いてきていたのではと思うくらい、「帰ってきた」「ただいま」と心の中で口にしていた。これを書いている今この時も、胸がじーんとして、目はうるうるしてしまっている。トルコは私にとってとても大きな存在だということを再確認した。

トルコ人との再会も私に大事なことを改めて気づかせてくれた。留学中に仲良くしてくれていた友人らと会い、4年ぶりの会話に心躍らせた。「人生どんな感じ?仕事は何してるの?いつかトルコに住むの?」と質問攻めにあい、久しぶりのガールズたちの会話のスピードに戸惑いつつも、近況をゆっくりシェアした。彼女らをはじめ、私が知るトルコ人らの素敵なところは、他者のために時間と労力を使うことを惜しまないところだ。常に他者のことを自分と同じくらい、あるいはそれ以上に考えているところだ。見方によってはおせっかいとか人に干渉しすぎということになるのかもしれないけれど、とにかくお世話好きで、人に興味があって、おしゃべり好きで、「私が大切にしたい時間はこういう時間だな」と思わせてくれる。ハグとかスキンシップも好きだ。昨年末に読んだ西加奈子さんの「くもをさがす」の文章にはとても共感した。

「カナダに来て、いろんな人とハグするうち、ああ、私はハグがしたかったのだと思い至った。大好きな人に会ったとき、笑って挨拶をするだけでは、そして、改札前で『また会おう』と手を振るだけでは、どこか足りないような気がしていた。」
「誰かを抱きしめることは、そして誰かに抱きしめられることは、その行為以上の何かになった。お互いの体温を交換し、お互いが『生きている』のだと感じるその時間が、私にどれほどの力を与えてくれたか」

西加奈子「くもをさがす」

苛立ったこともあるしやり切れない思いを抱いたこともある。でもそれを上回るほどにいろんな顔を見せてくれて、心を動かしてくれて、たくさん笑顔にさせてくれた。文字通り喜怒哀楽を強烈に味わさせてくれた。ラブリーなトルコ、私にとって第二の故郷、また近いうちに。

2024/01/06 モロヘイヤ



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