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BOOK REVIEW vol.021 感性のある人が習慣にしていること

今回のブックレビューは、 SHOWKOさんの『感性のある人が習慣にしていること』です!今回も星読み係 yujiさんの“ライブ選書”の中から選ばせていただきました^^

自分の人生を、より自分らしく生きていくために。
“感性を養う旅”へと連れ出してくれる一冊

著者は、京都で330年の歴史がある茶道具の窯元に生まれ、ご自身も陶芸家、アーティストであるSHOWKOさん。『感性のある人が習慣にしていること』には、日本文化がごく身近にある環境で育った著者ならではの「感性を養うための49の習慣」が紹介されている。

「感性」はセンスでも才能でもありません。
習慣で身につけられます。

『感性のある人が習慣にしていること』より引用

とても印象的だったのは、本を開いた時に一番最初に目に留まった言葉。今まで「感性」という言葉についてあまり考えたことがなく、単純に「センス」と同義語だと思っていた私は、その言葉に軽い衝撃を受けた。そして紹介されている49の習慣は、お金をかけずに今日からでもすぐに取り入れられそうなものばかり。身の回りのコトやモノ、自分の五感を使ってできるものが多く、さっそく実践してみたくなった。

・「肌の感覚」で気温を当ててみる
・「お酒の味わい」を言語化してみる
・「季節を表す言葉」を覚えてみる
・お店で出された器を「なでまわして」みる
・家の「ハンガーの数」を減らしてみる
・「つきあう人の数」をしぼってみる
・お椀を「植木鉢」にしてみる
・「わかった」と言うのをやめてみる
・季節によって「香水」を替えてみる
・「100年使えるもの」を買ってみる
・「目的地」をつくらずに歩いてみる
・「やらないこと」を決めてみる

『感性のある人が習慣にしていること』目次より抜粋

「観察する」「整える」「視点を変える」「好奇心を持つ」「決める」…大きく分けると、習慣は5つのカテゴリに分類されている。それらを一つずつ読み進めていくと、素敵だなと感じる習慣がいくつもあった。その中の一つが『「季節を表す言葉」を覚えてみる』というもの。

時節の数え方として、季節を4つに分けた「春夏秋冬」、さらに細かく分けた「二十四節気」は知っていたけれど、その二十四節気をさらに3つに分けた「七十二候しちじゅうにこう」という数え方を今回初めて知った。

気象や動植物の移り変わりを詩的に表現している七十二候。調べてみると、私の誕生日の季節の言葉は「蓮始開(はすはじめてひらく)」だった。今まで「中元」「盂蘭盆会」「祇園祭の宵山」の頃だと思っていた誕生日の季節に、また新たに「蓮の花が咲き始める頃」が加わったことで、とても新鮮な気持ちになる。

七十二候には、どの季節にも日本の四季の移ろいが細やかに表現されており、家族や友人の誕生日の言葉を知るのも楽しい。「この時期は苗がすくすく育つ頃なんだな」「吹く風が夏から秋へと移り変わる頃なのね」と、その美しい表現から情景を想像するだけで心が豊かになる。七十二候を知り、言葉を覚え、普段は見過ごしている季節の変化に意識を向けることが、「感性」に繋がっていくことを知ることができた。

最後に、読者のみなさんにどうしても考えていただきたいことがあります。
「養われた感性を用いて、あなたはどう生きますか?」ということです。

『感性のある人が習慣にしていること』より引用

エピローグのSHOWKOさんからの問いかけに、正直に言うと胸の奥がドキッとした。49ある習慣は、どれも手軽に始められるものばかりだけれど、表面的に感性を養い、丁寧な暮らしを楽しむことを目的とされているわけではない。私たち自身が「自分らしく」生きていくための方法、それはSHOWKOさんの言葉をお借りすると「心のものさし」を手に入れるための習慣だった。大切なのは養った感性を用いてどう生きていくかということ。そのことを心に留めながら、もう一度最初の1ページからSHOWKOさんの言葉を振り返ってみると、丁寧に綴られた言葉の奥に、生きていくことへの大きな覚悟のようなものを感じた。

感性のある人とは「正解のないことに自分で答えを出せる人」のこと。選択肢であふれている時代、自分の価値観でものごとを決断していく力はこれから先の未来において必要なスキル。そして感性を磨くことは心を磨くことでもあり、周りの人の繊細な気持ちに気づき、感謝の気持ちを持てる人でもあると思う。

私は感性を用いてどんな風に生きたいのだろう。自分らしい答えを探しながら、これからも感性を養う旅を続けていきたいと思う。

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