みはら

田舎で山にかかわる仕事をしています

みはら

田舎で山にかかわる仕事をしています

最近の記事

中村桂子さん基調講演を聞いて

森林と市民を結ぶ全国の集い2024「人も生き物たちも喜ぶ森をつくるには?~地域の自然との共生をめざして~」基調講演の一つ、生命誌研究者・中村桂子さんの基調講演を聞きました。 動画公開中に書ければ良かったのですが、6月2日までの公開でした。 印象に残ったのが、生命誌絵巻。詳しくはリンク先を見ていただければと思いますが、生命の歴史と多様性を分かりやすくあらわしています。 この説明のなかで、「生物多様性」の話をするとき人は扇の外から話をしてしまっていないか、中から目線で考えるべ

    • 美濃加茂市副議長のセクハラと地方の若者・女性流出問題

      岐阜県美濃加茂市の副議長が、オーストラリアの姉妹都市の市長の娘さんにセクハラをした問題。 アホかって感じです。 でもこれ、田舎の飲み会とかで日常茶飯事だと思います。 私も中山間地域に住んでますが、自治会(集落)の宴会とかで、オッサンたちは大抵下ネタを言います。酔っ払ったら下ネタOK、それこそ「盛り上げる」ために、皆好きでしょ?って前提が見えるようです。 40代以下くらいの人達は引いちゃう人が多いのではと想像しますが、地方は50代以上の人達が組織の上層部に多いこともザラに

      • みどりの食料システム戦略と林業

        今年度から、農林水産省の補助金を使う事業については「環境負荷低減のクロスコンプライアンスチェックシート」を提出しなければいけなくなりました。(前回も記事を書いてましたが記憶になかった汗) 農林水産省のチラシに書かれている「環境負荷低減のクロスコンプライアンスのねらい」では、農林水産省の全ての補助事業等と書いてはありますが、同じ文章内で「農業」の確立と書いてあります。 なので、「みどりの食料システム」という名称も相まって、林業はあまり関係ないと思ってましたが、環境負荷低減の取

        • 農林水産省が導入するクロスコンプライアンスチェックに関する記事を読んで

          「alterna」のwebサイトに2024年3月21日付で掲載されている「農水省、環境に配慮しない農林漁業には補助金出さない方針」を読みました。 「環境負荷低減のクロスコンプライアンスチェックシート」なるものの画像が掲載されてますが、林業はどんな基準なんだろう?と気になったので、農林水産省のwebサイト下記ページより閲覧。 苗木を生産する事業者へ向けては農業同様、肥料や農薬の適正使用が入っています。林業事業体向けと思われる項目としては、林業機械等の適切な使用や整備・管理が

        中村桂子さん基調講演を聞いて

          『十年目の手記』

          https://www.ikinobirubooks.co.jp/syuki/ 東日本大震災から十年というタイミングで募集された手記と、それにまつわる取組みの記録。webサイトにすべての手記がテキストで、一部は朗読音源が掲載されている。 Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2021 2011年3月は、茨城県での大学生活を終え、就職しようという時だった。あの日は実家に帰省していたから、運良く直接被害は受けなかった。空調が無いアパートに住んでいたので、

          『十年目の手記』

          『現代林業』連載 ナラ枯れ

          『現代林業』という雑誌の2022年7月号から、神戸大学名誉教授である黒田慶子先生の連載「ナラ枯れと里山広葉樹の管理・活用」が掲載されている。 雑木林に入るとナラ枯れにあったコナラを見ることもあったが数本程度で、一面薪炭林でコナラばかりという山にはほとんど行ったことがない。だから残念だなあと思うぐらいだったのだけど、これから旧薪炭林だったであろう山に入るので、きちんとした知識をつけたいと思い読み始めた。これまでもカシノナガキクイムシが原因だとか、コナラが大径化・高齢化は良くな

          『現代林業』連載 ナラ枯れ

          有意義な情報はタダではない

          先日、まさにこの記事に書かれている通り情報提供してもらいたいのに「意見交換しましょう」と言ってきた行政マンがいました。  自治体は色々な予算を持っており、助成事業なんかでも自治体との連携を条件にしているものがあるので、予算を取りたい業者が情報提供してくれたり、そもそも自治体同士では業務内で情報交換しているようなので、情報はタダだと思い込んでいるのでしょう。  そもそも、私が接してきた自治体職員のほとんどは、専門的な知識や技術に対して敬意がありません。予算を取りたい業者は、決

          有意義な情報はタダではない

          『風景資本論』から林業をおもう

          「森林と市民を結ぶ全国の集い2022」の分科会で、初めて著者である廣瀬さんのお話しを聴きました。たいへん感銘を受け、プログラムの後すぐに注文。  機械を使って山に入ると意識しなくなりがちですが、枝1本の置き方でも水の流れは変化することを思い出させてくれました。  林業における収穫方法の一つである皆伐は、風景を破壊し、場所によっては他者の生命や財産を奪ってしまう危険性を孕んでいます。「今だけ、金だけ、自分だけ」のために仕事をすれば、そのリスクは増大します。もちろんそうではない

          『風景資本論』から林業をおもう