『まだ東京で消耗しているの?』その常識は本当に正しいの?という視点
イケダハヤトさんの『まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく』は、私のこれまでの常識を変えるきっかけとなった本です。
息子が私の人生に訪れてきてくれてから、あっと言う間に13年が経ちました。
人生には、思わぬ出来事が大波のように襲ってくるもので・・・。
その常識は本当に正しいのか?
イケハヤさんのこの本は東京という都会から外れ、移住で自由な働き方やライフスタイルをすすめるものだけど。
私には「その常識は本当に正しいのか?」という視点を持たせてくれたことに大きな意味があった。
私の息子は発達障害がある。
知的障害もある。
最重度。
言葉を話せないので、日常のコミュニケーションが難しい。
めちゃくちゃ偏食だから、毎回の食事に頭を悩ませる。
外出中はロケットみたいに多動で、数秒で行方不明になる。
我が道を行く衝動性の激しさは抑えることが難しい。
こだわりとパニックの嵐。
そのくせ、命に関わるような発作を突然起こして死にかけたりもする。
私の子育ては誰とも共有できない。
なぜなら、私の子育ては「重い」からだ。
健康な子どもなら、また違った人生だったのかもしれない。
しかし、もしもはないのだ。
考えたって、悲しみが増えるだけだ。
じゃあ、私たちはこれからどう生きていけばいいのか。
社会から零れ落ちそうな、世界の片隅で?
私はこれまで健常者として生きてきた。
障害のある人との関わりも息子が初めてだった。
息子と向き合うためとは言え、これまで自分が信じてきた常識を壊さなければいけなかった。
辛いことではあったけど。
「その常識は本当に正しいのか?」という声が聞こえたような気がした。
いろんな生き方があるのにね?
それは今振り返ることができて、ようやくわかったことであり、絶望の最中にあっては周りが全く見えていなかったのでした。
「それ以外の生き方」の選択肢は無限だった
本を読んでまず驚いたのは、「フリーランスって世界があるんだなぁ。」ということ。
当時はまだまだ目新しい働き方だったのだ。
これなら、息子と一緒に生きていけるかもしれないと希望を持てた。
「お勤め」が必要な仕事はもう合わないと悟って仕事を辞めた。
そのあとは、Webライターとして在宅でしばらくの間活動をしていた。
いろんな記事を猛烈に書きまくり、締め切りに追われる日々。
実績0だったから、経歴を作っていた時期でもある。
プロフィールができると、メディアで単独の連載をいくつか持つこともできた。
フリーになって「住むところは、本当にどこでもいいな。」と思えた。
書くことはどこでもできるもの。
この本に書かれていること全部を叶えることができないとしても。
人生を変えるきっかけとなった本であることには間違いない。
物事の本質を見極める目を持つ大切さ
その常識は本当に正しいのか?
他に良い方法はないのか?
常に目が離せないからと、家に閉じこもって秘密裏に育児をするのも怖い。
本当は私だって自分の育児をもっとオープンにしたい。
息子にもっと広い世界を見せたいんだ。
移住に憧れるのは環境を変えたいだけなのかもしれない。
それでも、夢はないよりはある方がいいに決まっている。
0常識になった私。
息子にはいろいろ教えられてきたような気がする。
発語がない中、隠された言葉を読み取ろうと確認し合う、私たち2人だけの気の遠くなるようなコミュニケーション。
育児を通して社会に貢献できる使命に目覚めて、自ら仕事を作ってきたこと。
障害や持病のある人の目線での社会を見られるようになれたこと。
毎日が生き直しだ。
常識なんて明日どうなるかもわからない。
だから自分をアップデートしていくことが大切だ。
消耗しないためにも、ね。
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