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BOOK REVIEW vol.078 11ぴきのねことあほうどり

今回のブックレビューは、馬場のぼるさんの『11ぴきのねことあほうどり』(こぐま社)です!

1972年に発行されて以来、今でも長く愛されている絵本『11ぴきのねことあほうどり』。幼い頃に読んだ方も多いのではないでしょうか。私も保育園にあった絵本を何度も繰り返し読んでいた記憶があります。『11ぴきのねこシリーズ』には他にも名作がありますが、私はほくほくおいしそうなコロッケが出てくる『11ぴきのねことあほうどり』のお話が一番のお気に入りでした。

11ぴきのねこがコロッケの店をはじめました。ところが、毎晩食べる売れ残りのコロッケに、ねこたちはうんざり。「鳥の丸焼きが食べたいねえ」と夢見ていると、そこへ一羽のあほうどりが現われて…。

『こぐま社』ホームページより引用

ねこがコロッケの店を始めるという微笑ましい設定も好きだし、11ぴきのねこたちの表情もかわいい!そしてページをめくるたびに、やわらかさと優しさを感じられるカラフルな色合いにとても癒されるのです。

今でも印象に残っているのは、コロッケづくりのシーン。11ぴきのねこたちが、ジャガイモを洗う係、茹でる係、つぶす係、パン粉をつける係、油であげる係に分かれて、何とも楽しげにせっせとコロッケを作るシーンは、とにかく見ていて飽きません。このシーンがやってくると、しばらくの間は、調理道具の一つひとつやエプロンや長ぐつの色や形の違いなども見逃さないように、ページの隅々まで眺めていたことを覚えています。

・・・と書いたところで、自分の中にある記憶と記憶が繋がったような気がしまた。以前(もう3年前…!)、小学生の頃から“調理シーン”を見ることが好きだったという話をnoteの記事にも書いたのですが、じつはすでに保育園の頃から好きだったことに気づきました。11ぴきのねこたちの微笑ましい調理シーンが、もしかすると私の “トキメキの原点”なのかもしれません。

以前、書いた記事はこちら
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そして、11ぴきのねこたちのコロッケづくりに関連した思い出がもう一つ。小学生の頃から、料理に対する好奇心が旺盛だった私は、よく台所で夕食の支度をする母にくっつき、「わたしにも何か手伝わせて〜!」と直談判することが多かったのですが、お手伝いに慣れてくる頃に任せてもらえたのが、コロッケづくりでした。

小麦粉・溶き卵・パン粉がそれぞれ入ったトレイを並べ、小判型に成形したコロッケのタネにまとわせていく。この作業をする時、私はいつも頭の中で、11ぴきのねこたちのあの調理シーンを思い出していました。ねこたちが頬張る、黄金色のコロッケをイメージしながら、手のひらの中にあるコロッケのタネを宝物のように丁寧に扱いました。

私にとって、『11ぴきのねことあほうどり』は、幼い頃の懐かしい思い出とともにある一冊。お話を思い出すたび、母とふたり、狭い台所に並んでコロッケづくりをした日のことを思い出します。母が油でジュワ〜!っとほくほくに揚げてくれたコロッケを半分こして、こっそり味見するのも好きだったな。

そうそう、もう一つ、思い出したことがあります。このお話を読むといつも無性にコロッケが食べたくなることを(笑)ほくほくのコロッケ、明日、さっそく買ってこよう!お腹すいた〜!

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