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週末で楽しむ沖縄、ダイビングと那覇はしご酒-DAY2|TRAVEL LIGHT #4

ケラマブルーに魅せられて

2日目の朝。アラームの音で起きる。いろんな夢を見すぎて何が何だかわからない。ここは沖縄だ、今日は慶良間でダイビングだ、そう思い出すとぱっちり目が覚めた。いつも朝はどんよりしている人間とは思えない俊敏な動きで準備して出かける。

ホテルの前にダイビングの送迎車がやってきて、車はすぐに那覇の港へ。色とりどりのコンテナが積み上がる、THE港な光景。伊豆あたりのダイビングの漁港の趣きとは違うスケールを感じる。クルーザーに乗り込んで、いざ出発。

スピードが上がり、寄港している大型客船が小さくなっていく。海の中もいいけどクルーズも楽しい。昨日は船上からザトウクジラの姿が見えたらしい。いいなあ。

私にとって、ダイビングは瞑想のようなものだ。ゆっくりと深く呼吸をし、重力も何もかも忘れる。宇宙旅行ってこんな感じなのだろうか。背負っている空気が尽きるまでの命。本来なら人間が生きられない世界で、究極のストレンジャーとして旅をする。

沖縄の県魚“グルクン“の群れ

ケラマブルーと言われるように、水中に潜ると、はっとするほど青い。この空間にいるだけで心地よい。小さな生き物を探すのも楽しいけど、頭上を通り過ぎる魚の群れに遭遇すると静かな興奮を感じる。

イソギンチャクに隠れるハマクマノミ

好奇心からなのか、海底にいる魚がこちらに近づいてきたり、じっと見てくることも。

違うポイントを3本潜って、ウミガメには毎回会えた。すぐそばで一緒に泳ぐのも楽しかったけど、水面を悠然と泳いでいく姿を見上げるのも好きだ。ダイビングはやっぱりすごい。次はマンタを見にこよう。

いつでも満足できる味を求めて

ダイビング後のごはんは幸せだ。下山後と同じで、心地よい疲労感と、生きて帰れたという安堵感もある。シャワーを浴びてこざっぱりしたら、賑わう方へと繰り出す。国際通りのあまりの人の多さに驚くが、一本外れると急に人通りが減る。

路地を見つけると写真を撮りたくなる
かなり目立つ人気のモツ焼き店

牧志公設市場のあたりは、こぢんまりした店が軒をつらねる飲み屋街になっている。「せんべろ」(お酒3杯におつまみもついて千円)が人気で、早い時間から賑わっている。

何年か前にせんべろの人気店にお邪魔したが、お酒<<食べ物の私は、すきっ腹の酒でふらふら酔って、なんとなく満足できない気分で(生意気言ってすみません)、別の店に移動した。

それが、“まいすく家“だった。おでん盛り合わせと生ビールで千円ちょっとで、このせんべろがいいじゃないかと興奮したのを覚えている。

レタスとソーキが沖縄おでんならでは

今回も頭の片隅に残っていたけど、あのときは酔ってたしなあと、別の店を覗きながら歩く。すると、思い出の店が見えてくる。カウンターは一人客も多くて、落ち着く空気感。よし、やっぱり入ろう。

一つだけ空いていた小さなテーブル席に。じっくりメニューを見る。ダイビング中はお昼を抜いたので、今晩はもう一軒はしごするぞと決めていた。腹半分くらいになるよう注文するつもりが、食べたいものが多くて困る。

悩んだ末に頼んだのは、オリオンビール生、豚ハツ刺し、県産豚ともずくのコロッケ、ゴーヤーちゃんぷるー。

最高にビールに合う
一口サイズがかわいいコロッケ
スパムだけでなく豚肉も入ってる

豚ハツは新鮮で歯応えもいいし、コロッケも珍しい組み合わせだけど間違いないし、とにかく全部おいしい。このちゃんぷるは毎日でも食べたいかも。味がまとまっていて、自分ではなかなかこうならないんだよなあと、箸が止まらない。

ふと顔を上げると、カウンターに見覚えのある後ろ姿が。ダイビングで一緒だったおじさまではないか。隣の一人客の女性とちょこっと会話をして楽しそうに呑んでいる。数ある中から同じショップと店を選ぶ。もしかして、かなり趣味が近い人?

お店を出るとき、挨拶しようかと顔をちらりと見る。あれ。違った。全然知らない人だった。楽しそうにしている人が多すぎて、もう見分けがつかない。隣の女性と私も、後ろから見たら同じ雰囲気を放っているのかもしれない。

魚が食べたいときはここへ行こう

妙に愉快な気分で歩く。次は知らないお店に入ってみたい。路地を見つけるたびに覗き込んでいると、明かりに目が止まった。薄暗い路地の奧に人が集まっている。「魚」の赤文字に吸い寄せられる。

奥に見える「魚」の文字(ジランバってなんだろう)

入ったお店は、“魚久“。地元のご常連らしき人が多くてちょっと浮いてるかもと思いつつ、テーブルの間隔も広いしテレビもあって落ち着けそうな雰囲気。

牧志市場の魚屋さんがやっているそうで、メニューには魚料理が並ぶ。お腹いっぱいで残すわけにはいかないと厳選して頼んだのは三品。

一品目は、お刺身3点盛り。ちらりと見えるドリンクは生シークワーサーサワー。まずはイカ。しっとりねっとり感もあっておいしい。どれも新鮮。この先の期待が高まる。

イカ、マグロ、赤マチ

次は、グルクンの唐揚げ。ダイビングでもたくさん見た魚。これはおいしすぎた。おいしすぎて写真を撮る前に結構食べた。

食べかけで失礼します…

もう無理かもと思いつつ〆に、イカスミ焼きそばを。こんなのおいしいに決まってる。最後に泡盛ジョッキも注文。

お歯黒になる覚悟で食べよう

おしぼりで口を拭いたら真っ黒。これは歯も真っ黒だろうなと思いつつ、まあ口を開けなきゃわかんないよねと外に出た。お向かいはもう閉まっているけど、ソーキそば専門店。早い時間ならここでハシゴもいいかもしれない。

風にあたりながら、はちきれそうなお腹を抱えて商店街を歩く。外の席で楽しげに飲んでいる人たち。いい気分でつい口元が緩むが、今はお歯黒なのだ。でも、誰もそんなことなんて気にしていないさあ、という気がする。

泡盛の余韻でふわりと眠い。やわらかいシーツにくるまって眠るのを楽しみに、沖映通りをまっすぐまっすぐ歩いて、ホテルへと帰った。

つづく

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