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オペレーション戦略でワンオペ育児の負担を減らしてみる。

「お願いだから、立て続けにトラブルを起こさないで…!!」

ワンオペ育児をする人の切なる願いだと思います。

実は本日、僕はワンオペをしていました。
我が親愛なる子供たちは、トラブルを2個3個平気で重ねてきます。

食事中に「おしっこ~」からの補助便座用意中に間に合わず漏れる、そして着替えを持ってくる間におしっこで濡れた足で歩いて汚れを広げる、一通り着替えを終わらせ、汚れをふき取っている間に、兄弟げんかが始まる

など、カオスな状況に陥ることは、稀な話ではありません。

ただ、こんなカオスなワンオペの現場でもしっかりと戦略を立てることで、気持ちにゆとりを持つことができるようになります。
オペレーションの戦略を立てることは、仕事において現場を回すスキルを養うことができます。
ワンオペにも戦略を導入し、育児という戦いをより戦いやすくしていきましょう!

この記事の要約です。

⒈ワンオペ育児でもオペレーション戦略を導入し、家庭内タスクの効率化が重要です。
・QCD(F)のバランスを考え、家庭の優先事項に基づいた戦略を立てる。
⒉タスクの優先順位と柔軟なスケジュール設定が、育児の混乱を減らすポイントです。
・重要度・緊急度でタスクを整理し、子供の予測不可能な行動に対応できる柔軟性を持たせる。
⒊利用可能なリソースを把握し、必要に応じて外部サービスやツールを活用することが推奨されます。
・自分一人で完璧に回すのではなく、外部の力を借りて育児の質を維持することが重要。

オペレーション戦略を考えるうえで重要なポイント

オペレーションのQCD(F)

まず知っておかなければならないこととして、「QCD(F)」という言葉があります。
これは、各要素の頭文字で、

Q=Quality(品質)
C=Cost(価格、費用、コスト)
D=Delivery(納期、スピード)
(F=Flexibility(柔軟性))

というものです。
コチラに分かりやすく説明されていましたので掲載します。

これら4つの項目すべてを網羅することは理想ではありますが、それは非現実的です。
例えば、品質(Q)を高めたい場合は、コスト(C)がかさむか、納期(D)が遅れることになります。
コストを下げたいときには品質が落ちる、というのは想像に難くないと思います。

このように、これらの項目のバランスを調整していき、オペレーションは実行されていきます。

この辺りで、察しの良い人は、
ワンオペ育児なら、品質を下げても納期(就寝時刻、という1日の終わりの納期)に間に合うように家庭を回せばよいのでは?(Dを最優先にしてQを捨てる)
と思う方がいらっしゃると思います。

その通り!なんですが、
このバランス調整は、「組織の経営戦略」によって決まります。
・高価格帯で高品質なもの
・手厚いサービスではないもののすぐに提供してくれるもの
・品質は並みだがとても安価なもの
などなど、その企業が提供している価値がどのようなものかによって、オペレーションの中でも重要になる要素が変わってくるわけですね。

家庭においても同じです。
どのようなことを重視するのかによって、QCDのどこに重点を置くのかがかわってくるということです。

この記事でも書いていますが、「家族全体の幸福度を高める」ためにはどのような価値観を持って生活していくのか、ということを予め決めておくことが本当に重要なんですよね。

オペレーションの評価項目(アウトプット・プロセス・インプット)

大前提としてオペレーションは、

①アウトプット(成果物)の最適化

②プロセス(やり方)の最適化

③(投入リソース)の最適化

の順番で考える必要があります。
なぜかというと、
「提供する成果物が過剰である可能性がある」
からです。

簡単に言うと、
「そこまでやる必要ある?」
というものがあるかどうかを見直す、ということです。

「家族全体」の幸福度を考えるうえで、十分であるラインはどこなのか?ということを理解しておけば、余分なリソースを投入することもなく、複雑なやり方を選ぶこともありません。

まずは、「どこまでやればいいのか?」を決めて、そこから、
「どうやってやるか?」「どのくらい(のリソース)でやるか?」を決めていきます。

このように、アウトプットを見直して、オペレーションを根本から改善することを「ビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)」と言います。

育児のオペレーションをどうやって最適化するか?

オペレーションの戦略を立てるために必要な知識を得た上で、実際にどのように育児(というよりも家庭)のオペレーションを回していくか、を考えていきましょう。

タスクの優先順位を決める

当たり前と言えば当たり前ですが、これをしっかり決めておくことは、オペレーションのリソースが変化(一人でやるのか、二人でやるのか、など)する際に「やらなくてもよいもの」を選ぶのに役立ちます。

戦略は、「やらなくてよいものを、やらないと決めること」とも言えますので、オペレーション戦略を考えるうえで、このポイントは重要になってきます。
「アウトプットをどうするか」ということを明確にすることができます。

優先度を決める際のフレームワーク(重要度×緊急度)

このフレームワークを使うと良いです(各象限に書いてある優先度の決め方は一例です)。見たことがある人も多いと思います。

そしてここに書いたうえで、それぞれのタスクごとにQCDの重みづけをしていきます。

優先度が高いタスクの品質が必ず高いわけではありません。逆に優先度は高くないものの、品質を高めるためにコスト(時間や労力含む)をかけなければならないものあります。
ですので、重要度×緊急度×QCDと覚えていただけると良いと思います。

まずこれを考えてみて欲しいです。
そしてこれをパートナーと共有してみると優先すべきもののズレがあったり、認識の齟齬があったりと新たな気づきをえることができると思います。

タスク実行の順番に柔軟性を持たせる

続いては、プロセスについて考えてみましょう。

親が想定している優先順位を無視して、予想外のトラブルが起こすのが子供たちであり、それこそが育児の辛さだと思います。

ですので、スケジュールキツキツで1分1秒が勝負!
と思いながら回すようなものではないと思いますので、少しゆとりを持たせたスケジュール設定にするべきかと思います。

また、日々育児をしていると、オペレーションが詰まるポイント(ボトルネック)がどこなのか、がハッキリしてくると思います。
Wikipediaでとても分かりやすく説明されていました。

我が家のボトルネックは「入浴」でした(今も、ですが…)
子供たちを二人同時に入れることができなくはないですが、一人の対応をしているともう一人の進行が止まる、ということが起こっています。
できるだけ一人ずつお風呂に入れるようにすることが、我が家の穏やかな夜の時間につながるのですが、それを解消するための施策を考えることが必要になってきますね。

このようにして、オペレーションをどうやってうまく回すか、というプロセスについても考えられると良いと思います。

使えるリソースを洗い出す

「そもそもワンオペを回すためにどんなリソースがあるのか」を知っておくことも大事です。

ワンオペを乗り切るためのツールやサービスを理解しておくことで、緊急事態が発生した時に、そこに頼ることができるかもしれません。

もちろん、自分自身が何度もワンオペを経験していると、そのスキルが身に付き、一人でうまく回すことが苦も無くできるようになっているかも。

しかし、ある程度の品質を担保して育児を行っていくためには、色々なものを使いながら、自身が求めた成果物(としての育児)を子供たちに届ける必要があると思います。
自分でうまくワンオペが回せるようになっても、そういったサービスの利用は効果的ですし、コストも抑えられているのであればしっかり使うのも良いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ここに書いてあるようにうまくいくわけ…と思いがちですが、これまで書いたことは全て「大人だけでできること」です。
この準備をしたうえで、未知の行動をする子供を相手にする、という心構えにも近いですね。
タスクそのものがなくなるわけではないですが、どのくらいの成果物で良いのか、を明確にし、それを夫婦・家庭で共有していることで心理的な負担も減ります。頑張りすぎないワンオペをすることができるようにうまくご夫婦で話し合ってみてください。

ワンオペはきついことですが、こういったオペレーションの戦略を立て、実行し、修正し、また戦略を立てて実行する。
といったサイクルを回し続けられることはビジネスシーンでも役立ちます。

ぜひぜひ家庭でもオペレーション戦略を立ててみてください。

では今日はこの辺で。
また次回。

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