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あの子の日記 「あふれる」

日本のどこかの、誰かの1日を切り取った短篇日記集

何もしたくない夜。こんな日には、みんな何をしているんだろう。

別に嫌なことがあったわけじゃないの。ただ私を支える核みたいなものが鉛のように重たくて、なんだか前向きな気持ちを吸い取られてるみたい。

胸のなかに溜め込んだものがいっぱいになるっていうのは、きっとこういうことなんだね。コップになみなみ入っている水みたいに溢れそうで溢れない何かが私の邪魔をしてる。

だから今はすごく温かい言葉に触れたい気分。触れて、優しい気持ちに溶けてしまいたい。

何もしない夜があったっていいよね。

ベッドにもぐると冷たい布団が私を包み、少しだけ体温を奪った。



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