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6.4.企業研修も視野に入れる

講座や教室化を考えた場合、そのコンテンツは1VS1のコンサル内容を棚卸しして作ってきます。

このやり方は企業領域でも同じでして、企業への提供価値としてのコンサル内容を棚卸することで講座や教室化ができます。企業相手だと、研修と呼ばれますね。いわゆる企業研修。

企業研修は企業領域と対個人の間に位置するもので、1VS1でやっていたコンテンツを複数人相手に設計し直して企業へ提供すると企業研修になりますし、企業へ提供していたコンテンツの一部を切り取って対象社員向けに改修すれば、それも企業研修になります。

私の場合は後者でして、IT企業へ提供している離職率改善コンサルの一部分、エンジニアのコミュニケーション促進を研修コンテンツとして再構築して研修形式で行うことも多々あります。

それ以外にも、エンジニアの管理職(プロジェクトリーダー)研修やOJTリーダー研修、新入社員研修といった階層別に作り直したものや、キャリア研修や財務研修にITリテラシー研修といったコンサル以外の自分の持ちネタを研修にしていることもありますね。

スモールビジネスとして自分の強みや知識、経験を基にしたコンサルを提供するのなら、その提供方法としてはコンサルだけでなく、企業研修というやり方もあるのです。

企業研修のいいところ

売上の上限を突破させるための手段として、講座や教室を商品にするのと同等、いやそれ以上にいいものだと個人的には思っています。

私も企業研修を結構やっていますが、新入社員研修が複数入る春は書き入れ時ですね。春はホント、研修講師の奪い合いが研修会社同士で繰り広げられます。特に4月2日は入社式の次の日とあって複数の依頼が来ること間違いなし。それだけ引き合いがあります。

それに講座や教室化と同じく1VS多になる上に顧客が企業ということで、時間単価や1日あたりの単価は跳ね上がります。また企業相手に研修すること自体があなたのブランドにも寄与しますね。それが有名な企業相手だったり誰もが知っている大手企業だったりですと、その会社のブランドに相乗りできたりもします。巨人の肩に乗れる、箔が付くってやつですね。

あそこの企業相手に研修やっているのなら、うちもあなたに頼んでみようかな?と言われることも多々あります。私も何回か言われたことありますし、違うネタはないの?と同じ企業相手でも複数の研修を行うこともできます。

それに自分で開催する講座や教室に参加してくれる生徒は同じ内容であれば1回きりですが、企業研修では結果を出せばリピートがきます。同じコンテンツでも対象社員が違えば複数回行えますし、対象社員が多い場合は何回か開催できますし。例えば新入社員研修も毎年同じ講師が担当することが多いことなど、年単位でみても継続的に行うことができるのですね。

情報発信を考えても、ただ講座や教室を開いていますよりも某企業で研修講師をしています!の方がより先生ポジションを取れること間違いなし。

まとめますと、企業研修のメリットは3つ。①単価を上げられ売上アップ、②箔が付く、③継続的に行うことができる。

世の中には研修講師という仕事もありますので、初めから研修講師を目指すというやり方もあります。研修で結果を出すためにもキャリアコンサルティングのスキルとノウハウは生きること間違いなしですし。

その場合、企業領域の一環として研修講師をやることになりますが、気を付けないといけないことが1つあり。それは契約を取るために行うセミナーとは目的や設計が異なることです。

セミナーと研修の違い

そもそも初めから研修講師を目指す方は研修会社にコンタクトすると思われます。が、私のように企業領域のコンサルをしながら企業研修まで手を広げるパターンもありますし、1VS1のコンサルからそのコンテンツを企業の社員相手に提供したいと考える方もいるでしょうから、セミナーと研修の違いは知っておいたほうがいいですね。

大きな違いは3つあります。3つばかりですが収まりがいいので気にしないで下さい、1つだとonly oneで少ないですし、2つだとどちらかしかないのかよ、と思われますので、選択肢や協調したい点は3つが良いです。

で、その3つでの違いすが、①目的が違う、②講師が大切にするものが違う、③必要な要素が違う、です。

まず①目的が違う、について。セミナーはあくまでも集客の漏斗の一部でしたよね?契約に至るまでのフロントエンド、契約への導入部なので、営業が目的です。契約を取るためのセールスの一環です。

対して研修の目的は学びです。学びの時間として研修があるわけなので、その場その時間で受講生に何らかの成果を出す実践力が求められます。同じ2時間構成だとしても、セミナーは集客の漏斗による個別面談のアポが取れればOK、研修は時間内に成果を出せればOK、と違いが明白です。

次に②講師が大切にするものが違う、について。セミナーはセールスの一環なので、講師の個性が大切です。一目見ただけで、何だか只者ではないオーラが欲しいところですね。坊主頭だとか、妙にデカいとか、全身白のスーツとか(どれも知っている人です)、見た目もセミナー開始直後の第一声も、おや?なんだこの人?と目を引くことが求められます。

対して研修は真逆でビジネスマナーが求められます。だって企業の中でやるんだもの。講師らしい身だしなみをして、法人対象であることを前提に進めるのが研修です。

そりゃあなたのブランドが構築された後に、ぜひあなたにお願いしたいと請願されての研修であれば、企業相手でもあばれはっちゃく並みにはっちゃけて問題ないどころかそれが個性だと認識されますけれど、そこまでの存在になる頃には年収1,000万のステージにはいなくなるので、ここではビジネスマナーは守ります、という感じでお願いします。その気もないのにむりすんな~♪

最後に③必要な要素が違う、について。セミナーはバックエンドを売るためのものなので、興味付けが大事な要素となります。楽しさ面白さを追求してもいいのです、個別で話がしたいと思われることならば。お菓子を配る、音楽をかける、楽しいだけのゲームでも可。

逆に研修ではそれら全てNGでして(年収1,000万のステージを超えた人は、それも許されます)、受講生を変容させることが求められます。ですので学びや気付きといった成果を出すことにコミットしなければらないのです。そのため、セミナーと研修ではまったく別物なのですね。

研修のステージ

企業研修の世界は奥深く、また受講生の変容を数時間で起こすのは大変やりがいがありますので、企業領域で戦うにしても、対個人でやっていくにしても、取り入れた方がいいと思っています。

その営業手法も基本的には企業領域や対個人と同じで、セミナーです。集客の漏斗も変わりません、商品が研修になっただけですので、直接企業に研修を売り込む、ではないや、直接企業から「ぜひあなたにお願いしたい」と言われれば売れますね。直接企業に売れれば単価も1日7時間で数十万と高くなりますし。

ただ、研修はセミナーとは設計がまったく違うので、一度研修について学ぶか、研修会社と業務委託契約して研修講師を体験するのが良いと思います。

いやそんな軽く言われても、研修会社とどうつながっていいか分からないと言われそうなので、ここは私も所属する日本プロフェッショナル講師協会(https://j-pia.net/)に参加してみてはいかがでしょうか。

講師向けに学びの機会や情報・研修ツールの提供もしていますし、全国で研修を展開している研修会社20社以上と提携して案件情報を集約して登録講師に届けてもいます。副業講師の方もたくさん所属していて、上級認定講師だと年数千万円稼いでいる方もいらっしゃるなど、様々な講師とどうやって成長していくかロードマップも策定しています。

そのロードマップの各ステージをまとめると、5段階あります。

研修のステージ

ステージ0から登っていくのが研修講師業界のルートですが、私はコンサル業界からやってきたものでして、いきなりステージ2から始めました。

研修の設計とか講師のやり方あり方を世界的なインターナショナルスピーカー大森健巳さん(http://hyper-omori.com/)から学んでいたので、違和感なく始められました。その後、研修会社のコンテンツも知りたいと思い、ステージ1や0をやってみるなど、比較的自由にやっていますね。

ステージ3も最近やっていますし、ステージ4はリベラルコンサルティング協議会で行っていますが、おやおや、これだと研修講師の枠から外れて企業領域や対個人のスモールビジネスになっていますね。ということは研修講師の行き着く先は本書の内容だ、と言ってもいいですよね?そんなわけで、スモールビジネスとしてぜひ研修講師も取り入れて貰えればと思います、リスク回避のためにも。

ポートフォリオでビジネスを考える

研修講師の話を進めてきましたが、別に研修講師をやれ!というわけではなく。研修講師もやった方がよくってよ、くらいです。

ここまで企業領域での戦い方や対個人でのビジネス構築法を説明してきましたが、研修講師含めて全てやればいいと思うのです。やりたいことをやるのが一番ですが、できることや必要とされること=稼げることも大切なので、企業相手のコンサル、対個人のコンサル、講座や教室化にコミュニティとオンラインサロン運営、そして研修講師。すべてやってみるのはいかがでしょうか?

実はこれ、私が仕事としてやっていること全てです。オンラインサロンはリベラルコンサルティング協議会なのでコンセプトが異なりますが、その他は全て私のコンセプトであるキャリコン×中小企業診断士×IT業界×転職10回からの、「離職率の改善」を達成するための商品の提供形態です。

コンセプトをどう達成するのか、その目的を達成するための手段である商品は無数に作れます。最初は一つに絞ってビジネス構築していくのがスモールビジネスのスタートですが、ある程度ニッチな領域を極めたら、ビジネスを発展させるためにも同じコンセプトでも異なる商品を作って、異なる領域をターゲットにしてセールスしていきましょう。

それが稼ぐという点でのリスク回避になるのです。株式投資でいうところの、ポートフォリオです。保持する金融資産の組み合わせのことを指しますが、ポートフォリオを組んでおくとある企業の業績が落ちて株価が下落しても、他の複数の企業の株価が下がっていなければそこまでダメージを受けないので、全体でみると損得なしレベルになりますね。ビジネスも同じで、お金を頂くキャッシュポイントはいくつもあった方が良いです。

私は新型コロナウイルス感染症の流行による2020年4月の緊急事態宣言により、顧問先の契約が打ち切り、決まってた研修が全て中止と企業領域の仕事がほぼなくなりました。3月の時点でそうなることを予測していたのですぐに融資を受けましたが、それは一時凌ぎなのでキャッシュを産み出す何かを考えなければならないという、そんな自粛期間を過ごしまして。

そこで思いついたのが、過去に数件やったことがある対個人の補助金申請支援でした。個人事業主や小規模事業者に対して補助金申請支援を全面的に押し出し売ったことで、無事に企業領域のマイナス分を取り返すことに成功し、ビジネスがまた違う方面にも伸びそうな予感がしています。

キャリコン×中小企業診断士×IT企業×転職10回のうち、中小企業診断士のビジネスを前面に押し出した期間でしたが、こうやってキャッシュポイントを複数にすることを考えて時代に合わせたビジネスを柔軟に構築していくと、リーマンショックや東日本大震災、そして新型コロナウイルス感染症の流行といった日本経済を揺るがす外的要因に遭ったところで、あなたのスモールビジネスは倒れることなく、むしろ加速させることができるのです。

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