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「台湾有事は無い」という意見

日本がこの先最も巻き込まれる可能性の高い戦禍としては台湾有事がまず挙げられると思うが、「その可能性はない」と以前から断定している識者がいる。もちろんそれを望むものではないし、そうあってほしいとこだが、中共は台湾近海で軍事演習を現にやっているわけで、そう呑気なお花畑になってていいのかという疑念がある。台湾総統選で民進党候補が勝ってからより一層でもある。

まずこの識者は中共は米国によってつくられ、米中台が一体であるかのような認識で、だから台湾進攻は(中台がそもそも一体だから)必要がないのだという認識であるようだが、そこもちょっとよくわからない。確かに米英などは日中戦争の時から援蒋ルートを通じ中国を支援してたわけだが、それはその名の通りあくまで蒋介石の国民党政権だったわけで、現在中国を支配している共産党政権とは全くの別物である。

そして台湾というのはもともと清王朝の時代に清国の領土だったのを日清戦争後に割譲されて日本領となり、その後日本の敗戦まで台湾総督府の支配下だったが日本の敗戦と入れ替わりで国共内戦で敗れた蒋介石国民党政権の支配下に入ったわけで、台湾は現在中国を支配している共産党政権の支配下には歴史上一秒も入ったことはない。

文化的にも台湾は大陸とは大きく異なり台湾は中華民国でなく台湾人だというアイデンティティもすでに確立している。なのに今の中国と台湾が元々ひとつであるかのような、それを根拠に「台湾有事はない」と言ってしまうのは中共の言う「ひとつの中国」プロパガンダに乗せられた言説であるような疑念が拭えないのである。

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