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10/26実施 森の環境学習&コミュニティビルディング(企業対象)実施報告


森と踊るのタケです。
ここのところ、企業からの依頼が続いていて、10月という季節の良さだけではない、急速な環境への意識の高まりを感じます。

企画の背景

今回は出光興産株式会社(https://www.idemitsu.com/jp/)とお取引がある東京都内の販売会社さんの経営者の方々をお迎えしての企画です。ご存じの通り、エネルギー関連会社は脱炭素の流れの中で、未来に向け新たなチャレンジが求められています。今回はそんな企業の二世経営者の方々の継続的な学びの場のひとつとして、出光興産社の営業部門からの依頼で企画されました。これからの時代、環境と経営は切っても切れない関係。エネルギーは社会を支えるインフラでありながらも大きな構造転換をしていく必要があり、二世の経営者のみなさんは、自身の会社だけではなく、社会そのものの基盤を支えるという大きな役割を担っているとも言えます。その役割を果たしていくためにもお互い切磋琢磨して、学び会いながらコミュニティとして乗り越えていこうという、なんとも頼もしい取り組みです。

大木の価値 〜噛み合わない歯車〜

いつもの通り、ずーやんのあとに続いて森の中に入っていき、時々足を止めながらの案内が続きます。
ここは杉・檜(ヒノキ)の放置人工林なのですが、ところどころに大きな広葉樹があります。そのひとつがこの欅(ケヤキ)。
公園にもよくある欅という樹は、きれいな扇型に育つらしいのですが、森の中ではそのような樹形にならないことが多いとのこと。そして、同じ樹齢でも、公園のように1本だけで伸び伸び育ったものと、森の中で他の樹たちの間で育ったものとでは太さも違ってくるらしい。
さて、ここで質問。同じ樹齢の「公園の欅」と「森の中の欅」では、もし木材にしたらどちらが高価でしょう?

針葉樹の中でひときわ目立つ欅の大木

答は森の中の欅。木目が詰まって美しく、テーブルの天板などに使うと100万円といった値がつくこともあるらしい。ここに案内した林業家の中にはこの樹を見て、目の中が「¥¥」マークになる人も笑
でも、ずーやんは伐ることは全く眼中になし。
多様性豊かな森を目指しているのに、ずっと以前からここにある杉・檜以外の樹を伐るわけがないですよね。
ただ、林業家の気持ちもわかるなあ。
今の林業って、補助金なしだと本当に稼げない。少しでもいいお金になるんだったら、伐りたくもなるのが人情。
「自然」という社会そのものの土台を支えて調(ととの)える仕事でありながら、それで生活していけないなんて、何かが噛み合ってないですよね。
一方、多様性のない杉・檜だけを均一に大量植樹・大量伐採して木材を大量に産出すれば、採算が合ってくる。
均一にするという経済合理性が多様性を駆逐してきたという歯車のズレなんでしょうね。
でも、そうやって、均一な状態というのは、本来の自然にはない姿。
今はよくても、いつかその均一な場所は杉・檜さえも生えなくなってくるのでは??
そうなったら、農業のように、化学肥料をいれるのだろうか???

尾根でのランチ、そして

尾根に登ってのランチは
「パン工房ふらんす」(https://panfrance.hama1.jp/)のおいしいパン‼︎
森と踊るが懇意にしているとってもおいしくて健康的なパン屋さん。
いろんな場面でお願いしているのですが、今回の参加者のみなさんのお口には合ったかな?

そして尾根から降りたあとは、森の作業体験。一緒に力を合わせて、道脇の溝づくりとなりました。

道脇の溝づくり体験 

今回の森の作業は、道の脇に溝を掘り、そこにワラや枯れ枝、落ち葉を詰めていく作業。よくあるU字溝を埋め込むのではなく、このような天然の資材を使って道の脇に有機物のたまった溝をつくっていくのです。
U字溝はできるたけ早く水を川に流すためのもの。ここで作っている溝はできるたけ流れてきた水のスピードをゆるめ、ゆっくりと土中の奥深くまで浸み通らせ、一気に川に流れ込むことを防いでくれます。

こうやって多くの人が少しずつ手を入れてきたこの森。これからも、それぞれの人の気持ちがこの森を豊かにしていきます。
今日は本当にありがとうございました‼︎

参加者の声

<イタバシ株式会社 / 板橋社長>
今まで見ていた・見えていた『森』について違った角度からの視方を教えて貰えてとても勉強になりました。私たちが良いと思っている行為が森の立場になってみると真逆であること、自然は自己再生しようとしていてそれを私たちが災害と呼んでいる?など考えさせられる内容でした。
土壌の中の菌根菌ネットワークや水と空気の流れなど目に見えていない部分が森に大きく作用していること、その改善活動は地道で時間のかかる活動であることが体感ワークを通して学ぶ事が出来ました。
森の中を歩き、ワークは無心で2時間土いじりが出来て、最後の焚火を囲んでの振り返りはとても落ち着いた気持ちになりました。とても充実した一日でした。

<出光興産株式会社(事務局)/ 中村様>
植物同士や菌との驚くべきつながり、その植物に土壌と水と空気を提供する山(自然)の働き、どれも初めて聞くことばかりで楽しく学んでいるうちにあっという間に時間が経った1日でした。
また、聞くばかりでなく、山の再生のため排水設備を実際に作りましたが、わずか2m程だったにもかかわらず、やってもやってもまだまだ枝や落ち葉を詰め隙間があるので頑張ってくださいと講師のお二人のチェックは厳しく、山を再生する作業は本当に大変だと感じました。
これから自然を守るために自分ができることを考えて、取り組んでいきたいと思いました。

最後に

これからの未来を考える経営者のみなさんが、森を訪ねてきてくださって、「自然」そのものについて考えていただくことは、新たな可能性を開くことだと感じています。
森と踊るでは、森の中で行うさまざまな活動の企画をお引き受けしています。オフィスを出て、「自然」という違った環境の中で、新たな気づきや体験をしてみてはいかがでしょう?
SDGsや気候変動など、改めて自然との関係を見直すことが、企業経営においても大切な時代に入っています。そんな観点でもぜひご検討ください。

森と踊る株式会社(www.moritoodoru.co.jp)
contact@moritoodoru.co.jp


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