見出し画像

有名になりたい欲の正体

あの頃の、憧れ
学生のころ、ときどき学内のプレハブで、古本市が開かれていて、わたしはそこで、よく「広告批評」という雑誌を買って、じっくり眺めていた。
最先端の表現や、研ぎ澄まされた言葉で、世の中の注目を集める国内外のクリエイターたちは、当時のわたしの憧れだった。
特にミュージックビデオの世界はクリエイターの自由度があるような気がして、自分だったら、この曲にはこんなビデオをつくるな、、と、妄想を繰り広げ、ドトールでノートに絵コンテを描いたりしていた。

有名になりたい欲
当時は、とにかく「広告批評」に顔写真と名前が載ることが夢だった。名指しで仕事がきたら嬉しいなと思っいたし、地元の同級生や、親戚や、わたしを知る全ての人から「すごいね!」と言われたかった。わたしは、わたしを取り巻く世界から褒められ、リスペクトされたかったのだ。
そしてその欲は、実は正直、今でもちょっとだけ、ある、気がする。

雑誌に載ってはみたものの
わたしは結局、広告業界のクリエイターにはならなかった。メーカーの商品企画者として、雑誌に顔と名前が載ったことはあるが、決して有名ではないし、褒めてくれたのは、両親くらい。自分が描いた絵コンテがCMになって、商品の認知が上がることはあったが、自分が有名になることはなかった。
「広告批評」に載っていた人たちだって、ある意味「有名」ではなかったのかもしれない。

今、1番褒めて欲しい人
今の有名になりたい欲をもっと深ぼると、「自分の世界をあたためたい」「自分で舵をとりたい」というワードが出てくる。
世の中に広く名前を知って欲しい訳ではなくて、自分の要素そのものや、自分で編み出したことが、何かをよくしたり、よい方向にかえたり、そういう風にできたらいいなと思っている。あとは、とにかく自分が喜ぶことをしたい。
今、1番褒めて欲しい相手は、自分なのかもしれない。



この記事が参加している募集

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートは、絵本制作等アートによる子育て支援のための費用に使わせていただきます。