怖い物語④

2時間くらいは話しただろうか。

ソウダさんと最初は少し緊張していましたが、彼の仕事に誠実な姿勢。
そして資格を新たに取り、さらなるキャリアップに向けて頑張っている姿。

そして、実はわたしが入社する前に、新人さんが一人辞めていたことも教えてくれました。
ソウダさんは店長からの信頼も篤く、その時店長に頼まれてその新人さんに話を聞いたりしていたそう。
まだ社会人経験も浅く、異業種から転職した彼女は色々重なり結局退職してしまったのですが、人間関係でもわたしと同じように同僚とのコミュニケーションが取りにくいと悩んでいたそう。

ソウダさんは「実は花さんも、同じように悩んでいたら、とちょっと気になって」
とわたしが今の職場に馴染めているのか、不安はないか、と気になっていたようでした。

実は1ヶ月が経ち、会社自体に対しても気になる点があったり、職場環境にも正直まだ慣れないことも多く、前日に彼氏に「今の職場、続けられるか正直不安」と吐露していたところだった。

そのタイミングでのソウダさんとの食事は、なんだかわたしの感情の揺れにハマるタイミングで。
これまで感じていたこと、これからの不安など、少しずつ話すことができ、ソウダさんもそれらに真摯に答えてくれました。

ソウダさんは信頼できる。この人がいるなら、もう少し頑張れそう。
そう思えてきたのも事実でした。

食事も終わり頃、二人とも少しお酒も入り、程よくテンションも上がっていた。
それまでは仕事の話しかしていなかったのだが、何かの話から、お互いの恋人の話になりました。
「え?彼氏いるの?」それがソウダさんの反応だった。
わたしは隠すつもりもなかったのでさらりと彼のことを話したら、驚いているようでした。
「ごめん、彼氏いるのに仕事終わりにこんな遅い時間まで食事付き合わせて」
「あ、いえ彼は今日も出張中で、会う時間もなかなかとれなくて。今日も食事に行くことは伝えているので」
と返したところ、ソウダさんは少し口調が変わった。
「あんまり一緒にいれる時間がないの?というか、こんな風に飲みに出ていること、知っていても何も言われないの?」
少し怪訝そうな口調でした。

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