【コンサルこぼれ話】アベリ期間の過ごし方
こんにちは,もりおです。
今回は,コンサルの「アベリ期間」の過ごし方についてお話ししたいと思います。
アベイラブル期間とは何か?
「アベリ期間」は正式には「アベイラブル期間」というコンサル業界用語です。アベイラブルは英語のavailable(手が空いている/すぐ利用できる)で,要は「コンサルタントがプロジェクトに入っていない状態」を指します。
多くは,あるプロジェクトを終えて次のプロジェクトが決まるまでの空白期間のことです。
今回は,このアベリ期間にコンサルタントが何をしているかという話なのですが,前提として,アベリ期間はコンサルタントにとって決して望ましい状態ではありません。
と言うのも,コンサルタントの評価や昇格の要件には「稼働率」という指標があり,この稼働率が以下の式で計算されるからです。
稼働率 = 稼働日数 ÷ 勤務日数
稼働日数とは,実際にプロジェクトに入ってクライアントを相手に働いている日数のこと。アベリ期間は稼働日数にカウントされないので,アベリ期間が長くなるほど稼働率が下がり,評価に影響を与えるようになります。
特に稼働率が低いスタッフは,管理職層から見ると「能力が低いのでは」「過去に人間関係のトラブルを起こしたのだろうか」などと思われがちになります。
アベイラブル期間の過ごし方
とは言え,よほど引っ張りだこのスタッフでない限り,アベリ期間というものは多かれ少なかれ誰でも経験するものです。そして,プロジェクトという分かりやすい行動指標がないために,この期間の使い方は人それぞれです。
では実際に,アベリ期間中のコンサルタントがどのような過ごし方をしているのかを見ていきましょう。
ケース①以前の上司の手伝い
最もバイタリティの高い人たちは,プロジェクトから離れている状態を我慢できません。以前のプロジェクトの上司や先輩にコンタクトを取り,提案書の作成や分析業務の手伝いなどを精力的にこなしながら,次のプロジェクトからお声がかかるのを待ちます。
ケース②研修
研修を受けるのは最もメジャーな過ごし方の一つです。
コンサルファームは研修に力を入れている場合が多く,対面/オンラインを問わずに様々なプログラムが用意されています。強制のものも任意のものもありますが,アベイラブル期間はこうした研修を受けるのには絶好の機会です。(というか,プロジェクト期間中は研修など受けている暇がありません)
ケース③資格やスキルアップのための勉強
こちらも研修と並んでメジャーな過ごし方です。スキルアップに繋がる資格の勉強をひたすら行います。
具体的には,SAPやマクロ等のITツール系の資格やTOEIC, TOEFL, 簿記などが多くなっています。
ケース④読書
こちらは単体というより,研修や資格勉強との組み合わせということが多いのですが,プロジェクトや経営,自分の興味のある業界の本など,プロジェクト期間中に積読本となっていたものを消化する人が多いようです。
ケース⑤社内ネットワークの構築
プロジェクトの合間というのは勤務時間や勤務場所の自由度が高くなります。特に,常駐プロジェクトから一時的に本社に帰ってきている人も多く,そうした人は将来的に配属されたいユニットやプロジェクトの管理職層とコネクションを作りにランチや会食の場をセッティングすることがよく見られます。
ケース⑥転職活動
こちらも研修,資格の勉強と並んで実はメジャーです。
プロジェクトと並行して転職活動を進めるのは非常に難しいので,アベイラブル期間中に転職エージェントとの面談や転職先候補企業との面接を設定しているケースはよく見られます。
本当に転職を考える場合も,今後のキャリア設計についてエージェントと相談する場合のどちらもあります。
まとめ
以上,コンサルタントのアベイラブル期間の過ごし方について見てきましたが,いかがだったでしょうか。
コンサル業界以外の企業や機関では,そもそもプロジェクトベースの働き方ではないことが多いので,こういった特殊な制度は存在しないのかもしれません。他業界に勤める友人たちにも,これに類する制度があるのか訊いてみたいところです。
それでは今日はこの辺りで!お読みいただきありがとうございました!!
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