ソウダさんはある日言いました。 「彼とは別れないの?」 急に何かと思いました。それまで自分の生い立ち、趣味などについて話していましたが、彼氏のことについては触れてこなかったからです。 「急になぜですか?」 聞き返すと、 「だって、彼氏の話はほぼしないし、出張も多く、一緒にいる時間も少なそうだから……不満はないのかと思って」 と、少し言いにくそうに、でもはっきりとわたしに訊いてきます。 不満がないと言えば嘘になるわたしは、はぐらかしました。 「まあ、全く何もないカップルや夫婦て
ソウダさんはその後、わたしの話したことに真摯に向き合ってくれていました。 店長に相談し、改善点などを話し合い、これから皆が働きやすく、お客様の満足度ももっと上げていきたい、そのためにどうすればいいか。 店長と話し合った結果を伝えてくれました。 目に見える改善点などもありました。お店のディスプレイをよりお客様目線に合わせて変えたりと、その対応の早さにも感動しました。 正直、ソウダさんの仕事ぶりを見ていて、とても尊敬できるところが色々と見えてきました。 こんな風に仕事に向き
ソウダさんとご飯に行った後、しばらくは何も変化がなく過ごしていました。 ただ、彼氏はまた長期で出張に出ることが決まり、わたしの中では「寂しい」という気持ちと、いつものこと、という思いで葛藤していました。 そんなわたし自身も仕事に慣れるのに精一杯。 2ヶ月目を迎え、仕事の内容自体はだいぶ把握できた頃、今度は同僚の働き方が気になるように(良い意味では仕事に慣れてきて余裕が出てきたということだと思うのですが)。 そんな気持ちを抱えて少し悶々としていたタイミングでまたわたしの心
その翌日、休みが合い、久しぶりに彼氏とのデート。 といっても大抵家でゆっくり過ごすのですが。 わたしは正直に昨日のご飯が男性の同僚と2人だったことなどを伝えました。 その後の話の流れも伝えたところ、滅多に怒らない彼がイライラして言いました。 「出張中なのに大丈夫?とかその人に言われる筋合いはない」 いつもなんでも正直に話してしまうわたしの悪い癖です。 そんなこと言われても全く気にならない、と伝えたかったのですが 正直出張で会えない期間が長く寂しさが募っていたわたしは
「え、はい…そこはお互いに信頼しているので。」 それまで一切お互いの恋愛の話などプライベートな話は出なかったので、少し驚きながらも返事をしました。 「いや俺だったら、出張中とかならなおさら心配だな・・・」 わたしと彼氏は長く付き合っていたけれど、仕事が忙しく結婚の話も出ないわけではなかったけれど、もともと結婚願望があまりないわたしはそれなりに今の関係に満足していました。 周りに色々言われることはあったけれど、2人のことは2人にしかわからない。 そう感じていたし、お互いの信
2時間くらいは話しただろうか。 ソウダさんと最初は少し緊張していましたが、彼の仕事に誠実な姿勢。 そして資格を新たに取り、さらなるキャリアップに向けて頑張っている姿。 そして、実はわたしが入社する前に、新人さんが一人辞めていたことも教えてくれました。 ソウダさんは店長からの信頼も篤く、その時店長に頼まれてその新人さんに話を聞いたりしていたそう。 まだ社会人経験も浅く、異業種から転職した彼女は色々重なり結局退職してしまったのですが、人間関係でもわたしと同じように同僚とのコミ
仕事にもすこーしずつ慣れきた頃。 ソウダさんから声をかけられて、それから1週間。 「今は繁忙期であっという間に1ヶ月経っちゃったけど、少し落ち着いたらか今度仕事帰りにご飯行かない?」 その前に、職場の人同士でちょくちょくご飯に行っているという話を聞いていたこと、ソウダさんがわたしのことを心配してくれて声をかけてくれたこと。心配してもらっていることも嬉しく、またこれは同僚の人たちと打ち解ける機会かなと思い、 「行きましょう〜」 と何も考えずに返事していました。 思えばここ
新しい仕事を始めて3週間くらい経った頃。 職場の人数は少なかったのですが、個性豊かなメンバーで年齢は皆近く、根は良い人たちなのですが、異業種からの転職組も多く、試行錯誤している方も多かったです。 また、割と新しくオープンした店舗であったため、顧客との関係性も試行錯誤という感じで、わたし自身も色々と慣れない環境にストレスを感じ始めていました。 そんな中、割と業界の経験も長く、年齢も近かったソウダ(宗田)さん。 「疲れてない?大丈夫? 休憩もしっかり取れていないんじゃない?
これは数年前の話(ホラーではありません)。 当時わたしには付き合って8年ほどになる彼氏がいました。 彼は多忙で出張も多く、寂しいという思いはいつもありました。 そんなわたしは転職をしました。 業界は同じでしたが、新しい職場で新しいことにチャレンジしてみたいという思いからでした。 職場は色々な人と関わる仕事でしたので、新しい職場で、新しいお客さんにと、新しいことづくめでした。 緊張していたわたしにさらに初日から早速たくさんの仕事の説明。 業界は似たような場所でしたが、初め