人生、転職、やり直しゲーム 第1章

【命も誰のものでもない】

俺は、自分の車を会社に置き、
会社から支給されている電話の電源を切り、
徒歩で乱子ちゃんのアパートに行った。
留守だったので、
合鍵を使い、
しばらく部屋で酒を飲みながら待った。
今日は暑い中働いたから、
冷蔵庫の冷えたビールが心地よい。
浴びるように飲んだ。
首に巻いたタオルの臭いを嗅ぐと臭い。
おっさん臭いなんて言われないだろうか。
死臭はこびりついていないか?
自分にはわからなくても、乱子ちゃんにばれるだろうか。
いや、汗の臭いだと思うだろう。

乱子ちゃんは昼間っから酔っ払って帰って来た。

「な、なんでアンタがここにおるの?」
「乱子ちゃんを抱きにきた」
「懲りない男やな!
約束のプレゼントはどうしたんや?」
「もうちょっと待って」
「買う気、ないんやろ?
この、嘘つき!
鍵、返せ!
犯罪者!強姦魔!」
「ああ、俺は強姦魔だ!
毎晩犯してやるぜ!
昼間っから酒飲みやがって!
俺の許可なしにどこに行ってた!」
「人のこと言えるんかいな、
ゼミのBBQに行ってきたんや!
お前より若くて気の利いたいい男だらけだったわ!
この、酔っ払い!
ちょっとやっただけで、
彼氏ぶるんやないわ!
慣れなれしぃ!
勘違い野郎!
私は誰のものでもないわ!」

「奨学金も返済できないFラン大学生とイチャイチャしてきたのか?
この、ヤリマンが!
お前は誰のものでもない!
お前自身のものではないから、
俺が自由にしていいんだ!」

俺は、
乱子ちゃんの鼻にいきなり鉄拳をお見舞いした。
拳に心地よい、打ち付ける感触。
ゾクゾクする。
鼻の穴から血が吹き出て俺の拳に返り血がついた。
乱子ちゃんの洋服の襟を掴み引きずり回し
ベッドに押し倒した。

Fラン大学生なんかと酒を飲みやがって、
俺は汗をかいて荷物を運んでいたのに!
俺じゃ満足出来ないってのか!
俺は、ストレスで萎えそうになりながらも、
こんなに頑張って、
乱子ちゃんにも奉仕しているのに!

乱子ちゃんなんて、
どうせ、
詐欺まがいの会社しか就職出来ずに、
奨学金返済という地獄が未来に待ち受けているのに、
青春しやがって、生意気な!
将来は、我を捨てて働かないといけないのに!
糞糞糞糞、
俺が成敗してやる!
乱子ちゃんがワーワー泣き
騒いだので
俺は自分の首に巻いていた
酸っぱい匂いの汗拭きタオルを
乱子ちゃんの口に無理やり突っ込んだ。

乱子ちゃんは口に入れた俺の手を噛もうとしたが、
俺は負けずにタオルをグイグイ突っ込んだ。
乱子ちゃんは、ウーウー声にならないうめき声を出し、
苦しそうにもがいて、手を激しく振った。

俺の目に乱子ちゃんの指が刺さった。
痛てぇ!
目が見えない!
この野郎、抵抗しやがって!
逆上した俺は、乱子ちゃんの首を絞めた。
乱子ちゃんが、死にもの物狂いで暴れたので、
俺も手加減したら負けそうだ。

俺の手のひらの汗で
乱子ちゃんの首から手が外れそうだ
また、俺の目に指を入れるつもりなのか。
俺の顔にむかって、やたらと手を振り回してくる。
俺は目を閉じて乱子ちゃんの首を力一杯締め付けた。

乱子ちゃんがバタバタウーウー渾身の力で暴れるのを
馬乗りになって取り押さえながら
俺はグイグイと容赦なく手の指の力を込めた。
乱子ちゃんの顔が真っ赤になってきた。
疲れたけれど、また、目に指を入れられるのは勘弁だ。
俺の下で乱子ちゃんの動きが鈍くなってきて、
動かなくなった。
俺はようやく、首から手を離した。

首に手がめり込んだようだ。
小さい時、粘土に手形を付けて、
剥がす時の感触を思い出した。
俺の手にひっついた首の皮から手をゆっくり剥がした。

もう、攻撃されないと安心したら、
臭い。
俺が乱子ちゃんの服を脱がせたら、
脱糞していた。
胸の下に耳を当てて心臓の音を確認したが、
止まっていた。

俺は一安心して、
よく見えない目で、
乱子ちゃんの遺体を
バスルームで洗ってから
遺体を犯した。
絞殺したから真っ赤な顔だ。
だらんとして、
生きていた時のように、
自分から足を開くことはなく、
こちらを喜ばせるような反応は何も無かった。
ヒリヒリするので唾をつけてやった。
ゴムをつけずに中に出した。
萎えないかと思ったが、
乱子ちゃんが生きている時より、
大きくなっていたのは何故だろう。
いけないことをすると興奮するなんて、俺はテレビでたまに観る異常殺人者なんだろうか。

しかし、遺体を
いつまでもここに置いておくのはまずい。
どうしよう?

【車で運ぶ】

【他の方法があるはずだ】


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