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BOOK REVIEW vol.010 家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

今回のブックレビューは、岸田奈美さんの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』です!

落ち込んだ時ほど、岸田さんのエッセイを。

我が家では岸田奈美さんのことを「岸田さん」と呼んでいる。普通やんって思われるかもしれないけど、格別の親しみを込めてそう呼んでいる。

岸田さんの本をリビングのテーブルに置いていると「お、岸田さんの本読んでたん?」と足を止めて聞かれる率はダントツだし、Xでの岸田さんのポストに笑った日は「聞いて!今日、岸田さんがさ〜」と岸田さんが話題の中心になり家族と「わはは!」と笑い合う。もし何も知らない人がその場に居合わせたなら、知り合いなのかな?と思う(かもしれない)レベルで、ナチュラルに我が家に浸透している岸田さん。

岸田さんの書く文章は、そのくらい距離が近い。家族とは違うし、親戚とも少し違う。どのくらい近いかと聞かれたら少し困ってしまうけれど、ものすごく“ご近所”な感じはする。親しみやすくて、読む人たちをまるっと包み込んで、一気に岸田ワールドに連れて行ってくれるから好きだ。

そんな岸田さんのエッセイは心に染み渡るものがあるので、まだ読んだことのない人がいたらぜひ読んでもらいたい。多くのレビューにも書かれている通り、笑って、泣けて、しんみりして、でも最後にはやっぱり笑えて、家族っていいなと思うから。壮絶な体験や、ある日突然、嵐のように降りかかるめずらしいトラブルに、読んでいるこちらも心が折れそうになるけれど、岸田さんの文章はどこかカラッとしていて軽快。そこかしこに笑いが散りばめられていて、私たち読者の方が岸田さんから元気をもらってしまう。私も何度、心にパワーを注入してもらったことか。岸田さんの笑いのセンスに、文章に、お世話になりっぱなしである。そして気がつくと、岸田さんのことも、岸田さんのご家族のことも大好きになっている。ご家族への愛が詰まったエッセイは、タイトルの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の一言に全てが表れているなぁと思う。本当にしみじみとそう思う。


落ち込んだ時ほど、岸田さんのエッセイを。泣いたり笑ったりするうちに、心のもやもやが吹き飛ぶから。もちろん何でもない日にもおすすめ。ぜひティッシュとハンカチを用意して読んでみてほしい。


岸田さんのnoteはこちら!

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