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ファンを巻き込むUGC戦略がカギ!事業貢献につながるSNS運用術

こんにちは。
Morning Laboの久保 帆奈美(@honami725_)です。

コミュニケーションプランニング事業のプロデューサーとして、SNSの運用支援や、SNSキャンペーンのプランニングなどを担当しています。

事業内容については、こちらのnoteをご覧ください。

このnoteではこれから、メンバーが仕事の中で得られた知見を「マーケターコラム」として発信していきます。

初回となる今回は、「InstagramでUGC(*1)を創出する方法」について、事例やヒントをご紹介いたします。

(*1)User Generated Contents。一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツや口コミのこと。

「Instagramの運用をしているが、なかなか思うようにうまくいかない」、「UGCを増やしたいけれど、良いアプローチがわからない」といったお悩みをお持ちの方の参考になればとても嬉しいです!


生活者行動から見る、愛あるUGCの重要性

昨今のマーケティングでは、「UGC」というキーワードに注目が集まっていますが、どうしてそんなに重視されるか、改めておさらいしましょう。

この図は、弊社がオリジナルで作成した、SNSにおける購買行動マップ「ESECAF(エセカフ)」です。

生活者(特にSNSの利用頻度が高い若者)は以下のフローで、SNSを駆使しながら商品を購入をします。(購入する物のジャンルによって違いはございます)

生活者行動マップ「ESECAF(エセカフ)」

このマップを見ると、UGCの数が多ければ多いほど、商品が生活者の目に留まりやすくなるだけではなく、購買行動の前の「Check(検証)」段階においては、UGCが非常に大事な役割を占めることがわかるかと思います。

「似合わなかったらどうしよう」「広告写真ではなく、自分の肌色・体型に近い人の写真を見たい」「この金額を出す価値があるのか」など、購入後の失敗リスクをなるべく下げるべく、生活者は公式アカウントやインフルエンサーのタイアップ(PR)投稿よりも、一般人の口コミ(=UGC)をチェックします。

私も実際、ほしい商品を買うときは必ずといっていいほど、UGCをチェックしてから購入をします。公式アカウントでプッシュされていたり、インフルエンサーがPRで商品を褒めていたりしていても、口コミがネガティブなものばかりでは、ほしいと感じづらいですよね。

実際に、Letroが2022年に発表した「生活者の購買行動におけるUGC影響度調査」によると、 お店・施設への来店を意思決定する際に重要視する情報は、「企業やブランドのSNS公式アカウント」が1.2%のところ、「SNSやネット上に発信される一般人からのクチコミや情報」は10.2%も占めており、SNS上の口コミ、すなわちUGCが非常に有益な情報であるという結果となっています。

参照:Letro「生活者の購買行動におけるUGC影響度調査

上記の結果からもUGCは、生活者の購買・行動に大きな影響をもたらす、非常に重要な情報源であることがわかります。

企業がいくら頑張って公式アカウントを運用をしても、結局UGCが揃っていないと、比較検討のフローで離脱が起きてしまったり、揃っていてもその質が良くなければ、購入自体が見送られる可能性もあり、売上・事業貢献に繋がらなくなってしまうのです。

まとめると、公式アカウントのSNS運用は、新規顧客に向けてフォロワー数やリーチ数を伸ばすことに注力しがちですが、既存顧客や検討層に向けて、SNS上での発話数(=UGC)を増やす戦略を同時に立てていくことが重要になります。

そのUGCの数が増えることはもちろん、ブランドの世界観やこだわりを伝えてくれる良質なUGCが増えるような仕掛けを作ることが、SNSマーケティングを成功させる鍵なのです。


愛あるUGCをつくるために支援していること

では、良質なUGCを作ってもらうにはどうすればいいのでしょうか。

ブランドによって正しいアプローチ方法は異なりますが、弊社が支援しているコスメブランドで行ったのは、インスタグラムの「親しい友達(*2)」機能を使った、ブランドのファンだけに向けた限定配信です。

(*2)特定の人々を指定し、その相手にだけにコンテンツを限定公開する機能のこと。

「親しい友達」による限定配信は、一般ユーザーの間では、フォロワー全員には見られたくないような趣味の話や、仕事の愚痴、パートナーとの写真など、プライベートな発信をする時に使用している人が多いですが、企業アカウントで使用している例はまだまだ多くありません。

この機能を活用することで、限定コンテンツが届く特別感を演出し、ブランドとファンの距離感を近づけられるポテンシャルに着目し、2019年より、企業の公式アカウントでも使用を開始しました。

まずは、メンバー募集にご応募してくれた方の中から、普段からポジティブなUGCを投稿してくれる方を「親しい友達」に追加し、コミュニティ化しました。

配信内容は、「ファン限定ならでは」の切り口を意識して、企画を考案をしています。

例えば、新規顧客にとっては興味関心が薄くなりがちな、ブランドの想いや取り組みについての配信をしています。「親しい友達」のメンバーは、すでにブランドに好感を持っている既存顧客であるため、こういった情報にも積極的にリアクションをしてくれます。

また、新製品をいち早く試すことができる限定モニターキャンペーンを実施したり、ブランド製品を活用した美容ケアについてのQ&A企画なども配信しています。

毎月、どのような企画を配信をすればファンに喜んでもらえるのか、その配信を行うことでブランドに対してどのような貢献ができるのか。お客様とブランド双方にメリットのある企画を、担当社員たちで知恵を絞って作っています。


施策のヒントは「推し活」から

この「親しい友達」機能を使ったUGC施策は、実は推し活の「ファンクラブ」からインスピレーションを得ました。

私は大のアイドルオタクなのですが、ファンクラブ会員に登録をすると、限定コンテンツが届いたり、限定イベントに参加することができたり、誕生日カードが届いたり、ファンクラブから「テレビ番組に出演するのでSNSで盛り上げてください!」など、企画への協力をお願いする呼びかけがあったりします。

ファンクラブ限定のコンテンツに触れると、より一層推しのことを知ることができ、推しへの愛が深まりますし、ファンクラブからの応援アナウンスに協力をすると、推しに貢献することができるため、SNSで投稿を積極的にするようになります。

また、ファンクラブに所属をしていること自体が、自分にとってはステータスの証にもなっていることに気がつきました。

このように、好きなブランドの想いや背景を知ることができると、ブランドへの愛がさらに深まり、また自分がそのブランドの一助になっていると感じられる企画を用意することで、愛着が深まることをヒントに、「親しい友達」機能を使ったUGC増加施策を提案しました。


愛あるUGCが生まれたことで起きた変化

実際に数年間、この施策を担当・運用してきましたが、「親しい友達」に登録しているメンバーのUGCは非常に質が高いという特徴があります。

インフルエンサーのPR投稿はレギュレーションの縛りから定型文が多く、その人が本当に良いと思っているかが見極めづらい投稿も少なくありません。一方で、コミュニティメンバーの投稿は違います。

・なぜブランドがその製品を売っているのか
・他の製品と比べてどうなのか
・どれほど好きなのか
・どんな人に使ってほしい/おすすめなのか

など、まるで中の人なのではないかと思うほどの熱量の高いUGCを投稿してくれます。

支援先のブランドは環境保護や社会的支援に励んでいるため、会社が大切にしている思いや商品に込められたこだわりといった部分にも、より一層共感してくれ、嘘偽りのない素敵なUGCを投稿してくれるようになりました。

UGCを増やすためにはじめた運用方法でしたが、他にも予期せぬ嬉しいことがありました。

アカウントの投稿にコミュニティメンバーが積極的にコメントをしてくれるようになったり、ライブ配信でもコメントや質問を積極的に送ってくれたり、公式アカウント全体の盛り上げにも大きな力になってくれたのです。

もともとブランドに好感を持っていた生活者が、「親しい友達」の限定コンテンツを通じてさらにブランド愛を深め、「好きなブランドを広めたい、盛り上げたい!」「このブランドの力になりたい!」と思ってくれるようになり、相互のコミュニケーションがより活発化しました。

最新のInstagramアルゴリズムでは、他アカウントとのコミュニケーション量が活発であるほど、アカウント評価が上がる仕組みになっています。

そのため、「親しい友達」のメンバーと、限定ストーリーズから始まるDMでコミュニケーションをとったり、コメントを通じて公式アカウントを盛り上げてくれたりすることで、アカウントの評価が上がり、通常の投稿のリーチも伸びるようになりました。

次回のマーケターコラムでは、まさにこのInstagramにおけるアルゴリズム評価を上げるための施策を紹介する予定でおりますので、詳しくはそちらでご紹介しますのでお楽しみに!
(見逃しがないよう、ぜひフォローしていただけると嬉しいです…!)

公式アカウントの運用といえば、フォロワー数やリーチ数など、新規顧客の獲得から戦略を立ててしまいがちですが、既存のファンと一緒にSNS全体を盛り上げることが、勝ち筋かもしれません!


Morning Laboについて

私たちのInstagram運用支援は「愛されるブランドづくり」を大切にしながら、それぞれのブランドやアカウント課題にあった適切なアプローチで支援をしています。

そのためには、以下の3つを抑えることが非常に重要になります。

  1. ブランドが伝えたいメッセージを正しく伝えること

  2. Instagramユーザー(生活者)が求めている情報の理解

  3. Instagramのアルゴリズムに合わせた運用

今回は、Instagramの「親しい友達」機能を活用し、既存顧客の熱量を高めることで3つをしっかりと叶えることができた事例をご紹介しました。

その他の事例についても、Morning Laboの公式サイトにてご紹介しております。各施策の概要こだわりについてもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

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