パニック症って、どう診断される?

2006年にパニック発作を初めて経験して以来、これまで何度となくパニック発作を起こしましたが、パニック症と診断を受けたことはありません。「どういうこと?」と思ったことでしょう。

パニック症の治療ガイドラインでは、抗うつ薬の「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」を第一選択薬として、即効性のあるペンソジアゼピン系の抗不安薬を併用することを推奨しています。しかし、私の場合、2006年にパニック発作を経験してからしばらくは「パニック症」という病気の存在すら知らず、周囲にその知識を持つ人がいなかったため、内科に行っては「何か重篤な病が隠れていないか?」と健康診断を繰り返し、健康状態に問題がなかったため、「単なる気持ちの問題」「心配し過ぎ」ととらえて何年も過ごしました。

2014年、ビジネスパートナーらと経営していた会社が、考え方の相違から私一人になります。大変苦労をして、やっと波に乗れた矢先の出来事だったので私にとって人生最大のショックで食事も喉を通らなくなりました。そして毎日のようにパニック発作を起こすようになり、生活のリズムが完全に崩れます。そこで初めて人間ドックを受診します(この年から毎年人間ドックを受診するように)。結果、健康に問題はありませんでした。しかしパニック発作は続き、そこで初めて心療内科を受診します。

パニック症という疾患の存在を知り、治療は抗うつ薬と抗不安薬を用いるのが一般的な治療と知りましたが、どうしても副作用が気になり、漢方薬のみで治療してくれるクリニックの存在を知り、そこへ通院します。体調や気分、脈拍の状態を診てもらい、漢方薬を処方してくれます。発作が完全に収まったら投薬をやめ、通院もやめます。

漢方薬を処方してくれるクリニックには2014年以来、現在も都度通院していますが、パニック症と診断を受けた記憶はなく、発作の状態を医師に説明して漢方薬の処方をしてもらうという連続で、他のクリニックに行ったこともあるのですがパニック発作として特定の病名をつけられた記憶はありません。今年の夏、認知行動療法(CBT)のカウンセリングを受けるに当たり診断書を書いてもらいましたが、その中身はもちろん見られないので、どう記されているかは知る由もありません。

パニック症は、生活習慣病やガンのように検査して数値に表れるようなものではありません。問診票に記入して、その結果で決まるのです。前提として、症状に関係するような疾患がないことです。“心の病”と言われるものは大体そうだと思います。

パニック症の最大の特徴は、不意に息苦しくなったり、心臓がバクバクしたり、気を失いそうになる感覚に襲われたり、そのことで「次、いつその発作に襲われるのか?」その恐怖で自分の行動に制限がかかる予期不安です。これがひどくなると日常生活もままならなくなります。

「生きる気力がない」「何事にも興味を持てない」「死にたい」という「うつ病」の症状とはまったく異なるのですが、上記したように予期不安がひどくなり日常生活がままならなくなると自分の人生を悲観し、うつ病を併発することも多いので、その前に予期不安を取り除き、完治させる必要があるのです。

これらは私の経験と、本やネットで得た知識で、専門家の見解ではありません。

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