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うろうろするだけ。

今日はお休みだったので、思い切って早起きして、新幹線にのって名古屋へと向かった。
車内では高橋源一郎『さようならギャングたち』を読んでいたがすぐに到着した。
この本好きなんですよね、現実を言葉で表現する事が普通の営みだとすれば、この小説は反対のことをしようとしている。
言葉によって現実を作り上げている。
だから何が起きても不思議ではないし、現実から離れた世界でもない。そんな感じ。
ブローティガンの小説を読んでいる時に感じることと近いかな。くせになる。
それでも久しぶりだったので、あれ、こんな場面あったっけ?とか、思っていたのと違ったりする。知らない間に自分の中で再構築されていく。それほど、記憶というものはアテにならないということでしょうか。

名古屋につくとモーニングを食べた。
そして続きを読んでいた。
冷房が寒かった。
夏は寒い。ってパラドックスみたいな感じでいいな。なにが?

そのあとは、栄に文喫(有料図書館っていったら良いのかな?どう説明したらよいか分からない)に行ってきました。平日なのでゆったり、リクライニングつきのソファに埋もれながら、わかしょ文庫『うろん紀行』を読んだ。
話を繋げていくのが上手いなあ、闇金ウシジマくんと永井荷風がマッチングしちゃうなんて、それにしても永井荷風の奇行にはビビった。
そしてさようならギャングたちの話がでてきて、僕の読書とマッチングした。僕はこの小説を読むと、やりきれない気持ちになって、涙が出てくるのだが、著者の、友人に貸したら本に傷をつけて返してきた、というエピソードには笑ってしまった。本は大切に扱ってほしいけど、なにかやりきれない気持ちがあったんじゃないか、実はそれがちゃんと伝わったからこその友人の奇行だったのかとか考えてしまった。
紀行文なのに、奇行の話ばかりしている。
読みながらコーヒーをガブガブ飲んだ。

お腹が空いたのでナポリタンを食べた。
そしたらまたコーヒーが飲みたくなったのでガブガブ飲んだ。今日は何回トイレに行ったのだろう。

昼間から空いてる居酒屋があったので、串をたべながら瓶ビールを飲んだ。昼間にビールは格別だった。

そのあと、大須にある本棚探偵さんへ。
ZINEを置かせてもらったので、興味のある方は手に取ってみて下さい。
ここでもビールをガブガブ飲んだ。
お客さんがZINEを買ってくれました。ありがとうございます。そして人生2度目のサインを書かせていただきました。
ああ、これ初期のサインだねえって言われるようになりたいと思った。
たくさんの本の情報を仕入れたので、結局また本を買って読むだろう。やれやれ。
そういえば、村上春樹の「やれやれ」はどう訳されているのだろう。ギャツビーの「オールドスポート」みたいに「yare yare 」なのだろうか。そんなわけないよな。

ということで、今回の名古屋旅は、
コーヒー本コーヒー本ビール本ビール本
という感じでした。平常運転です。東京に行っても同じことです。それがルノアールに変わるだけです。
果たしてこれは旅と言えるのか。こんなの家の周りでも出来るじゃないか、と思う方もいるだろう。
僕にとって旅とは、自分の社会から距離を取ること、それだけなのだ。そして知らない土地を歩くだけで十分に色んな刺激をもらえる。

ん、こんなやつと一緒に旅をしてもつまらない?それに関しては何も言えねえ。

ういろうを買って帰った。
ういろうはうまい。和菓子が好きなんですねきっと。
また積読を消化すべく名古屋にいくだろう。
ランプライトブックスホテルに行きたいので、福岡でも良いかもしれない。あるいは札幌。

もしくは、グランピング。
何をするか、焚き火と読書でしょ!
ただ、前回焚き火で服が燃えたので、本は危険かもしれない。
もし本が燃えてしまったらマジシャンですっていっておどけてやり過ごそうと思う。
本が燃えるといえば、金色のガッシュ!だ。
あれは名作だったな。途中で読むのやめちゃったけど。

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