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人生はスカートの長さではないのです。 『<ルポ>かわいい! 竹久夢二からキティまで』

タイトルは中原淳一さんの手がけた雑誌『女の部屋』より。

どんな状況にあっても「かわいい」があれば闘える――男性も女性も、学生も社会人も、読めば勇気がわいてくる。近代以降今日に至るまでの<かわいい>の思想と歴史を解き明かした唯一の本。

「出版社からのコメント」より

世界に輸出されるkawaii-それはトキメキを求める少女たちの魔法のコトバ、抵抗と解放の合い言葉!女の子自身も気づかなかった戦前から続く"少女文化"の奥深さを若き女性記者が"目"と"耳"と"足"で探る-地方紙各紙に掲載されて反響を呼んだ共同通信の人気連載企画、単行本化。

版元ドットコムより

共同通信の記者の方がデスク(編集長)の指示で「かわいい」を取材して連載した企画を単行本化した本です。雑誌『オリーブ』、サンリオのハローキティ、デザインフェスタや中原淳一のイラストなど、戦後から続く「かわいい」文化の主要なプレイヤーたちが取り上げられています。

今ではかわいいという言葉は、ふつうに使われることも文化を伝える際のキーワードとして使われることもあります。しかし、その文化の発祥や定着するまでの歴史には、関わる人たちそれぞれの人生が懸けられてきていることがわかりました。見た目や仕草だけではなく、独立した個人としての在り方を「かわいい」は示しています。

(前略)
 毎年、スカートが長くなったり、短くなったり、ヘアースタイルもいろいろ変わったり、それから靴のカカトが太くなったり細くなったり、そんなものを身につける新鮮さも嬉しいものです。
(中略)
人生をスカートの長さや、ヘアースタイルのようには考えないでください。
いま、古いと言われている人間の習慣や生きかたのなかには、事実、切り捨てなければならないようなものも数多くあるでしょう。
しかし、そんなそんなものばかりではないはずです。何千年もの長い年月を生きてきて、その積み重ねから、人間を一番しあわせにする基本のようなものが出来上がってきて、それから今日まで続いているものなら、それは、人間という動物の本質的なものだと言えるのではないでしょうか。
(中略)
「いつまでも古くならないもの」--それこそがむしろもっとも「新しい」ものだとはいえないでしょうか。
人生はスカートの長さではないのです。

本書p169-170 中原淳一『女の部屋』「新しいということ」


自分らしくあること、自分の価値を信じて行動する方にぜひ。

では!

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