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ドラマ「いちばんすきな花」〜二人組だっていいんだよ

ドラマ「いちばんすきな花」が最終回を迎えた。
今期ドラマの中では「Silent」の生方美久さんが脚本を担当するということで、期待値は一番高い作品だった。

二人組を作るのが苦手だった四人がひょんなことから出会い、四人組になってちょっと生きやすくなってゆく、という物語だったと思う。

男と女では友達になれないのか?とか、いろいろな思い込みや決めつけを、取っ払ってゆく部分は分からないでもなかったが、回を重ねるにつれ、私は正直、なんでも四人グループで、というところに少々引っかかりを感じ始めていた。
学校の授業などで、さあグループに分かれて、などと教師に指示されると、決まって私はどのグループに入ったらいいのか、どこに入れそうか、戸惑ってしまうような、ぼっちタイプの人間だったのだ。
四人組でも二人組でもなく、一人ぼっち…。
登場人物の中でいうと、ゆくえの妹・このみは、わりと一人タイプに当てはまるかもしれない。

物語はこのまま仲良し四人組として話が進んでゆくのかと思いきや、グループ内での片想いがあったり、後半から美鳥(田中麗奈さん)が登場したことにより流れが変わりだした。
美鳥はとても重要なキーポイントになっていた。
椿(松下洸平さん)、ゆくえ(多部ちゃん)、夜々(今田美桜さん)、紅葉(神尾楓珠くん)と、美鳥はそれぞれ別々の時期に出会い、その時々でまったく違う顔を見せていたが、四人はそれぞれが美鳥とまた会いたいと思っていた。
そしてついに、四人と再会を果たした美鳥だったが、四人組グループの中に五人目として入るのは難しい…と感じてしまう。
その場面で、私は美鳥に一番共感した。

美鳥は四人全員と一緒に会うよりも、一人づつと会う方が好きなのだ。
ー 私ね、2人って好きなんだよね
ー 2人組、安心する
ー 自分のためだけに相手がいるって感じが安心する
という美鳥の台詞がとても腑に落ちた。
私も二人組の方がしっくりくるタイプなんだ、と気づかされたのだ。

グループで集まるのが嫌いというわけではないけれど、三人以上で集まると、なんだか話が散漫になるというか、気づくとグループの中でもさらに二人組とか三人組にいつの間にか分かれて話していたり、とりとめがないという感じがして、私はそんなにグループで過ごしたい方でもない。

もともと友人が多い方ではないし、長い付き合いである数少ない学生時代からの友人たちは、私を介してお互い名前くらいは知っていても、紹介して友達になるとまではいかなかったので、皆んなで一緒に会うということもない。
会う時はいつも一対一の二人だけで会っている。それが私には、じっくり話も出来て落ち着くのだ。

そういう二人組の方がいい、という人も否定しないところが、このドラマの良さでもある。
みんな違って、みんないい、というスタンスがラストは心地よかった。

四人組もいいけど、二人組もいい。
そして一人だっていいのだ。




最後の藤井風くんの弾き語りは、サプライズだったのかな?


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